工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

逞しい仲間たち


活動拠点を、より深刻な場所へとフォーカスしようにも、現地との連絡が取れない。
県の災害対策センター、あるいは社会福祉協議会、およびボランティアセンターなども状況は全く分からないとのこと。
一方では報道がその深刻な地域を取材し、深刻な状況を伝えている。

行政ネットワークが完全に破断し、その間隙をメディアがスクープしていく。
メディアは電源供給可能な大型トラックで被災地へと乗り込み、サッと被災者の前にマイクを突きだし、カメラを回す。

ボクたち個人の支援は機動力もなければ、情報も少なく、したがって効果的な支援内容と、それがもっとも望まれている地区へのアクセスも困難という隔靴掻痒の感が強い。

そんな中、まずは活動拠点の見通しはついた。
Welcom ! のメールも届き、明後日、物資と燃料と、満載された支援物資、および地震・津波による被災からの復興へ向けてのお手伝いをするための機材を搬送していく。
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被災地と彼岸

3.11東日本巨大地震・義援物資搬送、義援金について

被災地への義援物資、今回分はFullとなってしまいました。
皆さんの数々の思いやりの籠もった物資、確かにお預かりいたしました。
本当にありがとうございました。
一方の現地活動資金を含む義援金の方はまだまだ募っております。
ご賛同、ご協力いただける方は以下の口座へと振り込んでください。
(ご協力いただけた方には、活動終了後、会計報告させていただきます)
■ 銀行名、支店名:静岡銀行 初倉支店
■ 預金の種別:普通預金
■ 口座名:エスペランサ 木工隊 工房悠
     エスペランサ モツコウタイ コウボウユウ
■ 口座番号:0228828

このところの業務外繁忙での睡眠不足もあるのだろうが、支援物資受け取り、燃料携行缶借り受けなどでのハンドル捌きはうつら、うららと、こんころもち良くなってくる陽気の週末。

カーラジオから聞こえてくるのは避難所で仮の暮らしを強いられている人の名前、名前。
新聞、TVでのどこそこに123人、あっちには36人、と員数だけでの呼称に替わり、ここでは例え名前だけではあるものの一人ひとりのIDentityがあり、極限的な恐怖から生き延びた人達の鼓動が聞こえてくるように思える。

タッチパネルでTVに切り替えるといきなり哄笑の渦に包まれた。
NHKに限らず、全てのチャンネルが震災関連の番組で占められていた状態から、いつもの日常へと替わっていたというわけだ。
ただの哄笑ならともかくも、知性も品もないようなお笑いにはついていけずに、SDメモリからのピアノ曲に変えたのだが、日常に戻りつつあるのは決して悪いことではない。
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被災地への義援物資、義援金を募っています

スワッ、春一番か、と思わされる突風が吹き、大きく育った庭の夏ミカンがボタボタと落下するほどの強い風に終日見舞われた寒い一日だった。

TVモニターから次々と報ぜられる被災地の映像の一部には、吹雪いてるところもあれば、犠牲者を一人静かに偲ぶように、はらはらと舞い降りる雪の光景もあった。

同じ寒さでもこうも違うのかとの思いも、以前のそれとは違い、明らかに彼の地に足を踏み入れ、雪を被りつつ活動する自身の姿を重ねてしまっているのだった。

本BlogにLinkしているkokoniさんが更新した記事にREUTERSによるスライドが紹介されていたが、TV媒体では伝えられない(伝えにくい?)現地のビビットな画像があるので、こちらでもURLを貼り付けておこう。(kokoniさん、失敬 _(._.)_
こちらから)左サムネールで選ぶのも、メインをクリックするのもOK

これまでも何度かこのREUTERSのスライドを紹介したことがあったが、専属のカメラマンか、契約カメラマンかは不明なるものの、対象を捉える視点とアングルはCapa的視点を持つ優れたものが多いと感じていた。
今回も期待を裏切らない、良いショットが少なくないように思った。

