工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

2013年・新春のお慶びを申し上げます

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めでたさも 中くらいなり おらが春

良く知られた小林一茶の晩年の句ですが、こんな句が似つかわしい2013年新春です。

この句は江戸から故郷の信州柏原に戻り、新たな家庭を築いて間もない頃に詠んだものだそうですが、不幸続きのその時期の新春を迎える心境を表し、いかにも一茶らしい句です。

そして2013年新春の日本もまた、希望に満ちあふれた大吉とは言いがたい春です。

おみくじも、大吉をひくより中吉くらいが良いと言われるようですので、「めでたさも 中くらい」で良しとしましょう。

そんな中、うれしい賀状が舞い込んできました。
若い頃に世話になった椅子作りの師匠・斉藤熊太郎さんが間もなく100歳を迎えるという息子さんからの賀状でした。

この熊太郎師匠は、東京・芝で椅子職人として修行した後、戦後静岡に戻り、椅子制作工房を起ち上げ、静岡では貴重な椅子屋として名を成した、実にすばらしいチェアメーカーでした。
ボクがお会いしたのは既に70歳を超える年齢でしたが、氏が講師となって催された、若い職人たちを対象とする椅子作りの講習で大変世話になったものでした。

そんな師匠が、今も元気にされていらしゃることを知り、気分はパッと明るくなったのです。

100歳ですか。ボクなどは小僧っ子ですね。
長寿の秘訣としては、いくつかの要素があるでしょうし、もともとその人固有に持っているDNAの為せるところも大きいとは思いますが、やはりここは、椅子作りのマイスターとして、すばらしい人生を送ったことを、1つの大きな要因と考えたいですね。

ボクもあやかりたいものですが、俗人が長寿を望むのは、少し違うかも知れません。

さて、本格的な始業は週明けの積もりですが、年内にやっておくべきだった機械のメンテナンス、鉋の調整などが残っていたので、始動の今朝はまずはそうしたことから取り掛かったのでした。

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