工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

FESTOOL社から新機種リリース

昨夜、週末ということもありちょっと海外通販のサイトを覗いてみた。
というのもこのところやや円安に振れているようであるものの、ここ10年ほど続いたレートに較べればサブプライムローンなどの影響によるアメリカ売りの結果、ドルが大幅に安くなっていることに違いはない。つまり対米為替差益があるので、個人通販もこの時期を逃せないと考えたから。
さてところが、不安は的中。お目当てのFESTOOL社のものは小幅ではあるが米ドルだとほとんど全てが値上がっている。
つまりユーロ高が反映しているために、円高の恩恵は相殺されて帳消しだ。あちゃ 。
仕方ないから、いくつかの資材など小物をプチッ。
ただ、大物として1つプチッしちゃいそうなものが新たに見つかった。
これだからたまには覗きに行かないとダメだね。
FESTOOL社から、魅力的ないくつかの電動工具がリリースされていることに気付かされたのだ。
以下、簡単に新たにリリースされたいくつかの機種を紹介しよう。
・MFK700(トリマー)
・OF2200(大型ハンドルーター)
・MFT/3 (ワークベンチ)


MFK700
MFK700いわゆるトリマであるが、パワーも700Wとかなりヘビーデューティーなものだ。
コレットも6mm、1/4″、の他、8mmまで対応する。
(FESTOOLの機種名にある数値のほとんどがパワーを表している)
機構的な部分は、他機種には無いような革新的なものが搭載されているようだ。
この辺りはやはりさすがにFESTOOLが開発、販売するだけのものがあると感じ入る。
手にしてからでないと確たる事は言えないまでも、これまでの同社他機種の使用経験からしても、とても使い勝手の良いものだろうと思えた。
ここまで本格的にアクセサリーを充実させ、使い勝手を追求したトリマは知らない。恐らくは世界最高峰のマシンとして間違いがないのではないだろうか。
それらのアクセサリーは工具無しで素早く装填可能。
1つだけやや分かりにくかったのは、デプスのファインアジャストメント機構がどのようになっているのかということ。specでは1/10mm単位での調整が可能となっている。
正式に発売されればネット上にもマニュアル(pdf)が提供されると思われるので、それを待つとしよう。(おそらく5月8日頃にリリースされる)(*追記:デプスのファインアジャストメント機構は下記の通り、解明しました)
米国FESTOO社サイトではFlashプレーヤーを使ったとても良いページが公開されている(こちら)ので参照していただこう。
【仕様】
Power consumption      720 W
Clamping Collet         1/4″ 、6mm、8mm
Column lift           14 mm
No-load speed         10,000 〜 26,000 min-1
Max routing diameter       32 mm/1″
Fine adjustment         1/10 mm
Connection for dust extraction   27 mm
Weight          1.9kg
アクセサリー込みのset価格で$510.00(多分:まだ未発売のためFESTOOL社サイトでは表記されていない)ユーロでは516,46 EUR
OF2200
OF2200こちらは2.2KWという大型のハンドルーターだ。
重量も僕が愛用している同社「OF1400」と比し、73%増し。
同社にはこれまでも2KWという大型のハンドルーターがあったが、これの後継機種という位置づけかもしれないが、かなり革新的な機構を搭載しての新たな登場ということのようだ。
ページ、動画も含めご覧いただくとお分かりのように、様々な革新的な機構が見て取れると思う。
・テンプレートガイド交換のイージーさ、
・ゼロアジャスト、デプスのマイクロ調整(0.1mm単位での)のイージーさ、
・スイッチOFF後の回転停止の動作は、恐らく逆電流で強いブレーキを掛けていると見た。
他にもダストコレクトの完璧さ、アタッチメントの充実等々、惚れ惚れするようなマシンだ。
ボクはOF 1400 EQを快適に使いこなしているし、大型のルーターマシーンも設置してあるので、この2KWを越えるクラスの機種は不要だが、そうでない人には魅力的な機種になるだろう。
同じくFlashページ(こちら)を参照していただこう。
(*追記あり:下記の通り)
【仕様】
Power consumption       2,200 W
Clamping Collet        1/2″、12mm
Column Stroke        70+10 mm
No-load speed         10,000 〜 22,000 RPM
Fine adjustment        1/10 mm
Connection for dust extraction    27 or 36 mm
Weight            7.8kg
価格は米ドルで$800.00、ユーロで1082,90 EUR
MFT/3
これはいわゆるワークベンチであるが、折りたたみ式の簡易なものではあるものの、国内電動工具メーカー、あるいは海外、同種のものと較べても、なかなか革新的で使い勝手の良さそうなものとみた。
しかしうちには立派な自作のスカンジナビアンタイプのものがあるので不要であるが、アマチュアの方々、ガレージワークショップの方には朗報かも知れない。
このflashページ、動画が楽しめるよね。途中に現れるワークベンチは独ULMIAのものかな。自作する前には憧れたものだ)
因みに、このFESTOOL社サイトでは新たに最新のカタログがPDFで提供されているので、参照されたい(What’s New、より「2008/09 Festool Catalog Available Online」)
なお冒頭でも触れたマシンの価格についてであるが、昨今このメーカーのものは何かと話題を呼んでいるものの、価格が高すぎるとのコメントが少なくないこともその特徴に上げられる。
確かに以前、このFESTOOL社の国内正規代理店になったHÄFELE社の担当者に訪問いただいた折りのお話しでは、なかなかコンシューマー向けとしての営業戦略は感じることができなかったというのが正直なところ。
謂わば奢侈品としての位置づけで、その筋に愛用されればそれでよいというような営業戦略。
以前よりボクは海外メーカーのものは一貫してこのメーカーのものも含め海外(主に米国)から個人通販で買い求めているので、価格帯における評価は国内代理店のそれを基準とはしていないことは明記しておいた方が良いかも知れない。
ネット上でのカード決済という環境があまねく普及している現在、誰の手にも同様に購入の扉は開かれている。
*記事中の画像は、FESTOOL社、カタログpdfから頂きました、(感謝 !)
*追記(08/04/07)
[MFK700]および[OF2200]について、それぞれ1点づつ追記させていただく。
[MFK700]
デプスのファインアジャストだが、ベースのノブにて1/10mmピッチでの調整が可能となっているようだ。
なお、フェンスの出し入れも同じように1/10mmピッチでの調整が可能となっている。
[OF2200]
Flashページを見ればお分かりのように、本体とベースは30°の位置関係で設計されている。一般には切削運行時、進行方向に0°の関係性にあるのが通常のところ、30°の関係性を持たせることで、安定的かつ力学的にかなった作業ができるように改善されている。
実はBOSCHのハンドルーター・1619EVSも角度は不明なるも、同じように角度を持たせてあったはず。(こちら
【参照サイト】
■ 米国 FESTOOL社サイト
■ 独FESTOOL MFK700
MFK700カタログPDF 0.7MB
■ 独FESTOOL OF2200カタログ PDF 2MB
■ どうでもよいものだが、6〜8mmビットのストレージとセットのものにこんなものがあったよ。Fräserbox
【Blog内FESTOOL関連記事】
FESTOOL ルーター【OF 1400EQ】レビュー
What’s DOMINO ? (FESTOOLから新機種リリース)
魅惑の「Domino」FWW誌に掲載
FESTOOL社、国内販売戦略の憂鬱
電動工具、集塵システムの学習
技能五輪から教えられたFESTO(Festool)社の企業理念
DOMINO活用(脚部延伸)
“手作り家具”と機械設備(番外編)

