工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

材木ストレージ(工房 悠の場合)

倉庫1
先に倉庫の移設に関する記事を上げたが、ここでせっかくだからこの倉庫のストレージ手法について紹介しておこう。
(とは言っても、大層なものじゃないのだけれども‥‥へなへな)
15坪(3間×5間)、2間の高さのプレハブ構造。
正面(東)中央に3間のシャッター。
壁、3間(西)と5間(北)、L字型に水道管による仕切り(棚板用を兼ねる)棒を配置する。
南側壁には何も工作せず、そのまま材木を平積みする。
残り2方には、この仕切り棒で支えながら材木を立てかけて整理する。
あるいは小割りした材木、短コロの製材品などを、この仕切り棒を用いた棚に整理する。
それらの手前に平積みした材木を置く。
こんなところだ。


倉庫2さて、この仕切り棒を受ける柱、貫の設置が必要となるが、これは3寸角の松材を使う。
柱はプレハブの1間ピッチの鋼鉄製の柱に打ち付け固定する。
貫はこの柱に20mmほどの深さで欠き取ったところにドブで入れ込み、これをL字金具で固定する。
仕切り棒に用いる水道管は、柱、貫に適度なピッチで水道管に穿った孔に打ち込む。
孔はあくまでもタイトに。深さも十分に。
孔は2〜3度ほどの角度を付けること。
倉庫3たったこれだけ〜。
平積みと、立てかけた保管方法とどちらが良いかは、なかなか微妙なところがあるね。
立てかけたものは、1枚、1枚の確認がしやすいというメリットがあるが、管理状況によっては長いものだと反張のリスクがあるように思える。
平積みは適度に枕木を置くことで反張のリスクを抑えられるというメリットがあるだろう。
うちの場合は平積みが3/4、立てかけが1/4というバランスか。


倉庫6
倉庫5

《関連すると思われる記事》

                   
    
  • 昔の記事ですが、木材保管について質問させて下さい。
    今の環境は、とにかく場所が狭く保管場所に困っています。
    唯一、鉄骨小屋の脇にポリカーボのひさしが伸びた場所があります。(壁もポリカーボ)
    しかし雨こそ入ってこないものの、外と完全に遮断されているわけではありません。
    壁と屋根の境、壁と床の境は閉じられておらず、風が割と通りやすい場所にあります。

    こんな所にすぐ使いの木を置いてよいものか悩んでいます。
    やはりきちんと壁と天井を張り直し、屋内空間を作るべきでしょうか。
    こういった事にも精通しておられるのは杉山様かと思い質問させて頂きました。
    ご教授頂けると幸いです。

    • aikoさん、ご無沙汰ですっ。

      乾燥材の保管の問題。
      用材の適切な保管については、高い品質の家具などを制作するにあたり、大変重要なことになりますね。
      一般に市場に流通している用材は人工乾燥、シーズニングを経、適切な含水率で管理され、最終ユーザーに渡ることになりますが、できれば、その状態を維持しながら加工工程に回されるのが望ましいことは言うまでもありません。

      ただ、制作者側の用材管理では、状況によっては十分に適切な環境に置かれない場合もあることは誰しも経験するところです。

      aikoさんの場合、外部環境に露出した場所という条件のようですが、日本の一般的な気象条件では、季節によってはかなり湿潤な大気に曝され、置かれた用材は、外部に晒された部分から膨張、反張してきますし、やがては内部へも徐々に及んでいくでしょう。

      空間を本格的に改修するのがもちろん望ましいとしても、緊急避難的にはブルーシートで覆うなりで、凌ぐしかないかもしれません。
      ただこの条件下での保管は、長期的には無理で、あくまでも短期間のものと考えるべきでしょうね。

      せっかく気乾比重まで乾燥した材木も、置かれた環境では徐々に湿気が含み、加工工程から完成以後まで、支障がでる可能性があります。

      現実的にはなかなか難しいのかもしれませんが、最善の方法をお考えください。

  • 返信ありがとうございます。
    やはりいかなる加工をするにしても、ここがしっかりしていないと狂ってしまうわけですから、かんたんに済ませてしまってはいけませんね。
    杉山さんの言葉で改修に関して一歩踏み込めました。
    材料屋の隣に工房があればいいなぁ笑

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.