工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

おが屑の行方

空豆
今夕は初夏の旬菜で軽く一杯。空豆(器は棚岡二三四さんの白化粧)と、ほたるいか(器は鈴木正彦くんの伊良保)です。
さて、木工をされている皆さん、たまりにたまったおが屑はどう処理しますか。
大きな工場などでは集塵機によって大型焼却炉へ自動的に送られそのまま焼却しているところも多いと思います。
ボクのところではそのような大型焼却炉もありませんし、また焼却炉での焼却処分の規制も施行されていますので、そのようなことはできません。
昔から近隣の牧場で引き取ってもらっています。
牛糞と合わせ発酵させることで、とても良い堆肥になるのですね。
このようにおが屑を牧場で引き取ってもらうことは資源の循環に繋がることですので、とても気持ちよいものです。
工場は綺麗になり、牧場は喜び、野菜も喜び、そしてヒトも美味しい野菜で胃袋が喜ぶ。もちろん焼却しませんので環境へのインパクトは低い。
加えて、いつもこの牧場のオーナー婦人からは様々な野菜を頂くので、美味しくいただけ、家計も助かる。
四方、良いことずくめ、ということですね。
ただ、これまで開業してからというもの、現在の牧場に至るまで5個所ほどの牧場に世話になってきたのですが、つまり、後継者がいなくなり廃業したり、またおが屑のチップの大きさの問題があったりと、たらい回しにされてきた経緯もあります。
現在の牧場では既に3年ほど世話になっていますが、まだ若い経営者ですので、当分は良い関係で推移してくれることでしょう。
ボクたちの使う材種はいわゆる雑木(広葉樹)ですが、牧場主のお話では針葉樹(杉、檜など)のおが屑は堆肥には良くないんだそうです。雑木ですと、にこっと笑ってもらってくれます。
どういうことかと言いますと、針葉樹はなかなか発酵してくれないのだそうです。そのため発酵促進剤(薬品)を混入させることなども必要になり、あまり良くないのだそうです。
ボクのところではブラックウォールナットのおが屑が多いものですから、最初は「何じゃ、これは ?! 」と、日本の木にはないあまりの黒さに驚いていたのですが、良く発酵してくれるようで安心してくれました。
今日もトラック満載でおが屑を牧場まで運びましたが、とても気分の良い作業なのでした。
帰りに頂いたのは食べきれないほどの量のねぎでした。どうしよう、こんなに。ちゃんと根も付いているので庭の小さな畑に植えます。そして毎日、毎日、焼いて食べます。(1本のママ焼くんです。焼くと甘みが増し、食欲増進、あっちも増進)

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  • お邪魔しま〜す。
    初めまして。毎日楽しく拝見させていただいてます。
    おがくずの処理はみなさん頭を悩ませるとこですね。
    わたしのところではかつをぶしメーカーが貰いにきてくれます。
    うちは樫の木が多いので火持ちが良いらしく喜んで取りにきていただけてますよ〜(感謝
    ネギの1本焼きおいしそうですね。今度試してみよ〜っと。
    あっちの増進かぁ〜(照

  • カンナさん、comment 感謝です。
    かつをぶしですか。フム。
    もしや薫蒸に使うのでしょうか。 ?!?! 。
    Linkしてます藍さんが薫製を良く作るとのお話しありましたが、ボクも山桜での仕事の時に出た角ノミのおが屑で薫蒸したことがあります(チップが程良い大きさ)。
    ネギですね。しっかり焼いて、1枚薄皮を剥いて食します。長いまま焼いて、その後に程良いサイズでカットしたほうが良いです。
    焼き魚の付け合わせなど、どうぞお試しあれ。
    なお、ネギを買う時は洗ったものではなく、泥付きのものを求めた方が美味しいですね。長持ちもします。

  • うちの所は工房の奥の小さな乗馬場でもらってくれるそうです。土地が痩せているので、堆肥にしてもらおうと思ってます。ソラマメもうまそうですね。

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