工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

窓用ツインファン

木工職人にとり、日本の夏は過酷だ。
有機物としての木材を扱うことでのややこしさがまずあるよね。
湿潤の大気の中では、木材は膨らみ、やがて反り、まるで人間には服従などすまい、といった風な頑なさだ。

この意地悪を諫めるには、ただ忍耐と、テキトーさが、求められる。

次に、職人の体調の方が問題だ。うちでは2機の大型扇風機を稼働させているが(機械場と手作業場、それぞれ1機)熱風を掻き回しているに過ぎぬ感が強い。
そこで扇風機の設置位置が肝要となる。外気を導入できるよう、開口部を背に向けて設置しよう。

ボクは日本の夏というものは、学校などと同じように社会人も休むに限る、と考える立場だ。
確かに日本よりも暑い国はいくつもあるだろう。しかし、不快指数などとして表される人間へのダメージと言うことからすれば、恐らく日本は最高度にランキングされる国なのではないだろうか。

しかも、加えてポスト3.11下という事情からの省電力対策が求められる。

でも思うのだけど、省電力、真夏のピーク消費電力を抑制させる最大の施策としては、真夏の休業、バカンス休暇の全社会的取得にあるのではと‥‥、ちょっと大胆過ぎる提言かも知れないが、時代はそうした方向へとシフトさせることを求めているようにも思う。
(せめて、うちだけでも試験施行してみようか 笑)

ま、それは長期的な課題としても、この過酷な日本の夏を乗り切るには、良質なタンパク質を摂取し、体力を維持すること、それとともに、良質な睡眠を摂ることは必須となってくるね。

この過酷な日本の夏の寝苦しい夜、一般家庭では夜間もエアコンを使用しているところが多いのでは無いか。
ところが一般家庭での電力使用の最大のものがご存じのようにこのエアコンだ。日中での家屋内作業ではエアコンも適切な範囲で使うことはやむを得ないとしても、夜間ぐらいはエアコン無しで過ごしたい。
そこでお薦めしたいのが、この〈窓用ウィンドツインファン〉である。
うちでは20年来使用しているが、なかなか快適な風を受け、静かな夜を過ごすことができている。
エアコンレスで、外気導入型の扇風機+換気扇を夜間に使用する、というものである。

もちろんタイマーもあるので、完全に眠りに就く頃には自動停止させれば良い。
都会では夜間通して運転する必要があるかも知れないね。

うちの周囲は田んぼなので、深夜はかなり気温も下がり、寝付く時だけの運転で十分だ。

ただ勘違いされないようにしていただきたい。
これはエアコンのような熱交換機能は無い。あくまでも外気導入の扇風機である。
しかし室内では夜間でも気温がなかなか下がってくれないのに比し、外気はかなり下がってくれるので、この気温差を利用するという考えは合理的なものである。
電力使用もエアコンと比較すれば1/10以下だろう。

またエアコン特有の不自然な風では無く、あくまでも外気の自然な大気が入ってくるので快適だ。

詳しくはメーカーサイトから取得して欲しい(高須産業
購入はネットで検索すればいくつもヒットするはず。

ボクのような世代の者でしかご理解いただけないかも知れないが、昔はこうした外気導入型のファンは各メーカーが競って販売していた(特に三菱電機は熱心だった)
ところが、今はエアコンが全てで、主要メーカーは全て撤退している。
現在はこの高須産業ぐらいのようだ。

時代は変わり、電力の使用方法を再考することが求められている。
あらためて、こうした省電力のファンの導入を考えても良いかもしれない。

※ 参照 窓用ウィンドファン PDF

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