工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

馬蹄形のアームチェア

むんずと組んで アームチェア

椅子づくりは楽しくも、やはり難しい。
その難しさにはいくつものことがあるが、やはりハコモノではあまり無い、三次元の造形が絡むというところに、大きな難しさと、楽しさがある。

案の定と言えば言い訳がましくもなるが、組み立て最後の段階で、ホゾとホゾ穴の位置関係が微妙にずれているとに気づき慌てた。
その差異わずかに数mm単位ではあるが、少し無理強いして組んでしまう。

このズレだが、画像のように座と、摺脚の馬蹄形の成形における、乾燥後の歪みで生じたものと考えられるね。

曲げ木とは異なり、一定の圧締時間を静止させておけば安定するはずのラミネート成形だが、やはり経過時間により、わずかの偏倚が生ずるというわけだ。

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9/11から10年、消耗戦の果てに

金融資本の象徴としてのWTCへのアタック

9/11から10年目のグラウンド ゼロ・WTC(World Trade Center)跡地からの追悼式典、ブッシュJrとともに演壇に立ったオバマ米大統領は「我々はテロに打ち勝った」と成果を誇ったそうだ。
「反テロ戦争」を呼号しつつアルカーイダ、ウサーマ・ビン=ラーディン容疑者を含む多くの幹部を殺害したことを指すものとみられるが、果たしてホントに「テロに打ち勝った」と言えるのか、アフガンからの駐留米軍の撤収を既定路線としつつも、断片的に伝えられる現地からの報道は平定へと向かう様子とはほど遠いものでしかない。

9/11以降、ブッシュJrの対アフガン、対イラク戦争は凄惨を極め、WTC犠牲者の数十倍もの無辜の民を殺害し、欧米社会 vs イスラム諸国という二項対立は9/11以前とは較べものにならないほどまでに先鋭化し、露わにされ、憎悪のマグマが拡散し、火を噴いてきたというのが、この10年ではなかったのか。

攻撃対象だったWTCは単なるニューヨークのランドマークではなく、まさにマネーがマネーを生んでいく金融資本の象徴とも言うべきところで、9/11テロはその数年後に露わになったリーマンショックの前兆とも意味付与できるような衝撃だったはず。
犯行グループがそれをどこまで自覚していたかは分からないが、その後、アルジャジーラなどから伝えられたウサーマ・ビン=ラーディンのメッセージからもそれは読み取れたものだ。
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3.11から半年

3.11東日本大震災から半年を迎えます。
亡くなられた方々にはあらためて謹んで心からの哀悼の意を捧げます。
被災者の皆さまには心からのお見舞いを申し上げます。

また私、杉山は他2名とともに震災発生旬日後から緊急災害ボランティアに起ち上がり、被災地へと赴き、被災された方々に寄り添いつつ、ささやかながら復旧活動に専心させていただきました。
また本Blogにおいてはその後も全く不十分ながらも関連記事を上げてきていますが、震災発生後半年というこの時期にあたり、あらためて被災地の現状を踏まえつつ考えてみたいと思います。

この震災の特徴の1つとして、被災地がとても広域にわたるものであるために、被災内容も実に多様で、概括的に捉えることはほとんど無理があるという側面があるわけですが、しかし復興への長い道のりはやっと今始まりつつあるのかな、という感じとともに、国レベルの復興構想すら未だに明確に打ち出されず、地元自治体もどのような復興プランを描けば良いのか、住民との狭間にたち戸惑いを深めるばかりという様相というのが共通して言えることのように思えます。

昨夜のNHKの特番に出演していた平野復興大臣の対応を見ている限りでも、ホントに国は真剣に向き合おうとしているのか、いよいよ不安ばかりが募るという感じで視ていた方も多いと思います。(昨夜は知人らとの会食、打ち合わせで外出していたため、先ほど録画をチェックしたばかり)
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各地から秋の便り

 
初秋の頂き物2点。
信州からは極旨、糖度満点のデラウェア。とても濃厚な味だ。
ずいぶんとたくさん頂いたので、隣町の母親宅へも届け、若者にもお裾分け、
せっせと信州の秋をいただいています。

栗はやはり東濃。
“寿や”の栗きんとん。
自然そのものを、そのままに菓子に仕上げた銘菓だね。
これは数日前に訪問いただいた若い木工職人からの手土産。
豪雨がまだ残る中を突き、ずいぶんと大勢でやってきて暫し賑やかな職人談義。

若さは宝だね。でも ‥‥
“少年老いやすく 学なりがたし”だからね。

コレット問題の解決:Dewalt 〈DWP611〉(再び)

〈DWP611〉代替コレット

コレット問題の完全解決

お騒がせしております。
件名の件、完全解決です。
前回も書いたことですが、マキタの8mmルーターのオプション、8mmと6mmのコレットが入手でき、実際に装填して加工するところまでやり終え、ジャストフィットを確認することができた。
やれやれ、だね。

標準で添付されていたのではと思わされるほどにぴったし填まった。
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“白露”、稲穂、この地球の美しさと専門バカ