《関連すると思われる記事》

                   
    
  • 作業台、見てきました。
    おもわず、ほー、へー。
    トリトンも持ってるけど
    使ってないし>苦笑
    道具道楽ですわ。
    もっぱら、くるくると回してばかりですので(^^)
    いつか、欲しいかも。うーん、お金貯めます、
    10年後のために。

  • どこから購入するかがまた問題になりそうです。
    以前の所のTerms & Conditionsを確認すると
    We do not ship power tools outside the U.S.
    という記載があります。
    以前からあったのか最近加わった記載なのか不明ですが
    注意が必要です。

  • kentさん、
    もうご覧になったんですか。
    ベース、トップ部分は自作するとしても、クランプ類は魅力的です。
    >くるくると回してばかり
    残念ですがその分野は守備範囲ではありませんので、済まないですね。

  • acanthogobiusさん、意欲十分のようですね。
    ご指摘の情報、確認しました。ありがとうございます。
    100〜120Vという電圧の制約からして、西欧は難しく(スペインを除き220Vが標準)米国からという条件になりますが‥‥、
    一般に日本向け販売にはハードルを高くしているところもあれば、またFESTOOLのみがダメというところも少なくありませんね。
    でも、必ずしも全ての販売会社がダメというのでも無さそうですので、5月の販売開始以降、具体的に探してみたいと思います。

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.