工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

民主党、自己否定の新政権

台風12号で日本列島大荒れの週末だが、当地も断続的に豪雨に見舞われた。
台風通過地域の岡山、兵庫には親戚も多く、電話連絡を取ったりと落ち着けない時間を過ごす。
契約駐車場の車が水没という倉敷在住の親戚もいたり、ガキの頃に過ごした奈良県の最南部・十津川村の大きな被害などのTV報道を前に胸が塞がれる。

さて、1週間後は3.11東日本大震災から半年になる。
一方、2001年9.11WTCテロ事件から10周年ということでもある。
早いものだな、というのが偽らない印象だが、3.11東日本大震災というのは現在進行形であることは言うまでも無いのだが、実は9.11も同様に、ボクの中では現在進行形でホットな問題であることに違いが無いと思っている。

いずれも様々に思いが駆け巡るのだが、それぞれに現代世界を既定づけることになった大きなエポックであるということで共通する事柄だ。

またそのことに関してもいずれ記事に上げたいと思っているが、今日はもっとホットな国内の話題、民主党新政権について、少し触れておきたいと思う。

今朝の朝刊には発足した新政権への世論調査の結果が報じられている。
各紙、ほぼ同じような結果のようで、新内閣の支持率が5割を超え、V字回復とのこと。
特徴的なのは自民党支持層でも4割を超える人々が好感を持って迎えているというところに、新内閣の特性が表れているように思う。(毎日.jp
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CLARO李朝棚

CLARO李朝棚



CLAROウォールナットとブラックウォールナットを用いた二層の李朝棚。
数回前の記事で少し詳しく紹介したので繰り返しは避けたいと思うが、収まるべきところに鎮座し、使い手の手づから器を納めることで、本来の輝きを発してくれる。

解説は最小に留め、今日は画像中心でいこう。
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2011 夏が逝く

晩夏とは言え、日中外に出れば30度を超える残暑は未だに厳しい。
しかし8月も今日で終わりだ。

石巻港、気仙沼港、大船渡港へのサンマの水揚げの報には口元が緩み、一緒に涙腺をも緩ませてしまう。
北海道沖からの漁なのだそうだが、3.11以降、強ばったままだった漁業関係者の破顔は安堵に満ち、本来の姿を取り戻しつつあることの証しだ。うれしい。

さっそく我が家でも刺身にできるものを買い求め、口いっぱいに秋の味覚を堪能させていただいた。
今年のサンマは大型でひときわ美味しく味わうことができた。

ところで前回も少し書いたのだが、今年の日本の夏は、やはりこれまでとはかなり位相を異にする風景で染まったことも確かだ。
様々な事情から、放射線に汚染された福島県下に在住する子供たちも、全国の様々な地域からの「こっちに遊びにおいでよ」との呼びかけに応じ、一時的な疎開を敢行し、閉じた心身を解き放ち、ひとときの夏らしい子供の世界に興じ、笑顔ももどったようだった。


そして9月からは、また元の汚染された土地で生きていくことになる。
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アームチェアへの第二歩(続)

内丸反鉋の数々

内丸反台鉋

前回、鉋での曲面削りの優位性について少し触れさせていただいたが、画像の指呼の先の3次曲面の場合、どのような鉋を選べば良いか。

もちろん、南京鉋を使いこなせれば目的とする曲率で削り出すことは可能だろう。
しかし日本の鉋文化にはもっと優れた鉋があることは知っておきたい。

〈内丸反台鉋〉だね。
画像の鉋だが、見ての通り。
内丸で、かつ反り台となっている鉋だ。

これを数丁用意することで、家具のほとんどの三次曲面を削り出すことが可能だ。
南京鉋との違いはお分かりのことと思うが、台が一定の曲率で成形されているために、この台の規制が掛かり、その曲率に応じた曲面が生成されるということだね。

一般には裏金の無いものも多いが、ある程度のサイズになると、裏金が付いた構造となるので、具合が良い。
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アームチェアへの第二歩

