工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

東北地方大雨被害と尾州檜と

日本列島、今年は台風の当たり年だ。
台風の発生数と日本への影響を及ぼす数の比率が例年比でかなり高いようだ。
直接的には台風によるものではないが東北地方広域での大雨による被害もすさまじい。秋田、岩手の河川が氾濫し、交通網が寸断しちゃってる。
藍クラフトさん、大丈夫でしょうか。
さてこの影響で今週、北海道からやってくるはずの材木が来ない。
陸路も海路も寸断。
早くとも来週、週半ば以降になるとの見通し。
その代わり、という訳でもないのだが、清水の材木屋で今日は「尾州檜」の良いものが見つかった。ありがたい。
1.5尺幅、5寸厚、15尺長。
15年前に製材され、管理されてきたもので、完全な乾燥材。
これを早速その場で2枚+αに割った。無節、割れも無い。柾目が通り、木表はいわゆる中杢。
手に入れようとしても恐らく断念せざるを得ないような銘木の1つだ。
かつて1mを越えるクラロウォールナットの原木を入手し、製材、乾燥管理してきたものを1枚、1枚と食卓などに仕上げ、手元からお客様のところへと搬送されていく時は一抹の寂しさに襲われたものだったが、またこの尾州檜の良材も同じような道を辿ることになるのだろう。
木工とは、こうした個々の希有な材木との出会いと別れという、実に人間臭いというか、情緒的な感情を揺さぶる何ものか、と言う要素があることも魅力の1つであり、またそのために過剰な欲望がもたげ、使う当てもなく大枚はたいて買い求めてしまう麻薬のようなところがあるのも偽らざるところだ。

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  • ご心配いただきましてありがとうございます。
    本当にここのところ大雨が立て続けに降りまして、その度に在来線や秋田新幹線は止まってしまい通勤通学には大きな影響が出ているようです。今回は川の水が溢れる地域もあり、盛岡も水害のひどい地域としてTVのニュースで流されていたようですね。今では大きな川が整備されていますが、短時間に降る雨を流しきれない支流も溢れるのですね。
    夏休みのかわりに三連休にしていたのですが、大雨のおかげでまったく不足してしまいました。
    どうぞ、静岡地域も台風直撃の可能性が高いようにお見受けしますので、お気をつけくださいませ〜。

  • aiさん、大雨被災の中、コメント痛み入ります。
    aiさんご自身は大きな被災はなかったようで、安堵しました。
    恐らくは河川管理というものへの問題追及も起こるでしょうが、想定を越える自然現象という側面もあるようで、問題解決は一様ではないのかもしれませんね。
    アァ、桑原くわばら

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