工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

「Safari4.0.2」がリリース

Safari本日、「Safari4.0.2」がリリースされた。
さっそくダウンロード、インストール。
実は先月18日、Safari4.0に更新され、使っていたのだが‥‥。
待ちに待った更新だった。
確かにWebスタンダードに準拠させ、様々な機能向上を図ってきているというだけあって、使い勝手は向上していた。(こちら
Safari4.0しかし、何だか以前よりも重くなった感じがしていた。読み込みスピードが出ないのだね。
(Firefoxと比較してみても‥‥)
Safariをリセットしたり、ネットワーク、TCP/IPのIPv6を自動から「切」にしたりと試みるも、大きな改善はみられなかった。
そして先ほど、新たな「Safari4.0.2」に更新させたら、サクサクと動くようになってくれた。
「Nitro JavaScriptエンジンの安定性の向上、互換性、およびセキュリティに対する改善」とアナウンスされているが、快適に動いてくれればそれでよい。
(まだ問題は残っていると思う。フォームでの入力において、2バイト文字の日本語全角が対応してくれないとかね‥‥)
このSafariの更新、Macユーザー全てにお奨めです。
ダウンロードは‥‥、
メニュー > ソフトウェア・アップデート、から、あるいは(こちら)からでもOK !
*余談
ところで昨日8日、「Google Chrome OS」の発表があったね。
Webブラウザ、ケータイOSのリリースと来て、今度はいよいよ2,010年後半にもオペレーティングシステム(OS)分野に参入ですか。
ネットブックに特化したものと言われ、起動後、即座にWebアクセスが可能とか。
いやはやGoogle畏るべし。もうMicrosoftの最後の優位性も無くなっちゃうということ?
(GoogleのBlogでの記事はこちら

金具ならぬ木製抽手

handle家具デザインにおいて、抽手、つまみ、などの金物が占める要素は大きなものがあると思う。
無論、機能金物での品質は必須なものであるだろうし、単なる抽手などでも疎かにはできない。
以前、須田賢司氏の論考「東京の錺職人」(カネへんに芳と書いて“かざり”と読む)(クラフトセンタージャパン発行『手』7号)という小論を読まれた方もいらっしゃると思うが、冒頭、次のような文章ではじまる。
「金具は木工にとって点睛である。‥‥」
これは周知のように江戸指物の系譜、王道を行く須田さんの作品を知っている方であれば誰しもが大きく頷くところだろう。
もちろん、銀などを素材とする錺を対象とした話しであるが(錺は“かざり”と読むのが本来であるが、“かざりかなぐ”というシニフィエ(意味内容)を持つと考えて良いだろう)、近年この錺職人がいなくなってきていることを慨嘆する内容の話しである。
「‥‥文化の危機を感じさせる。文化は物がつくるのではなく、人が作るものであるとするならば、職人がいなくなるという事は一つの文化の終息をも意味しているのではないだろうか‥‥」と続く。
今では錺を自らの手で作らざるを得ない状況になっているようだ。

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カタログハウスの商品開発力とは

カタログハウスさる7月2日、『株式会社 カタログハウス』の商品開発室 室長・堀本 卓 氏の講演を聴く機会にめぐまれた。
ボクはいかに著名な会社であっても、よほどの内容でもなければこうした企業の講演などを拝聴するほど良い心がけを持つ者ではない。
しかも業務を離れられるほどスケジュールに余裕がある状況では無かった。
しかし、この『カタログハウス』は、ボクにとってはそうした不義理、あるいは制約を超えてもぜひ拝聴せねばという意識にさせる何ものかがあった。
恐らくはこのBlog読者の少なくない人たちにとってはなじみ深い社名であり、また実際に定期刊行物を購読し、紙面からお気に入りを見つけては発注した経験もおありだろう。(あの和田誠さんによるユニークなロゴは見覚えあることだろう)
つまり雑貨、電化製品、ファッション etc、様々なものを取り扱う通信販売会社であるが、競合他社が少なくない中にあって、なぜに「忙中閑 ! 」などと自己に言い聞かせながらいそいそと出掛けることになったのかには、いくつかの理由がある。
・古くからの購読者(=通信販売利用者)であった(ボクより、妻の方だが)
・その取り扱い商品のユニークさ(他のところでは取り上げられない品々)
・社風のユニークさ
・『カタログハウス』誌のユニークな紙面構成
といったような国内通信販売会社として図抜けたユニークな商品開発方法、販売方法、そしてそれらに貫かれる社風というものは、ミーハー的な興味も手伝って、ぜひ知っておきたい、この機会を逃すまい、と言うことになってしまったのだった。

