工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

近所付き合いの難しさ

ブビンガうちはあまり地域密着型の仕事はしていない。ほとんどそれらしい宣伝もしていいない。しかしたまに地元の人からの受注があったり、工務店からの依頼も出てくる。
概してうちでやらなくてもどこでも出来るようなものが多いもので、丁寧に説明して断ることも少なくない。
写真の板はブビンガ(アフリカ産材、マメ科)だが、直径4尺(≒1.2M)もある丸太を輪切りにしたものだ。
地元の大工が施主がそれまで使っていたこのブビンガ材の座卓をテーブルとして再利用したいから、脚を制作してくれという依頼が飛び込んできた。
正直言えばあまりやりたくはない。
ただちょっと弱みがありむげに断れない。
以前この大工と世間話をしていたときに花梨の3.5寸材をある程度在庫している旨の話をしていたことがあり、このブビンガとは色調が合うからそれを使ってやってくれと言うのだ。


幾度かあれこれ事情をつくり断ってきたが、根負けしてやることに。
脚部だけなので2日もあれば完成するが、展示会前で忙しいのに困ったものだ。
やるからには恥ずかしい仕事は出来ないので、角材をポンポンと置くだけではなく、せめてと思い四方転びでやることに。
しかし花梨という木はめちゃくちゃ堅く、やっかいだなぁ。
木目は概してリボン杢(順目、逆目がリボン状に並ぶ)で、なかなか鉋仕上げが難しい。
教訓その1,自慢げにあれもあるこれもある、などと手持ちの材料を開陳するものではない。

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  • 教訓、肝に銘じます。
    納得です。
    私も多々、ありますので
    似たような事例が。
    で、自分の首を自分で絞めてます。

  • Kentさんも同類でしたか(笑)
    いや、木の好きな人はそうした傾向があるでしょうが、商売上手にはなれませんな。

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