工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

オスカーの行方・ハリウッドの転機は

第80回アカデミー賞の発表・授賞式が24日(日本時間25日)、ロサンゼルス、コダックシアターであった。
日本で話題になっていた「モンゴル」主演の浅野忠信(外国語映画賞にノミネート)は残念ながら賞を逃した。
今年は巨匠が相並ぶ外国語映画賞だったので、「モンゴル」の受賞が簡単ではなかったことは素人目にも納得。
浅野本人も「とても素晴らしい経験をさせて頂きました。感謝します」と言っていたようだが、彼らしいさばさばとした良いコメントだった。
俳優人生は長い。弛まない努力、意志とチャンスさえあればいずれオスカーを手にすることの出来る役者だろう。
今回はあまり注目していなかったためか、どのような作品がノミネートされたかもチェックしていなかったが、1つだけ嬉しかったことを上げれば、《エディット・ピアフ 愛の賛歌》のマリオン・コティヤールが主演女優賞を受賞したこと。


昨秋公開したおりに是非にと考えていたものの、残念ながら叶わなかったものだが、劇場で観た予告編からだけでもその魅力の一端が見て知れた。
ところで話題になったのが、マリオン・コティヤールも含め演技賞受賞者の全てが非米国人であったこと。
またバチカンからは「希望のない暴力的な映画」が受賞したことを嘆く言葉が投げ掛けられていたようだ。
これは具体的にはコーエン兄弟の『ノーカントリー(No Country for Old Men)』、ポール・トーマス・アンダーソン(Paul Thomas Anderson)の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(There Will Be Blood)』などを指すようだ。
アカデミーへのバチカンの介入の是非はともかくも、「希望のない」アメリカの現状を図らずも印象づけてしまったことは否めない。
また解決はしたものの米脚本家組合のストライキで、開催そのものも危ぶまれるという異例の事態でもあった。
いずれにしてもアカデミーも米国の混迷という時代状況を反映してか1つの転機にあると言って良いのかも知れない。
そんな中でのフランス人女優のマリオン・コティヤールの受賞というのは個人的にはうれしいサプライズであった。
*参照サイト
□ The OSCARS (The Academy of Motion Picture Arts and Sciences)
A.M.P.A.S. 公式日本語サイト
La Vie en rose – Movie photos
マリオン・コティヤール公式サイト
IMDbサイト授賞式の画像豊富

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