アームチェア・フィンガージョイント部


らしくなってきた。

曲面仕上げは、やはり手鉋だな。外丸、内丸とも。
小鉋、反台鉋、南京鉋、
これがあれば98%において高精度に仕上げることができる。

アームチェア・フィンガージョイント部その2

日本の木工環境で仕込まれてきた職人としての、ありがたい技能だ。
残り2%で、スクレーパー、あるいはヤスリの活用があればぱーふぇくと。

画像の南京鉋だが、これは名古屋・青山鉋店のもの。
20年ほど愛用しているが、今後これに勝る南京鉋に出遭うことができるだろうか。

このところ、画像中心で、テキスト省略版になってしまっているが、これもまた愉快。

アームチェア、シコシコ削り上げる



明日で8月も終わり。
小中学生たち、宿題は終わっただろうか。
ボクはいつも1日に登校してから、朝の教室で友人のノートを借りて書き写していたっけ。

真っ黒に日焼けし、ただひたすら遊びほうけた。
良い遊びも悪い遊びも覚えたのが夏休みで、大人への階段を1つ、確実に昇ったことを自覚したもの。

福島県下の子供たち、どんな夏休みを送ったことだろう。
ボクがそうしたように、海で、山で、遊び疲れるほどに駆け回ることはできなかったかもしれない。
しかし、この絶対矛盾のフクシマ8月、不条理のフクシマ8月、無常のフクシマ8月、
これを抱えた君たちは、他の多くの子供達に先んじて、明らかに大人への階段を上がっているだろう。
世界というものを、ニンゲンの行いの愚かなることを、身をもって知ってしまったからね。

アームチェアへの第一歩

アームチェア、アームから背枠へと流れる一体的構造のパーツを3分割で構成。
ミニフィンガーを用いた加工で継ぐフィンガージョイントなのだが、
これを適切に継ぐのは意外と難しい。

そんなわけで、画像のようなFクランプ総動員での接合工程になっちゃう。

↑ こうなって

こうなって ↓



こうなった ↑

一見大変そうだけれど、型板、ジグさえきちんと作れば、うまくいく。

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コレット問題の解決:Dewalt 〈DWP611〉

BOSCH コレットコーンではどうか

先に挙げたトリマ、Dewalt 〈DWP611〉の6mmおよび8mmのコレット対応問題であるが、一応の解決を見た。

“一応”という曖昧な表現にしているのには訳がある。

つまり、純正品としての入手にはいまだ至っておらず、以下に紹介する2つの代替品を持って、当座は凌ぐことができるだろう、という限定的な状態を指している。

以下少し具体的に述べてみよう。
2つともコレットナットのフィッティングには問題が無い。
しかしコレットコーンの方が、片方はあまり芳しく無く、もう片方は“ほぼ”満足できるフィッティングだった。

【BOSCH 8Mルーター〈POF 400A用のコレット〉】

■ コレットナット:2 603 312 006 (画像右から2つめ) 
■ 6mmコレット:2 608 570 047 (画像右から3つめ)  
■ 8mmコレット:2 608 570 049 (画像右から1つめ)
   画像右から4つめは〈DWP611〉純正の1/4″ コレット

このBosch 8mmルーターのコレットが使えるのでは無いかとアドバイスをしてくれた友人がいて、さっそく購入、確認した。
上述のように、コレットナットはジャストフィット、しかしコレットコーンがDEWALTの本体構造との関係においてやや短く、締め付けが少し不安という評価。
一応締め付けはできるのだが、本来の強度を出すのは構造上限界がある、ということだ。

ちょっと分かりにくいかも知れない。
コレットが必要十分に機能するには、ナットのスクリュー仕様が本体側と合致することはもちろんのこと、本体側のコレットを受ける部分の仕様(構造)が対応するものでないと、良い具合に締め付けてはくれない。
例え咥えているようであっても、本来の締め付け強度には至らず、安全性に問題が生ずるようなことも起きうる、ということである。

したがってコレットコーンの締め付け機構というものは、その本体側の構造との関係において十分に満たすものでなければならない。
つまり、ナットを締め付けていくことで、コレットコーンが適切に絞り込まれ、ビットの固定が確実に行われる構造でなければならないということだね。

すなわち、こうした条件を前提とすれば、このBoschのコレットは十分に条件を満たすとは言えない。

しかしこれを解決するのは、さほど難しいことはない。
コレットの長さが短いための不十分さで条件を満たさないのだから、満たすための長さの差異分を別のブッシングで用意すれば良いと言うことになる。

