工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

小曽根 真 〈Road to Chopin〉

小曽根真リサイタル

グランシップ、中ホール・開演前/by iPhone4


ショパン弾きは世界にあまたいるけれど、ディキシーランド、ラテン、ブルースの影響下からスタートし、そしてオスカー・ピーターソン、チック・コリアをリスペクトするJazzピアニストがショパンに挑み、アルバムを出したというので話題になっていた。

確かに今年はフレデリック・ショパン生誕200年というショパンイヤーであれば、マーケティングとして格好の材料?、といった穿った見方をされようとも、そんな甘っちょろい姿勢でショパンを御することなどできるわけもない。

しかし小曽根真はあえてこれに挑んだ。真摯な姿勢で。
CDタイトルも〈Road to Chopin〉
CD内、いくつかの曲はほとんど原譜をトレースする部分があったりするわけで、それをリスペクトとして見ることもできるが、いやむしろ微妙に小曽根節が出てきたり、Jazz特有の不協和音を伴う揺らぎとして小曽根流の解釈が提示されたりと、チャレンジングな緊迫感と諧謔精神が交錯するユニークな表現に、彼ならではのショパンへの尊敬を見る思いだった。

そして音楽はやはりハーモニーだと思わされた。
Jazzもリズムとともにハーモニー。メロディーも重要でないわけではないが、まずハーモニーが豊かでなければつまらない。

昨日、この〈Road to Chopin〉という新譜をひっさげたピアノ・リサイタルが静岡市のグランシップで開かれたので、聴いてきた。

45分、45分の2ステージだったが2曲のアンコールを含め、ショパンがマズルカ、前奏曲など9曲。オリジナルのものが3曲、そしてスタンダードナンバーの「枯葉」
2曲ごとにショパンへの思いなどを中心とした話し、大阪人らしい客席を盛り上げるトークなどで飽きさせない。

ポーランド本国でもツアーを展開しているようで、とても良いことだと思った。
ショパンを弾くとなると、やはりポーランドの地に少しでも根を下ろし、街の匂い、人々の語らい、森の静けさに身を浸し、そして友を作り、対話を繰り返す中から、ポーランドが歩んできた苦難の歴史に思いを馳せることもできるだろう。
ショパンのエモーショナルな音楽世界の背景にあるものが見えてくるはずだ。

ただの甘っちょろい芸術ではなく、とても強くポーランド人の心を打ち、励まし、救い、癒す、この普遍的な力があるからこそ、ショパンは世界の人々に愛され、Jazzマンをも魅了する。

サイン会この静岡会場はコンサートツアー全国10会場のどん尻。
ヤマハCFXも十分に弾き込まれているようで、慣れ親しみ、友のようであると称えていた。

次にどこへ向かうかは知らないが、ショパンの経験はJazzピアニストとしても、音楽の楽しみ、豊かさ、尊さというものをより高い次元で捉えることができたに違いない。

次のアルバムまで、何度かこのアルバムを開いては聴いていくことになるだろうと思う。

今CDを聴きながらキーを叩いているが、録音もすばらしい。この録音でもヤマハCFXを使っている。

今日のYouTubeだが、今回のリサイタルツアーへのメッセージがあったので、これを貼り付けよう。
ショパンコンクールが行われているワルシャワからのものらしい。

なお、ここでも語られているが、国内ツアーも全会場で〈ヤマハコンサートグランドピアノCFX〉が使われたそうだ。キレが良く豊かな音像を繰り出す力量はピアニストが描く理想に近いものであるようだ。

今月2日、小澤征爾がウィーン・ フィルハーモニー管弦楽団から「名誉団員」の称号を受けたとの報に接したばかりだが、日本人の音楽家が西洋音楽の誉れの位に立ち、そして楽器の分野でも世界に誇るものを開発したという話しは日本音楽界のエポックだね。

今年のショパンコンクール第1位はユリアンナ・アブデーエワというロシアの新鋭だったが、 このヤマハCFXを使用したという。

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=OnZTbmjA3tI[/youtube]

画像は上から、

  • ピアノ・リサイタル会場(開演前)
  • ファンと親しく語り合いながらのサイン会
  • サインしてもらったCD

CDサイン

hr

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  • 土曜の夜、j-waveでラジオ番組をよく聴きますよ>オゾネさん
    軽妙な語りと素敵な音楽で、楽しい1時間を過ごせます。

  • kentさんもファンでしたか。
    首都圏を車で移動している時に番組に出会うことが数回ありましたが、住まいの地域ではダメですね。
    地域FMで再送しているところもあるみたい。
    ポッドキャストとかインターネットラジオとか、聴取する方法は他にもあるのかな。

  • サインまでしてもらったのですか(^^)
    しっかり小曽根ファンになりましたね。
    雰囲気のよさそうな会場ですね。
    東京で聞いたときもピアノの音はよかったです。
    メーカーのピアノ講師に聞いたところ、せんはっぴゃくまん、だよ、って。
    Jwaveはネットのラジコで聴けますが、そちらはどうかしら。

  • >サインまで
    ヘヘヘ、これでもミーハーですので。
    CFX(プレミアム ピアノ),Web表示では\19,950,000 (本体価格 \19,000,000)ですね。ワォ !
    kokoniさんも貯金箱に貯めましょう。
    >ネットのラジコ
    この地域はまだサービス提供はないのでは?

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