工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

五輪の暑い夏


昨深夜の日本列島、歓喜の声がとどろき渡ったはず。

英国グラスゴー、ハムデン・パークでの男子サッカー1次リーグの試合。
W杯チャンピオンスペインを相手に互角に渡り合い(ボール支配率は35%だったが)、最小得点差ながらも若き日本の雄士たちは勝利を収めてしまった。(AFP BB News

下馬評をことごとくけちらし、サッカー史に新たな1ページを書き加えたというべきか。
ロンドン五輪、開会式前の序盤戦で女子サッカーの対カナダ戦勝利に次ぐ快挙だ。

明日未明の開会式からいよいよ各会場で熱戦が繰り広げられる。
この炎暑が続く日本列島、加えて間もなく始まる甲子園での高校野球、そしてこの五輪祝祭空間でいよいよヒートアップしていく。

スポーツ祭典のみどころ・英国開催の意味

ロンドン五輪大会の見どころは個々様々だろうと思うが、ボクが注目したいのは、個別競技への関心はともかくも、何よりも近代スポーツの発祥の地がこの英国にあるということにある。
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アリでホゾ

日本における木工技法の体系でホゾにアリを用いるというのは、かなりレアなケースだろう。
日本ではアリは〈寄せる〉という仕口で効用を発揮することに絶大な評価がある。
ホゾにこれを用いるというのはあまり一般的ではなく、用いるとすれば特段の目的、意味がある。

欧米のテキストによれば、キャビネットの棚口の上端にこの手を使うことがよく見られる。

しかし日本では、そうした個所にも、私が信州で教えられ、また他でも同様であることで確信を持っている手法では、他と同様一般的なホゾを施す。
ただし端から緩まないよう、釘(スクリュー釘でればなお良い)や木ねじを揉み込むという方法になるが、こうした手法に較べ、アリのホゾははるかに堅牢で合理的だろうことは疑いない。
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窓用ツインファン

木工職人にとり、日本の夏は過酷だ。
有機物としての木材を扱うことでのややこしさがまずあるよね。
湿潤の大気の中では、木材は膨らみ、やがて反り、まるで人間には服従などすまい、といった風な頑なさだ。

この意地悪を諫めるには、ただ忍耐と、テキトーさが、求められる。

次に、職人の体調の方が問題だ。うちでは2機の大型扇風機を稼働させているが(機械場と手作業場、それぞれ1機)熱風を掻き回しているに過ぎぬ感が強い。
そこで扇風機の設置位置が肝要となる。外気を導入できるよう、開口部を背に向けて設置しよう。

ボクは日本の夏というものは、学校などと同じように社会人も休むに限る、と考える立場だ。
確かに日本よりも暑い国はいくつもあるだろう。しかし、不快指数などとして表される人間へのダメージと言うことからすれば、恐らく日本は最高度にランキングされる国なのではないだろうか。

しかも、加えてポスト3.11下という事情からの省電力対策が求められる。

でも思うのだけど、省電力、真夏のピーク消費電力を抑制させる最大の施策としては、真夏の休業、バカンス休暇の全社会的取得にあるのではと‥‥、ちょっと大胆過ぎる提言かも知れないが、時代はそうした方向へとシフトさせることを求めているようにも思う。
(せめて、うちだけでも試験施行してみようか 笑)
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Twitter

右ウィジェットにTwitterを貼り付けた。

始めて間もない全くのビギナーながら、時折気が向いた時につぶやく。

大流行のSNSのようだが、実はほとんど関心も無くここまできた。
しかしポスト3.11下における情報ツールとして欠かせないということが、最近になって切迫的に感じていた。

いや関心が無かったというのは正しくないかも知れない。
例え関心があったとしても、WebサイトおよびBlog運営にあっぷあっぷの現状からすれば、これ以上Webに関わる情報発信はやるべきでないだろうし、その能力にも欠ける、と考えていたというべきだろう。

だが、既製メディアから伝わってくる情報があまりにも真実からは遠く、耐えられない程までに衰退していることを見せつけられれば、インターネット上で交わされる情報ツールから取得するしかないだろうと思った。
あまりにも悠長で、あまりにも遅い判断のおばかさんだったが、アカウントを取得することにした。

以前、ボクにはTwitterは不向き、とするコメントをくださった方がいたが、本人以上に良く分かっていらっしゃる進言だと思ったし、同意するしか無かった。
しかし、10年前にWebサイトを設置し、7年前にBlogを設置し、多くの方々とのネットワークが作られ、そこに励まされ、厳しい時代をあえぎながらも生きてくることができたように、またTwitterの大海に新たな繋がりを求め、不器用な犬かきのような泳ぎでしか無いけれど、果てしない海に泳ぎだしていこうと思う。

ただまだまだ要領も掴めておらず、システムへの理解も不十分。さらにはTwitterでの文体も模索中。試行錯誤しつつ、皆さんの後をついていきますので、どうぞよろしく !