具体的にはこうだ。
外径:10mm、内径8mm のステンレス菅を用意して(比較的簡単に入手できる)ちょうど良い長さに適宜カットして、これを本体側に納め、そこにコレットを装着させることで、十分な保持力が発揮できるはず。
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「作家のきもち“椅子のチャリティー”展」開催中

ギャラリー 杜間道

被災地、仙台市内の「ギャラリー 杜間道」(とうげんどう)にてタイトルの企画展が開催中。
私も知人から出展を請われ、ありがたく参加させていただいている。

市内、青葉城址公園に近接する立地であるが、奥行きのあるゆったりとした広いスペースに厳選された工芸品、家具が展示されている。
ボクも好きで所有している作家のものもあったり、著名な方のものなども並び、ギャラリーオーナーの趣味の良さが伺える。

壁を隔てた独立スペースの方に「椅子チャリティー展」の椅子が並ぶ。
参加された作家も多く、それぞれに秀逸で個性豊かな椅子たちだ。

被災地に立地するギャラリーがこうした企画を起ち上げるというところに、この企画の妙があるのだろう。

ボクは今回19日に発ち、日本海周りで北へ向けて1,000kmを走り、盛岡での仕事から始まり、三陸沿岸部を南下するという行程を取り、21日に仙台市内に入った。

3,11から半年近くの月日を数え、復旧はさぞ進捗のスピードが上げられているのではと思いきや、あに図らんや、未だ沿岸部ではガレキの山々が腐臭を放ち、陸に上がった大型漁船は朽ちるに任せており、あるいは石巻市内駅南部の交通信号の多くが警察官の手信号という状態。
これらの意味するものを果たしてどのように説明すべきか、ボクは言葉を見付けられないでいる。
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牛タン「利久」の口福

「利久」の炭焼き牛タン定食 by iPhone 4

画像は仙台市内「利久」の「炭焼き牛タン定食」[1]
この食事の後、酒席を供にさせていただいた仙台の人に伺えば、地元の人はあまり好んで食べに来るところでは無いのだとか。
なるほど、そういうものかとヘンに納得したのだけれど、でもこの牛タンのふくよかなボリュームと、炭火でミディアムレアに焼かれた滋味に、偽りの無い肉牛の特異な部位における特異な旨さを再確認させられたものだった。
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❖ 脚注
  1. 炭焼き牛タン定食:炭焼き牛タン、テールスープ、高菜、麦飯。
    画像のパンプキンスープはビールの付きだし??、
    他に牛タンの佃煮が付いた []

トリマー DEWALT〈DWP611〉という優れもの

久々に電動工具、新機種のご紹介。
FWW誌No.220号でも高い評価を受けていた〈DEWALT DWP611〉というトリマーを取り上げてみる。
トリマーとジャンル分けするには無理があると思うほどに、限りなくハンドルーターに近い構成と機能を有すると見た。
米国では「Trim Routers」あるいは「Compact Routers」とカテゴライズされるようで、なるほど、と納得する。

その理由については、この記事から十分にくみ取っていただけるものと思うが、うちでは今後大いに活躍してくれる予感がする。

仕様

まずそのスペックから。

Amps 7.0Amps
HP 1.25HP
No Load Speed 16,000 – 27,000rpm
Collet Diameter 1/4″ *(欧州向けには6-8mm)
Plunge Stroke 1.5″
Base Dimension 4″
Spindle Lock 12 position
Tool Weight 4.1lbs
Lighting 2 LED’s
Depth Adjustment intuitive Ring-Quick to Adjust

このスペックから既にいくつかの特徴を読み取ることができると思う。

大きな出力

まずパワーが類種トリマーでは最大クラスであると言うこと。
7.0Amps、つまり700wという数値だが他が300 – 500wとするのに較べ、ほぼ倍のパワーを吐き出す。
因みにマキタの8mmシャンクの「RP0910」という小型のルーターがあるがこちらは900w。

DW611はこれに次ぐパワーを持つということになるが、しかし重量は「RP0910」の半分ほどでしかないことを考えても、その駆体はハンドルーターにはほど遠いもの。
また以前このBlogでも詳しくレビュー記事を上げた〈Bosch・PRM500〉に対し100gほど重いという数値だが、実際に持って見た感じではさほどの違いは認められない。
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