工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

車載コンピューターとブラックボックス

過日、自家用車の購入後12ヶ月点検でディーラーに検査してもらったのだが、その寸前に1度だけアクセル踏み込みとエンジン回転コントロールが同期しない、レスポンスが悪い、といった症状が出たことを訴えたということがあった。
結論的には何らキャブレター周りの異変はないとのことだったので安心した。
この「異変はない」ということは何を根拠に判定しているかというと、車載コンピュータのログの分析からのことのようだ。
ボクはこの世界はちんぷんかんぷん。
燃焼室へのガソリン供給、噴霧量のコントロール、着火タイミングのコントロールが昔のように機械的にやっているのではなく、全てコンピユーター制御で行っていることぐらいしか知らない。
分厚いマニュアルも拾い読みしかしないが、運転していると意外なところでコンピューター制御されていることに気づく。
オートクルーズコントロールはもちろん、走行中の燃費、燃料切れまで後どの位走行できるか、など表示してくれるし、ワイパーなども停車してるとインターバルが長くなったり、バックギヤに入れると自動でリアウィンドーのワイパーが作動する、など至れり尽くせりだ。
最近では他車に接近することを判定し、自動的にブレーキが掛かるといったことも実用化、搭載されてきているようだし、いずれハンドルをコントロールする必要性もなくなるかもしれない。


さて前置きが長くなってしまったが、今日はこうした車載コンピューターのなかのブラックボックスとプライバシーの関わりについての記事があったのでいささか気になりエントリーすることにした。
「フライトレコーダーの自動車版──プライバシーの懸念も」(Wired News)()()
米国政府がこの夏に自動車用ブラックボックスについての新たな規則を発表する計画がある、という話だ。
マニュアルにはこのブラックボックスが付いていることとその理由を明記すること、とのことだが、プライバシー擁護派からは、このブラックボックスのデータの回収方法、使用方法が不明ということで失望しているという。
既に裁判でもこのブラックボックスのデータが証拠採用されつつあるようだ。
メーカー、車種によっても様々なようだが、保存されるデータは走行速度、エアバッグの作動データ、衝突前にブレーキをかけたか、ウィンカーを出していたか、シートベルトをしていたか etc
警察、検察としては有力な証拠物件として採用したいだろうし、保険会社も独自にこのデータ入手に奔走するだろう。自動車メーカーの設置意図はもともとは走行性能の高度化、安全性の追求、ということから、やがては製造物責任(PL)がないことの自己弁護の道具として使われてきた。
しかしやはり問題はこのコンピュータがどのようなデータを取得して解析しているのか、これらを公開することを求めたいものだ。
またそのデータの精度となると全く公的基準など皆無なので信頼性に疑いも出てこよう。
整備の時にエンジニアとも話した際、コンピューターはその運転者のクセを学習していく、といった一部の機能を開陳してくれたが、これへアクセスする専用コンピューターなどは高価で、ディーラー位しか設備できないようだ。
日本国内でのこのブラックボックスの事故時の活用はどの程度進んでいるのだろうか。ネットで少し検索してみたが、適切な情報は得られなかった。
また次の機会にセールスエンジニアに尋ねてみたいと思う。

《関連すると思われる記事》

                   
    

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.