つまり、全世界の人々の眼差しが「日本」「東北」へと注がれているということ。
であれば、極東のちっちゃな島国の地球市民の一人として、現場でにおいても、それを包み込む全国の注視する人々も、世界に恥じない規範を持って臨んでいきたいものだと思う。

さて、今日は仕事もそこそこに準備に奔走。
成果のほどは‥‥、
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*緊急 エスペランサ・木工隊結成へ向け(ご賛同と協力を求めて)

私、artisanこと杉山はこの度の3.11東日本巨大地震に見舞われた被災地への旅の準備でわらじを編みつつあるところです。

無論物見遊山が目的ではありませんので少しだけお聞きください。

この度の被災は、現場から送られてくる凄惨な実態を示す様々な映像、そしてやっと伝えられ始めた被災者の苦悶と必死の訴えから察するに、その深刻さと、また地域的拡がりから、史上稀に見る未曾有の大震災です。

3.11から4日を経過するとは言え、現段階においてもなお、その被災の全貌は明らかではありません。
ここでは時々刻々、聞くに堪えない放射能ダダ漏れの報が続く福島原発の問題はとりあえず横に置くとしましても、地震と津波による被災状況も十分に掌握されている状況ではないようです。

しかし、現地の被災された方々は身内の安否情報も定まらない中、徐々に心身の疲労を訴え、避難所などでは感染症のリスクが日々高まりつつあり、日々の避難生活の困難が増していくことも明らかだろうと思われます。

このような被災地へ向けて、私のような“前期高齢者”が、押っ取り刀で出向いて、果たして何ができるのか、あるいはまた、かえって邪魔になるだけだとの陰口も聞こえてきそうですが、決してそんなことはありません。

後ほど読者にもお願いすることになりますが、米などの食料を積み、現地で煮炊きし、温かい食事に疲れを少しでも忘れてもらう、
あるいはあなた方の哀しみを共にしたい、という振る舞いをすることで、人はうち沈んだ顔をを上げてくれるものです。
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被災地に深く頭を垂れ、祈りを捧ぐ

いよいよ復旧、再建へ歩み出す、といきたいところだが、混乱はいや増しにその度合いを深めているかのよう。

先に記したように、私の従兄弟のうちの一人は無事であったことを、その時間に勤務していた職場の同僚に確認することができ、少し胸を撫で下ろしたのだが、彼の家族を含め、未だに消息は掴めない。
というよりもTVモニターから真っ赤の炎に染まった石油コンビナートの近隣に居住する1つの家族については悲観的に考えるしかない。
超高齢者のボクの母親は生地の悲惨な状況にうち沈み、床に伏してしまっている。

さて、混乱というのは、言うまでもなく福島原発の再度の水蒸気爆発とその後の炉心溶融に至ると思われる事態の推移であり、そして東電の計画停電をめぐる混乱だ。
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東北・関東巨大地震・大津波・原発放射能漏れ

近代史における自然災害でも、かつてなかった広域性と規模、被害の激甚性があったことは疑いないだろう。
これらは地震、ツナミにおける学術的な概念を大きく変えるものであるだろうし、また災害復興、生活再建における構想の困難は想像を絶するものがある。

列車との連絡が取れない、船との連絡が取れない、さらには役場との連絡が取れない‥ etc .etc.
これらは一体何を意味するのか、その意味を想像することはできても、口にすることさえ憚れる怖ろしい事態。
TVモニターからリアルに伝えられる現地情報を前にして、家人と交わす言葉も顔をこわばらせ、震えながらの声となってしまう。
空撮されるその下にはあげき苦しむ被災者の姿があり、救援を待ち望む必死の訴えがある。

地球上で生き、人々と語らい、暮らしていくことはとてもありふれた姿であるはずのものが、こうして一瞬のうちに全てを失い、藻屑となって消え去っていく。

この自然界の猛威と対極的な人の命のはかなさ。
この圧倒的な非対称の世界に我らは生を営む。

実は昨夜は普段通りにBlog更新しようと考えてはいたものの、とてもそんな精神状態ではあり得ず、スルーしてしまったのだったが、今朝、遠方の地で活躍する読者(面識はないが、若い木工家の一人)から電話が入り、その内容がBlog更新の滞りを懸念し、何か地震被害にでもあったのかとの安否を尋ねるものであったこともあり、こうしてとりあえず自身の無事と、被災見舞いの記事を上げさせていただくことにした。