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豪雨間近の工房で

家具今年は梅雨入り宣言後、当地の雨はさっぱりだったが、このところ梅雨時らしくさすがに好天気は続かず、隔日ごとに強い雨をもたらす。
仕事も何某かの影響を受けずにはおかないが、迫った納期のものもあり、天気予報をながめながめという悠長なことも言っておられない。
しかし、いい加減に事を進めると後で取り返しの付かない失態を演ずることになるので、あくまでも慎重に進捗管理しながらの業務となる。
気象レーダー画面を見れば今夜半から強い雨が来襲すること必至。
夕方までは晴れ間ものぞく良い天気だったので、雨中ではやっては
ならない組み上げなどを優先し、何とか所定のスケジュールを大きく破綻させることなく進めることができた。
後は支輪、台輪を制作すれば、塗装工程に移ることができる。
ところで、現在は工房 悠プロパーの制作だけであり、したがって1本ものばかりなのだが、昔、地元の松本民藝家具販売店の特注ものを請けていた時期があった。

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iPhone OS 3.0をリリース

10日ほど前にiPhoneのOSが更新された。
日本国内にiPhoneが投入されちょうど1年後の時期にあたるが、様々な新規機能、および改善が施されている。
▼最も有用な機能と思われるのが、コピー&ペースト。
恐らくは多くのユーザーが待ち望んだもので、想定通りというか、きちんと対応してきたところが嬉しい。
使い勝手もすこぶる快適。
ブラウザ、Safariのテキスト、画像までコピー&ペーストできちゃうというからスゴイ !
Safariで切り取りたいところを画像もろともコピーし、これをメモに貼り付けたり、メール添付する、といった活用法。
iPhoneつまりMac同様、固有のアプリ上だけのことではなく、あるアプリ上の一部のデータを「クリップボード」に転送し、これを別のアプリの指定した場所に再現複製させることができる、ということだね。
▼次にMMS(Multimedia Messaging Service)をサポートしてきた。
画像、オーディオファイル、位置情報などを簡単にメール送受信できるというもの。
さっそくIDを登録しアカウントを取得。
試用してみたが、なかなか使える。MMS作成画面に写真撮影アプリ呼び出しのアイコンが付いている。
位置情報を取得してこれをメール添付した場合、受け取った人がこのテキストをクリックするとハイパーリンクされているURLでGoogleマップが起動し、その指定された位置にアンカーが打ち込まれる、というもの。
(最近のデジカメなどにも、同じ位置情報機能があるようだね。言い方を変えれば、そんな電子デバイスを持ち歩くと言うことは、その人の行動の全てが押さえられているという、オソロシイ話しではあるのだね)
▼ボイスメモが標準装備された。
これまではiPhone APPから有料(無料もあり)で購入していたものだが、標準装備された。
この音声データの保存、転送については、ちょっとまだ不明。
とりあえず、メール添付で送ることはできる。
まだしていないが、Macと同期させることでメモが取り込めるようになったようなので、この音声ファイルも同時に取り込めるだろう。
フォーマットはm4a。
▼次はiPhone内の全てをSpotlight 検索ができるようになった。
仮想キー入力で打ち込む文字列に合わせて瞬時に適切なファイル名称、内容が検索される。
MacのSpotlight 検索の優れた機能と一緒だ。これはすごい。
▼また、iPhoneの盗難、紛失に備え、“iPhoneを探す”機能が使えるようになった(「MobileMe」契約が必要だが)。同時に遠隔消去も可能。
▼他にもSafariのパフォーマンス向上、Bluetoothがステレオ対応、WiFi自動ログインなどいくつもの新機能、改善があるようだ。
なお、このiPhone OS 3.0リリースに先んじて、iPhone本体の更新もあった。iPhone 3GSという。(SはスピードのS)
ビデオが撮影できたり、デジタルコンパスが搭載されたり、処理速度も2倍に向上だとか。ネット上の処理速度テストでは実質2倍以上の早さだとか。
こんな別物のような内容での更新か。
さっそく機種変更したいところだが、昨年購入したiPhoneの割賦販売契約の半分も済ませてないのに、ここに加えて新規に本体を購入するほどの負担にはとても耐えられそうもない。
‥‥よい子はガマンしなくちゃ。
先頃、日暮れ時突然の雷雨に見舞われ、駐車場の車まで走る途上、胸ポケットのiPhoneを落下させてしまった。
幸いにして本体はケースに保護されて無事であったが、このケース、ここで1度紹介したことがあるiWoodというもの。
このiWoodを破損させてしまった。
かなりのスピードで走っていた身体から落下したのだから、強いGが掛かっていたと思われ破損も当然か。
ウォールナットは売るほどあるので何とか修理はしたが、傷跡が実に痛々しい。
(本体に少々の傷が付くことなどボクはお構いなしなので、ケース無しでも構わないのだが、ただこの iPhone、デザイン、および仕上げ品質が良すぎて、手掛かりがなく、滑りやすい。
iWoodはこの“弱点”を補う、脱落防止のためのもの。
ウォールナットの木肌はオープンポア仕上げのため適度の摩擦抵抗があり、滑り止めになっている。また落下の際にも保護になることを身をもって立証してくれたからね)