読者の方々の中にも既にTwitter IDを持っていらっしゃる方も多いと思うので、ぜひフォローさせてください。
@Yuh_artisan

「私らは侮辱の中に生きている」17万人の怒り

(cc) NODA Masaya / JVJA

〈さようなら原発10万人集会〉と銘打った「さようなら原発1,000万人アクション」の一環の集会とデモ。代々木公園には主催者側の当初の想定を大きく上回る17万人が集結し、怒りの声が都心をこだました。

梅雨明けを思わせる炎熱の太陽の下、広大な都心の公園は老若男女、巨万の人々で埋め尽くされた。

昨年9.19明治公園に集結したのが6万人だったが、ほぼ3倍の大増員を数えた(警察発表はそれぞれ、25,000人 → 75,000人と、同様に3倍と相応しているのがおもしろい)。

ボクは友人ら数名と、個人が中心のブロックに参加し、気炎を上げ、再稼働への抗議をたたきつけた。
デモは整然と執り行われ、ショッピングで賑わう原宿の若い人々にも歓迎の声で返されるなど、大いに盛り上がり、明治公園までの約3kmを歩き抜いた。
手に手に手作りのプラカードを空高く掲げ、あらんかぎりの声で「再稼働反対 ! 」「原発いらない ! 」と唱和された。
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おしゃべりを超えて、街頭へ

7月13日、官邸前での「再稼働反対」抗議活動、主催者側発表は前回並み、15万人規模の集結とのこと。
大飯原発3号機はフル稼働へと進み、18日と言われる4号機の稼働へ向け準備が進んでいる状況下、決して勢いが衰えるどころか、国内では非日常の光景でしか無かった街頭での抗議活動が、今や日常化しちゃっている。

これは人々の怒りの切迫性の強さであろうし、政治への諦観でもあるだろう。
あるいは個人的な希望に拡がりを公共空間に求めるというこのスタイルは、日本において絶えて久しいものであり、もっと言えば、組織動員とは無縁の1個人の思いの集積の結果であるという“画期”は見抜いておかねばならないと思う。

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框組、帆立内部

当地は今日も断続的に強い雨に見舞われたけれど、九州、熊本、大分地方へは、「これまで経験したことのない雨」との警戒が呼びかけられ、事実、犠牲者を出すほどの被害があった。
個人的には縁者、知人はいないとはいえ、お見舞いを申し述べたい。
梅雨末期、こうして毎年繰り返されるのを見ていると、防災面での予防措置の欠陥は無かったのか、検証と対策を願うばかりだ。

さて今日は、前回エントリした飾り棚の組み立て途上の画像を明かしちゃおう。
何だ、ヘマやってるじゃん、などとの見立てもできようし、あるいは、なるほど、こうした框モノ、プロはこんな方法でやっているのか、といった見方もできよう。

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CLAROウォールナットの飾り棚

梅雨ど真ん中の今日この頃ですが、皆さんの地域は如何でしょう。
各地に被害をもたらした先週の土砂降り、当地域も豪雨でしたが、週末以降、空梅雨で推移しています。

陽性と言いますか、最近の日本列島の気象は南洋のようなメリハリがきつい傾向にあるようです。喜ばしいとは言えませんな。
日本は中庸がよろしいようで、‥‥、気性もそうですが、気象も、ですね。

しかし、今日など湿度計見れば、何と40%台。
ありがたくも、仕事の捗りはすこぶるよろしいです。

さて、この画像、作品名には、但し書きが必要かもしれない。
respect for Krenov と。

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3.11大震災、風化と抗う社会とメディア(今、問われていること)

ETV特集、取材スタッフのBlogから

「目標1%」と題されたBlogのタイトルがある。
NHK ETV特集を最前線で担うTVマンのBlogのある日の投稿に付けられたタイトル。(こちら

ここまで書けばお判りかと思うが、1%というのは視聴率のことである。
つまり自分が作る番組への自嘲的な物言いであるわけだが、同時にそこにはそうした社会からの受容の在り様に抗いつつ、番組作りをしていることの誇りも垣間見える。

抗う対象は、再稼働へ向け「新たな安全神話」を振りまく、原発ムラであり、政府当局であり、メディアの報道姿勢であり、あるいは社会総体なのかもしれない。

3.11後、福島原発による放射線汚染については、NHK、民放、それぞれ様々な番組が企画、放映されてきているが、中でも多くの人々に感銘と、実学的な情報をもたらしたものとして、高い評価を受けたのが、放射線測定の草分け的存在、岡野眞治博士、気鋭の若き放射線衛生学の学者、木村真三氏とともに作り上げた「《ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図~福島原発事故から2か月~」》だった。

【各賞受賞】
文化庁芸術祭賞 大賞
石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞
日本ジャーナリスト会議大賞(JCJ大賞)
シカゴ国際映画祭ヒューゴ・テレビ賞「ドキュメンタリー部門」 銀賞
ワールドフィルムフェスティバル・ドキュメンタリー部門銀賞
ギャラクシー賞 5月度 月間賞≪上期入賞≫

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突き鉋

突き鉋というものがある。
1年に何回使うだろうか?、というほどに使用頻度の低い鉋だが、
しかし無いと困る。

今回は“被せ”の抽出の仕込み工程で、側板を削らねばならず、この突き鉋にご登場いただく。

こんな面倒くさいことをしたくなければ、もっとAboutな仕込みにすれば良い。
でもね、やはり丁寧できちんとした仕事がうちの仕様なので、これしきのことは受忍する。

そうは言っても、一鉋、二鉋、程度の微調整なので、面倒というほどのものでは無い。

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