工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

単板削りのプレナー

小型プレナー所用で出掛けた帰路、世話になっている機械屋に立ち寄った。
友人木工家の依頼を受け、探し出してもらった縦軸面取り盤など数種の中古機械の確認のためであった。
いずれも完品状態にメンテナンスがされた状態で置いてあり安堵する。
主軸ベアリングの交換を始め、回転部、摺動部などを洗浄、グリスアップ等々。
縦軸面取り盤についてはテンプレートガイドがまだ揃っていなかったので、それらの必須の付属品の整備についての再度の確認、および可能な限りに刃物をサービスで付けてもらう、などいくつかのうるさい注文を要望しておく。
これで依頼人にも喜んでもらえるだろう。
ところで、この機械屋の作業場にちょっと見かけない機械があった。
プレナーなのだが、250mm、あるいは200mmほどのかわいらしい機械。
なんだろ、この機械は?と、ぐるりと見回すと、200mmほどの巾で2mm弱の薄さの単板が近くにあった。
これ削ったの?、と聞けば、「これ、単板を削る専用機なんですよね」との答え。
へぇ〜、こんなのがあるんだ。
さらに詳しく聞けば、ローラーはウレタンゴムなのだという。
確かに内部を覗けば白いゴム状のローラーがあった。
いいねぇ、こんなの欲しいねぇ、とヨダレが出そうになる。
うちでも単板を削り、積層合板を制作して用いることがある。
例えば、この戸板、扉板は、積層合板に2.5mmほどの単板を練り付けたものだ。
もちろん自作。
桑原の普通のプレナーで何とか3mmのものを獲り、これを練り付け、その後再度プレナーで削ったものだ。
ボクは、何でもかんでも無垢でなければ、という狭量な考えには立たない。
より高品質なものを作ろうとしたした時、それが無垢でのものよりも、単板を練り付けた積層の方が良いというのであれば、積極的に使うべきと言う考えに立ちたい。
上にLinkした戸などは積層であればこそ可能なデザインであり、また構成であるしね。
あるいはまた良質な材木な入手が年々困難になっている現状を省みれば、そうした手法での原材料の有効活用ということも、より積極的に射程の中に入れていきたいところだ。
っとと、この機械の価格を聞いてくるのを失念しちゃった。

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