工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

春キャベツの休日

ロールキャベツ
自営業というのは日曜日であってもなかなか業務から離れられないというのが常というもの。かてて加えてブログなぞに手を染めてIT社会のなかで浮遊するということは現代的快楽の一つでもある反面、心身でのストレスを抱え込むというものです。
そこで心身のチェンジが必要になります。何でも良いのですが、調理というのは格好の気分転換です。
料理とは言っても、貧乏暮らしのB級グルメ。数年前、「清貧」という言葉がメディアに氾濫したこともありましたが、もともとそのような倫理的思考などとは縁遠いので、あくまでチープな普通の素材で料理を楽しみ、己の舌を喜ばしてやろうという純粋な欲望に従うまでのことです。
八百屋には春野菜が出回ってきました。昨日立ち寄った店では早くも筍がそれなりの価格で売られていましたが、地元のものが出回るまでの辛抱です。
まずは春キャベツを求め、今日はロールキャベツです。
ボクにとって青春時代のロールキャベツとは、新宿アルタ裏(当時はそんなビルなかったが)の「アカシヤ」の「キャベツ」です(そこのあなた、今ニヤケタでしょう。そうです、あの名物アカシヤの「キャベツ」です)。


この店で「キャベツ」とオーダーすれば、ホワイトクリームソースのロールキャベツのシチューを出してくれるのです。ホワイトクリームの中で良く煮込まれた2つのロールキャベツは青春の味なのでした。
味はやや強めのナツメグが効いたなかなか美味しいものでした。ボクが通っていた頃は380円程でしたか(オーッ、そんな昔話かよ)。今は恐らく700円ほどでしょうか。
間口1軒半ほどの狭〜い店でしたので、いつ行っても混雑していて、見知らぬ人と肩を寄せ合い黙々と食べるのでした。中にはワインなどをオーダーし、楽しげにシチュー皿を囲んでいたカップルもいましたが、ボクらにとってはとにかく廉価でスピーディーに空きっ腹を癒してくれる数少ない新宿の猥雑な街中での洋食屋だったのです。今ネットで検索してみれば、やれサービスが悪いだの、味が濃いだのと悪口三昧な書き込みもあるけれど、勘違いして貰っては困るのです。帝国ホテルでシチュウー頼んでいるのじゃないのですよ。まさに日本橋たいめいけんに負けずに洋食屋の殿堂なのでした。★★★三つ星あげちゃいます。「キャベツ」だけで新宿の繁華街にビルを構えるのですから、スゴイことではありませんか。
さて、今日の「キャベツ」
【キャベツの下ごしらえ】
1) キャベツは1枚1枚軸から外し、蒸す。(5分位)茹でるより、キャベツの味が損なわれない。丸ごと全部蒸しましょう。
2) 茹であがったら、くるみやすいように、キャベツの芯の部分をそぎ取る。(そぎ取った残りは後で一緒に煮込むので捨てない。
【具】
材料 : 挽肉+炒めた玉ねぎ+トマトの湯むきを刻んだもの+コショウ+塩+ナツメグ
1) バターした鍋でみじんぎりの玉ねぎをしんなりするまで炒める。
2) 挽肉(好みで牛、合い挽き)をこれに入れて、肉の色が変わったところで調味料。(ここで肉に火を通すのは、余った数の冷凍保存のため)
3) トマトは熱湯で湯むき後、細かく刻み、2に入れて良く混ぜる。
【巻き方】
冷ましたキャベツに具を巻き付ける。巻き方などどうでも良い。キャベツに孔が空いていたら、小さなキャベツで覆い、しっかり俵型に巻き込む。めくれ止めの楊枝など不要。小さな葉であれば2枚重ねる。
【調理】
後は、ホワイトクリーム、トマト味スープ、あるいはシンプルにコンソメ味で、など好みでやってください。
今日はトマトソースです。
味のキホンはキャベツです。具は添え物、かな。
この頃の子どもは野菜をあまり食べたがらないということのようですが、母親はぜひ野菜の美味しい食しかたをしっかりと子どもの舌に記憶させて欲しいですね。
ボクなどは例えば1番の美味しいスープは何かと聴かれれば、迷うことなくオニオンスープと答えますね。次には豆の沢山入ったトマト味スープかな。
春野菜は何でも美味しいですね。新玉ねぎの甘さもたまりません。菜の花、ウド、花わさび、蕗、新ジャガ、グリーンピース、空豆、etc 旬のものこそがヒトの舌と胃袋を快活にしてくれます。
年のせいといわれそうですが、ボクはベジタリアンではありませんが、ここ10年ほどは動物蛋白はあまり摂らないように、積極的に大豆などでタンパク質を摂取するように努めています。
五目豆、豆腐、納豆、豆スープ、etc そこで関心はGM食品です。遺伝子組み換え食品ですね。この大豆はトウモロコシと並んで最もGM化が進んでいます。
この話題はまたあらためてにいたしましょう。

《関連すると思われる記事》

                   
    
  • 先日のアポなし飛び込みの女です。(今日は休みで調べたいことができネットカフェ入ったところ・・・)
    アカシヤ がでてくるとは!!!!
    私も青春の味です。ちょっと前に東京に行きとてつもなく、あのロールキャベツに会いたくなり、新宿へ。
    前は上京したてで、メニュー見る余裕がなかったのですが、
    今1個だけというのがあるんですね。小ライス、サラダつきでも500円前後。 2個ならやはり700円くらいですね。
    色気より食い気ですね。私は・・・。
    (今度はちゃんと連絡入れてからお邪魔いたします。)

  • おや ! mamiさんとはきゃべつ繋がりでしたか。
    アカシヤとの出会いをそんなに感激していただけるとはエントリーした甲斐があろうというもの。
    「アカシヤ 友の会」でも立ち上げましょうかね(笑)

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.