工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

「コレクションテーブル」の脚部

テーブル脚1

うちの小さなテーブル「コレクションテーブル」の脚部の成形。

この「コレクションテーブル」とは、ご覧のように小さなセンターテーブル様のものなのだが、ガラスの甲板下に13cmほどの深さのある収納機能を持たせたもので、器、工芸品などを入れ、これを愛でながらお茶してもらおう、というもの。

先の個展の際の受注品だが、樺でスケールアップして作ってもらいたい、という要望からのもの。
展示品と同じブラックウォールナットのものであれば半完成品もあったのだったが、それを押しつけるわけにも行かず、また新たに制作することになったという次第。
仕事内容はさほど難易度があるわけではないが、小ぶりでありながらも細かい加工が必要とされ、工程数も多く進捗が今ひとつ。

こういう家具の性格上、野暮ったさは厳に慎むべき。
エレガントで、端正に、美しくありたい。
基本のブラックウォールナットのものは材が持つ美質に助けられてきたが、樺ともなるとそうもいかず、かなり雰囲気も変わってくるのは否めないだろう。
顧客の要望とは言え、納品された時に、展示品とのイメージの差異に違和感を持たれないかと少し懸念する。

脚部の成形、高速面取盤での作業となるが、樺とはいえ、素直な木部を選んでの木取りであったので、一切の破綻もなく、美麗に仕上がった。
無論、一通り反台鉋でひと鉋を掛けるが、そのまま#180あたりからサンディングしてもいけるぐらいの切削精度である。

1枚の型板に内外2方向の成型ラインを取り、ルータークランプ(こちらを参考)にて押さえ、快適に切削する。
2.5寸角からの削り出しであるので、カッターブロックは100×100。
体積の半分ほどに削り込んでしまうので、モッタイナイ話しではあるが、それを求める淑女同様、エレガントさを獲得するには資本も掛かる。

テーブル脚b

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