なお、ボクの生地はこの度の地震の被災地にあたり、叔母、従兄弟などが暮らすところでもあり、また複数の顧客も暮らしている。
数日前の三陸沖地震では無事であったことを確認させてもらったが、まさか二日前の大きな地震が、実は余震であったかのようなこの度の巨大地震には、状況を尋ねるのが怖くて連絡もできないほど。

さらにまた、現在かなりの規模での家具制作中の納品先クライアントが居住する地域も、この被災地にあたる。
1週間後に控えた納品設置は、陸路の寸断を考えると再考が必要だろう。

様々に思いが交錯する今般の激甚災害だが、親戚縁者、知人、顧客の安否への不安とともに、最大の関心事は東電福島原発建屋の爆発と炉心溶融、放射能漏れという信じがたい深刻で怖ろしい事態だ。
この東電は2007年に新潟県中越沖地震で原発に大きな事故を引き起こしただけに、今般の放射性物質の大気中への放出という事態の責任は余りにも重い。

被災者への心からのお見舞いと、帰らぬ人となったご遺族への心からのお悔やみを申し上げたいと思う。

天然乾燥材からの木取り

天然乾燥

含水率はどうぉ


先週から新たな家具制作に取り掛かっているが、まずは木取りということで倉庫と工房をいったりきたり。
以前の倉庫は車で10分ほど走らせねばたどり着けなかったが、一昨年に引っ越ししてからはわずかに500mと短縮されたので、材料はついつい小分けでの搬送となってしまうのは困ったもの。

今回は良質な材が必要となり、4年近く前に桟積みした山を崩してのものとなった。
いかに長期に天然乾燥させているからと言って、乾燥が十分であるかどうかは分からない。

その置かれた地域の気象状況、屋根、あるいは桟の厚みなどを含む桟積みのクオリティー、等々、様々な要素が絡んでくるので、まずはいずれにしても含水率計で計測し、基準を満たしていることを確認した後に取り出すことになる。

さて如何に‥‥、今回は驚いた。
34mm板では、な、なんと10%を切るほどの部位もあったりと、乾燥状態は完璧だった。
平均すれば10〜12%といったところ。
60mmの厚板でも14%にまで落ちているではないか。
♪ 自然と顔もほころんでくるというもの。
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〈The Social Network〉オスカー主要部門は逃したがその威力は



週末は業務外の事柄など、例えばアート全般、IT情報機器関連、ネットメディア、あるいはエンターティメントなどについて書いていきたいと考えているが、映画をこよなく愛する者として02/28のアカデミー賞は外せない。
先のグラミー新人賞を取り上げたときのように、だね。
しかし意気込んではみたものの、今年の主要部門受賞作はあまり興味を惹くものが見あたらないという不幸に襲われている。

吃音の英国王の映画も、劇場でたまたま予告編を観たが、どうも本編を見るだけのインパクトは感じなかった。
事前の予想でも多くの話題を集めていた「ソーシャル・ネットワーク」(The Social Network)は早々と観たが、編集賞、作曲賞のみの受賞で、主要部門には届かなかった。
吃音と早口の対決などと揶揄されもしていたが、ハリウッド映画にも新しい世代が誕生しつつあることだけは確認できたので良しとしよう。

しかし受賞作品のどれをとってもあまり食指が伸びないというのも、ボク自身の鑑賞眼の貧困さを表すものなのか、あるいはカンヌ映画祭、ベルリン映画祭の方にこそ、現代社会のある断章を描き出していると考えることの偏倚の方を問題にすべきなのかは、問わずにおこう。

