工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

「2010蔵の中の椅子展」開催間近

蔵の中の椅子展DM岡山の家具作家、というよりもファニチャー・クラフトマンと呼んだ方が似つかわしい守屋晴海さんが企画から運営まで手がけられている椅子の展覧会「2010蔵の中の椅子展」が間もなく、この週末から開催されようとしている。
今年もまたその時期がやってきたということになるのだね。
ボクがこの方を知ったのは、他でもなく「暮らしの中の木の椅子展」(朝日新聞社)第1回の時のこと。
この公募展に優秀賞に輝き、華々しくデビューしたのが守屋晴海さんだった。
ボクの「アームチェア大和」という椅子も、この第1回展に向けて応募し、なんとか入選こそしたものの、彼の出品作を見て、こりゃかなわんわ、と脱帽するしかないほどにクールなものだった。
この「蔵の中の椅子展」への出展依頼があったのは一昨年の企画の時。
かなり遠方の地ということもあり、最初は少し逡巡したのだったが、結局快く出展させていただくことにした。
理由はとてもシンプル。何よりも企画者が椅子を中心とするモノ作りを生業とする人、守屋さんであったということ。

つまり企画・運営がビジネスライクのようなものではなく、インディペンデンスのスタンスで、とにかく良い椅子作りを多くの方々に知ってもらいたい、との信念に裏打ちされた意志の人であることがとても喜ばしく、これはもう少しでも協力して差し上げたいと思わせる吸引力を感じたからである。
出展に伴う条件も、企画から準備、運営まで多くの資金と人員の確保を必要とされるものであるにも関わらず、出展者サイドへの配慮の行き届いたものを感じさせてそれは心憎いばかりである。
とかく作り手が担う企画となると、やぼったく、泥臭いものになりがちなところ、ほぼその対極を行き、クールで洗練された企画運営である。
これらの評価がボクの独善的な見方であるかどうかは、この展覧会のWebサイトをご覧いただくことで、少しは理解していただけるだろう
■ 「2010蔵の中の椅子展」 Webサイト http://kura.harumifine.com/
今回は40名70脚ほどが並ぶ予定。
リストをご覧いただければお分かりのように、地元岡山県下の家具職人をはじめ、全国の著名な木工家なども出展されるようだ。
今回のテーマは〈現代の日本の職人が作る ペザントチェアーとウインザーチェアー〉
企画主旨はWebサイトをご覧いただくとして、ボクも以前よりペザントチェアーを作ってきているところから、個人的にも好企画と考えている。
ぜひお近くの方々はもちろん、椅子ファンの方々にとっては見逃せないチャンスなので出掛けられたい。
倉敷の秋を堪能しつつ、様々な椅子コレクションに触れていただきたいと思う。

【蔵の中の椅子展2010 開催概要】

  • 日程:2010年10月23日(土)〜11月7日(日)
  • 時間:AM10:00〜PM5:00
  • 場所:ギャラリーはしまや(倉敷市東町1番20号)
  • 出展:71脚
  • 特別講演:島崎 信 ギャラリートーク (11/7)
  • 問い合わせ:086-296-2322(詳細はWebサイトから)

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  • 美しい椅子は良いですね。
    出品も錚錚たるメンバーです。
    行きたいけど遠いなあ。
    ウェブカメラで中継してくれませんかね。

  • こんばんは。
    これは確かに見逃せませんね。
    最終週辺り、ひとっ走りしなければ。

  • acanthogobiusさん、お住まいの近くで企画してくれるチェアメーカーはいませんかね。
    >Webカメラ中継ですか。
    〈USTREAM〉って手もアリ?
    iPhone + WiFi 環境があればネット上に簡単に放送できます。

  • うずまきさん、会場までは“ひとっ走り”のアクセスのようですね。
    次の機会はぜひ出展者のひとりとして‥‥、

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