栄光と影(M・ジャクソン、復活コンサート直前の急逝)

King of Popと称されたマイケル・ジャクソンの最期はどのようなものだったのか、7月、ロンドンでの復活コンサートを前にして、薬物依存、摂食障害を抱えながらの猛烈なレッスンの日々であったろうことを考えれば、肉体的酷使の結果としてのものであったことは想像に難くない。
あまりの早世であったことは残念としか言いようもないものだが、しかし誤解を怖れずあえて言えば、復活を夢見ての途上での事故と思えば、マイケルにとって本望であったのでは、とも考えられはしないだろうか。
何となれば90年代以降はスキャンダラスな事件ばかりがクローズアップされ、そうした失意の時期を乗り越えようという意志を奮い立たせる過程のものであったことは、彼にとってもファンにとっても一縷の“救い”であると言えるのだから。
決して良いファンではなかったボクに何かを語ることなどできないが、良く言われる過剰としか形容するしかない整形手術、ブラックへの忌避、あるいは数々の性的虐待疑惑、等々、スーパースターが抱える孤独、疎外感へは等し並みの興味はあった。
つまりいかにスーパースターとして君臨しても、その背後に感じる陰湿な人種差別主義であったり、ジャクソン5への道筋過程での父親からの徹底したシゴキへの憎悪であったり、幼くしてスター街道を歩む過程での、いびつな性体験であったり、と言ったように、とにかく真っ当な生育過程を経ずして、“孤独な”スーパースターへと登り詰めたマイケルには、勝ちとった名声と莫大な資産の代償は常人には推し量ることのできないものがあっただろう。
今日はちょっと視点を変えてYiuTubeからは《We Are The World》を‥‥
マイケル全盛期の1985年、アフリカエイドのキャンペーンソングだね。
マイケルとライオネル・リッチーとの共作。
「Thriller」を含め、80年代のアルバムでコンビを組んだクインシー・ジョーンズがプロデュース。

エイドとしての批判は少なくなかったが、80年代アメリカポップスシーンを考えるとき、欠かせないかも。
シンディー、かわいいから許されよ
‥‥理想主義を語ることが許された時代でもあったということか‥‥


このビデオクリップ、iTS(iTunes Store)に良質画像のものがあるよ
   →(こちら)¥300
またこの「We Are The World」のマイケルだけのスタジオ録音メイキングビデオもあった。
こちら
■ 参照
REUTERS
REUTERS スライドショー