今日、9月7日は二十四節気では「白露」にあたる。
秋分の日(9月23日)までの期間を指すが、事実、今日は台風一過がもたらした大気の入れ替えで、とても清々とした爽やかな陽気になり、秋への歩みを確実に一歩踏み出した感じだった。

画像は夕刻6時過ぎの近隣田んぼから望む夕焼けだが、日中は雲一つ無い快晴だった。
明日も晴れるだろう(画像、決して色調をリタッチしたりはしていない。手前の稲穂にストロボを当てただけ)。

旬日ほどもすれば刈り取りだろうか。

この地域は福島第一原子力発電所から直線距離で400km以上も離れているというのに、農家は今年の新米の売れ行きを心配しているという。
例年であればまだ残っている昨年度の米の在庫は、とうに尽きたと言う。
放射線汚染への懸念からのものだ。

この辺りはさほどの汚染は無いと考えられるが、それでも全く汚染されていないとは言い切れるものでは無い。
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ラミネートの単板は3mm、それとも4mmで?

ブラックウォールナットの積層成形

久しくしていなかった積層での成形加工をやったのだが、いわゆるこのラミネート、単板の厚みを間違えて木取りをしてしまった。

本来は3mm×9枚=27mm、のところ4mm×7枚=28mm、になっちゃった。
気づいたのは木取りが終わった時点だったのだが、果たしてこの4mm単板、折損すること無く首尾良く曲がってくれるのだろうか、という不安を抱えたままに型板にあてがい、恐る恐るプレスを掛けていった。

しかしこの不安は杞憂と終わり、全く問題なく完全に圧着、成形することに成功した !!
これはブラックウォールナットという材種固有の高い靱性ゆえの事例であり、他の材種ではダメであった可能性も強いと思うが、どうだろうか。

ボクはこのラミネートは経験不足で、十分なデータを持ち合わせていないのだが、読者に熟練者がいらっしゃったらぜひアドバイスをいただきたい。

因みにこの曲面部分は260R。
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民主党、自己否定の新政権

台風12号で日本列島大荒れの週末だが、当地も断続的に豪雨に見舞われた。
台風通過地域の岡山、兵庫には親戚も多く、電話連絡を取ったりと落ち着けない時間を過ごす。
契約駐車場の車が水没という倉敷在住の親戚もいたり、ガキの頃に過ごした奈良県の最南部・十津川村の大きな被害などのTV報道を前に胸が塞がれる。

さて、1週間後は3.11東日本大震災から半年になる。
一方、2001年9.11WTCテロ事件から10周年ということでもある。
早いものだな、というのが偽らない印象だが、3.11東日本大震災というのは現在進行形であることは言うまでも無いのだが、実は9.11も同様に、ボクの中では現在進行形でホットな問題であることに違いが無いと思っている。

いずれも様々に思いが駆け巡るのだが、それぞれに現代世界を既定づけることになった大きなエポックであるということで共通する事柄だ。

またそのことに関してもいずれ記事に上げたいと思っているが、今日はもっとホットな国内の話題、民主党新政権について、少し触れておきたいと思う。

今朝の朝刊には発足した新政権への世論調査の結果が報じられている。
各紙、ほぼ同じような結果のようで、新内閣の支持率が5割を超え、V字回復とのこと。
特徴的なのは自民党支持層でも4割を超える人々が好感を持って迎えているというところに、新内閣の特性が表れているように思う。(毎日.jp
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CLARO李朝棚

CLARO李朝棚



CLAROウォールナットとブラックウォールナットを用いた二層の李朝棚。
数回前の記事で少し詳しく紹介したので繰り返しは避けたいと思うが、収まるべきところに鎮座し、使い手の手づから器を納めることで、本来の輝きを発してくれる。

解説は最小に留め、今日は画像中心でいこう。
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2011 夏が逝く

晩夏とは言え、日中外に出れば30度を超える残暑は未だに厳しい。
しかし8月も今日で終わりだ。

石巻港、気仙沼港、大船渡港へのサンマの水揚げの報には口元が緩み、一緒に涙腺をも緩ませてしまう。
北海道沖からの漁なのだそうだが、3.11以降、強ばったままだった漁業関係者の破顔は安堵に満ち、本来の姿を取り戻しつつあることの証しだ。うれしい。

さっそく我が家でも刺身にできるものを買い求め、口いっぱいに秋の味覚を堪能させていただいた。
今年のサンマは大型でひときわ美味しく味わうことができた。

ところで前回も少し書いたのだが、今年の日本の夏は、やはりこれまでとはかなり位相を異にする風景で染まったことも確かだ。
様々な事情から、放射線に汚染された福島県下に在住する子供たちも、全国の様々な地域からの「こっちに遊びにおいでよ」との呼びかけに応じ、一時的な疎開を敢行し、閉じた心身を解き放ち、ひとときの夏らしい子供の世界に興じ、笑顔ももどったようだった。


そして9月からは、また元の汚染された土地で生きていくことになる。
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