工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ブラックウォールナットへの墨付け

フエキ シャープペン
次の制作に用いる材料(ブラックウォールナットの板)が工場のストック量では足りないということに気づく。
こんな梅雨時に桟積みをばらすのはやりたくはない。
周りの湿度が高いので板の含水率も期待するほど低くはないだろうし、こっちの体調も梅雨時では快適とは言えない。
しかし使用目的は椅子なので、あまり厚版は使わないし、幅広の材料も使わない。少々高い含水率でも良いだろう。
ブラックウォールナットという材種の価値は色。従って人工乾燥では色褪せするので、できるだけ天然乾燥だけに留めたい。
ということでばらしにいったのだが、途中雨には見舞われるし、ハチには追いかけられるし、指先に怪我はするし、で散々な1日だった。
まぁしかし、丸3年干した材料なので含水率も20%を切っていたし、製材の時の材質の良さに惚れ込んだことも思い出され満足だった。


土場周囲に広がる茶畑では2番茶の収穫がピークを迎えているようで大童の作業光景だった。
この時期はもちろん機械での摘み取り作業だ。
夫婦2人で1つの畝の左右に配置し、1台の摘み取り機械(園芸のトリマーの大型のようなもの)を操作する。
1人だけのところでは畝をまたぐように4本の車輪が付いた摘み取り機械で操作する。
つみ取る前にはまばらに伸びた茶葉だが機械が通り過ぎた後は、スポーツ刈りにしたかのようにきれいさっぱりとヘッドが揃う。
手入れの行き届いた茶畑は実に美しい稜線を描いていた。
さてトップ写真は最近ホームセンターで見つけた文具の1つ。
<カラー鉛筆のシャープペンシル>だ。
ブラックウォールナットの大まかな墨付け(帯ノコでの曲面切削工程など)や、勝手墨(左右、上下方向の印など)などでは他の樹種で用いる黒色の普通の鉛筆ではなかなか判読がしづらい。白いマーカーが必要になってくる。
それまではいわゆる一般の白色の色鉛筆を使っていたが、損耗が激しく(仕上げ削り前の木肌は荒いため)芯を出すための削り作業がやっかい。
そこで求めたのがこのシャープペンシル。
太さ2.0mmだが、結構実用的だ。メーカーはフエキ(糊のメーカーでしたよね)
色も数種あるようだ。
カラーシャープペン
実はこれまでもカラーのシャープペンシルはあった。製図用で太さも0.5mmになっていてまさに製図用。したがって木へのマーキングにはちとむかない。
また、TAJIMAという計測器具のトップメーカーが「すみつけクレヨン」というものを販売しているが、これは逆に太すぎて墨付けには向かない(3,8mm)。
ここはやはり 2.0mm のフエキのシャープペンシルに軍配を挙げましょう。
写真下(上から時計回り。クリックしてやや拡大)フエキ2.0 ,同 芯、コクヨ Campas Art 0.5 赤、コクヨ Campas Art 0.5 ブラウン、TAJIMAすみつけクレヨン3.8

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  • ミュージックバトンの記事アップしました。宜しくお願いします。

  • 何時も有益な情報アドバイスありがとうございます。
    この記事のあとカラーシャープを探して見ましたが当地には(米子)扱っているショップはなくメーカーにも問い合わせてみましたが需要が低く紹介できるショップはないとの回答でした。
    先日1年ぶりに立ち寄ったショップにカラーシャープ(uin)が置いてありました。
    白かシルバーはラインアップになく、ミントグリーンを買いウオールナット、ローズウッド、バドック等に使ってみましたが、黒色鉛筆に比べるとはるかに良く認識できます。
    本文中の《製図用で太さも0.5mmになっていてまさに製図用。したがって木へのマーキングにはちとむかない》
    というのはどのような不具合があるのでしょうか?

  • 説明が不十分でした。
    製図用の0.5mmのものは比較的入手しやすいですね。
    しかしこれはノコやノミを入れるための墨には太すぎ、また成形加工のプレ段階としての帯ノコの墨付けには細すぎるというレベルになります(ボクにとっては)。
    ノコやノミを入れるための墨には白書きでなければボクは 2H〜4H という硬度の鉛筆を使いますので。
    最近ここで紹介しましたフエキの扱いが少なくなっているようです。(需要が無いのかな)

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