引き出しセンターガイド

今年の梅雨は陽性と言うべきか、今日も昨日と同じように強い雨からスタートし、午後にはカラッと上がってくれた。
湿度計とにらめっこしつつ、午後からチェストを組み上げる。
框構造による間口4尺弱、奥行き2尺の比較的大きなサイズのものだが、スムースに運んでくれた。
下の画像は内部を示すものだが、駆体内部、中央の棒について少し説明する。
これはセンターガイドと呼ぶものだが、要するに引き出しの摺動を助けるものだね。
日本のタンス構造では、こういうものは無い。
対して洋家具の構造には比較的多く見かけることがあると思う。
国内メーカーでも、横浜クラシックなどの系譜では取り入れられていると思う。
海外のメーカーの多くは専用の金属製のものが多いと思われるが、木製でも簡単に制作できるし、むしろ金属製よりも耐久性は高いのではとさえ思うね。
ボクはいつも使う手法というのではなく、3尺(≒900mm)を越えるような間口の場合に用いる。
つまり間口が広くなると奥行きとの寸法バランスからして、嵌め込み、出し入れに不具合が出やすいもの。
確かにそのような場合においても、制作精度を高め、引き出しもタイトに仕込めば、不具合が出るようなことなない。
しかし諸般の制作環境、ユーザビリティー(使い勝手)から考えるとき、センターガイドを取り入れるという思考はあって良いだろうね。
いくつか制作上のポイントを‥‥

  • センターガイドはあくまでも“絶対的に”センターの位置に取り付けること
  • 棒は堅く堅牢な樹種(今回はミズメ)で、柾目木取り
  • 引き出し底の下に取り付ける受桟(センターラン)との嵌め合いはきつからず、ゆるからず
  • 駆体と左右の側板の仕込みは、やや逃げ加減に(0.1〜0.15mm程度?)

精度良く加工し、仕込みを上手にやれば、3尺越える間口のものでも、2つの抽手の片方だけでスムースに出し入れできるほどに効果をもたらすだろう。(センターガイドを用いない方法ではありえないだろうね)
明日も晴れてくれるとうれしいね。
センターガイド

最良の日

帆立今日は最良の日だった。
そう、お天気がみるみる回復。工房の湿度計も80%越える位置から徐々に下がり続け、お昼前には60%切るまでに。
昨日の雷混じりの豪雨とはうって変わっての爽やな風が心地よい。
こんな日はビールが美味い。お風呂も太陽熱温水器でガス焚き無用 !
いや、そういう話しではない。
最良とはやや大げさと言う無かれ。
今日はキャビネットの帆立を組む段取りだったのだが、昨日の天気ではとても出来る作業ではなかったからね。
雨の時に組んでみなはれ。
その後、乾燥した大気の中で数日経過すれば……、
見事なまでに、接合部は切れていくこと、必定。
うちの2尺のハタガネは50本あるが、全て動員するほどのボリュームの帆立組み立ての量だったが、おかげでスムースに事が運ぶ。
快適環境に、快適作業。
まだまだ扉、引き出しの加工が残っているというのに、駆体を組み上げる作業というのは大きな山を越えたようなもので、そうした安堵感とともに快適に作業させていただく。
ただこのお天気、もう1日持ってもらいたい。
今日は帆立側だけだが、明日はこれに棚口、後桟を繋いで筺にしなければならん。
♪ てるてるぼうず、テル坊主 !
……、
この最良の日を祝うかのように、今日は遠方の家具制作依頼者から美味しそうなギフトが贈られてきた。
昨年末頃にアクセスしてきた顧客からだが、経過、いろいろとあり、やっと最終設計案を了承いただいたばかりで、未着手の仕事。
何やら、プレッシャーを感じるものでもあるが、ここはとにかくありがたく頂戴し、良い仕事を叶えることでお返しするしかあるまい。

熱狂と静謐の狭間で‥‥(ピアニスト辻井伸行)