さて「ソーシャル・ネットワーク」はFacebookの創業者マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)を描いたもので、それなりに楽しめたが、しかしボク個人としては会員の一員になろうとは思わない。
ネット上でのコミュニケーションツールとして、かなり魅力のあるシステムだとは分かってはいても、登録と同時に住所録を覗き見されてしまうような作風には馴染まないしね。

またそうしたSNSとは目的も手法も異なるものの、このBlog運営管理で十分にネットに晒しているので、これ以上にバーチャルな世界に耽溺するのは心身のバランスを崩すようなキケンを感じるしね。
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薪ストーブはまだまだ活躍中

”反り直し/あちゃ、焦がしちゃった

当地、今朝は寒さがぶり返し、道路脇の水たまりにも氷が張った。
ここ数日は日中には10度を超え上着では汗ばむほどの陽気が続いていたのだったが‥‥。
春への歩みはたどたどしい。

10日ほど前、ストーブの燃焼が芳しくなかったので、煙突掃除をした。
ちょっとした事情があって、昨年は毎年1回片付ける時に課していた煙突掃除をサボったことへの報いだ。

Lボー部分の1個所、煙突内部を塞がんばかりに煤がこびり付いていた。
いや煤というよりタールが固まったようなものだった。トホホ

さぁ〜て、もうこれでばっちり燃えるよ ♪。
気合いを入れたまでは良かったが、薪ストーブの稼働は日に日に少なくなってきた。

ま、しかし、薪ストーブは暖を取るだけではなく、木工屋にとり他の用途にも有効活用できるものだから邪魔くさくなるまでは設置しておこう。

木の反張を戻すには、板面を加熱させ反りを戻す方向へと強い力を加えるという有効な方法があるからだね。

以前もコールマンストーブを用いた同じ手法の紹介をしたことがあったが、薪ストーブであればなお都合が良い。
遠赤外線というものなのだろうか、しっかりと内部まで加熱される感じがするんだ。

Top画像はこの反り直しの途中、焦げちゃったところ。
こういうことをしてはいけません。

今回は大小20枚ほどもあったので、加圧している間につい次の板の加熱時間が長引き、焦がしてしまったという次第。

この板は厚板を半割にして木取ったものだが、板内部の含水率にはどうしても勾配があり、これを割ることで解放され、反ってしまうことが多い。

反張を直せば、それなりの削り代もあるので、結果この焦げも除去されたのでやれやれだった。

この板は書棚の背板となる。数枚を本核(ホンザネ)で構成し、広い板にする。

さてところで、薪ストーブの効用って、他に何かないかな。
例えば紅あずまをアルミホイルで包み、火が落ちたばかりの灰の中にくべて置けばホックホクの焼き芋ができるよね。

あるいは副燃焼室のところに打ち立てのピザ生地を置けばパリッと美味しく焼けるだろうか?

どうも口福[1] の欲望ばかりが肥大化しているようで恥ずかしい。

hr


❖ 脚注
  1. 「口福」という造語だが、最近よく見掛けるようになっているね‥‥“書き得て妙”(勝手な造語) []

手鉋の優位性

南京鉋

南京鉋

いよいよ弥生3月。この週末にはJリーグの開幕を迎える。

おどおどとした感じでの春への進行、その歩みは処女の如くとでも形容しようか、定まらぬ天候で木の仕事ははなはだ具合が悪い。
とは言っても、ふて寝するほどの余裕もなく、今日もシコシコと木に向かう。

ところで、どうでも良いことがらながら“ふて寝”、というのは「不貞腐れて寝る」、の意なれど、ふてぶてしく寝る、という意訳ではどうだろう(笑)

さて、戯言はともかく、画像は書棚・帆立の木端面(傾斜したカマボコ面)を仕上げているところ。
南京鉋での削り作業だが、この画像のモノがうちの最も小さな南京鉋。
刃は3分。曲率は?
小さなR面を削る(画像の曲面の場合、約15R)には、これでもまだ大きい。
もっと小さな曲率のものを作らねばダメだ。
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