6月8日、いくつかの家具を載せたミニバンで展示会場に向かう途上、“全盲”のピアニストの辻井伸行さんがヴァン・クライバーン・国際ピアノコンクールで優勝 !!、ニュース報道にしては、やや興奮気味の吉報が入ってきた。
残念ながらカーラジオでは会場の様子も窺えず、どのような演奏であったのか気になって仕方がない。
食事時間の合間、iPhoneからYouTubeを検索すると、既にいくつかの演奏の動画が納められていて、辻井さんの演奏を垣間見ることができた。
さて、その後の国内のメディアの“狂想曲”は触れるまでもないだろう。
ニュース枠は当然としてもワイドショーの中でも大騒ぎ。
常に冠されるのは“全盲の”、“日本人初の”というフレーズ。
底なしの沼地であえいでいるような今の日本社会にあって、確かに辻井さんの栄冠は暗闇をやぶる払暁のような効果をもたらす社会的な話題として取り扱われるにふさわしいものなのかもしれない。
しかし、それを殊更に、“全盲の”、“日本人初の”という属性で讃えるというのは、彼には大変失礼な関わり方になるのではないか。
ヴァン・クライバーン・国際ピアノコンクールの審査員も、スタンディングオベーションで迎えた観客も、そうした属性を越えた、まさに一人の音楽家、あるいは大きく羽ばたこうとしている芸術家として評価し、讃えていることを忘れてはならない。
18日、朝日新聞夕刊の吉田純子(記者なのかな)署名の記事は抑制的でバランスの取れた良いものであった。
ここで、このコンクールは世界にあまた数あるコンクールの1つであり、「チャイコフスキーやショパンなどの大コンクールと並ぶ登竜門」という位置づけとは少し違う、と難じているが、恐らくはそれが正しい認識なのであろう。
無論、だからといって辻井さんの栄冠が貶められるというものではなく、ただ煽るだけの意味合いでの適切さを欠いた評価というものは、彼に対してむしろ失礼な振る舞いだということを言いたいのだ。

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材木市況

このところ、材木屋の訪問が相次いでいる。
名刺を渡されても聴いたこともない業者で、またそのほとんどがアポも取らずのいきなりの訪問。
こちらも忙しくしていることもあり、相手が期待するほど良い対応ができないので困ることになる。
以前はこういったことはなかった。
見知らぬ業者が訪ねてくるようになった理由はいくつか考えられる。
昔は業界の名簿、あるいは職業別電話帳などを調べてアクセスするという手法だったろうが、これでは詳細な業態はあまり分からない。
比して、現在ではネット検索すればどこにどのような木工屋がいるか、たちどころにリストできる。
うちのようにWebサイトを設置していれば、どのような樹種で、何を制作しているのか、丸裸。
ネット上には至便な地図サイトもあり、ピンポイントで検索できるし、また車のナビでは電話番号入力で玄関先までガイドしてくれる。
あえて事前にアポを取って場所の案内を請う必要もないというわけだ。
またこのところの経済不況が木材業者を営業に走らせているということがあるのだろう。
ご用聞きという奴だ。
昔はだまって倉庫で整理していれば、客の方からトラック持ち込みで訪ねてきてくれた。
今はそうは行かない。ちょっとでも可能性があるならば、鼻も引っかけなかったうちのような零細木工所まで「工房さん、良い材があるのですが、支払いはいつでも‥‥‥」
「工房さん」はないだろう。固有名詞であるかのように一般名詞を勘違いしている人は少なくない。
それはともかくも、うちのような個人工房に売り込みに廻るのはさぞ大変だろうからと、機械を止めて話しを聞いてみることもある。
しかしその話しの時間の長さだけ、落胆の度合いも大きくなる。
時にはこちらから手近にあるミズメ樺、ミズナラ、本クルミ、あるいはウォールナットと、こんなのがあれば買うよ、と差し出してみることがあるが、途端に物静かになる。
今ではそのような品質のものは無理です、社長 !(その社長 ! というのだけは止めなさい)
本来は国産の広葉樹であるものが、今では北朝鮮国境など、極東ロシアあたりからの供給となっていて、そのほとんどは従来の国産のものと比肩できるものなど望むべくもない。
あらゆる事象は変転するというのがこの世の倣い。
しかし木材市況の変容というものはいささか尋常ではないようだ。
(疲労でぶっ倒れそうなので今日はここまで)