工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

高速道・1,000円走り放題って

行楽の季節が訪れようとしているが、これに先んじてこの週末にも長距離ドライブを楽しむ人が高速道路に殺到しそうな雰囲気だね。
既にこの先週末、東京湾アクアラインと本州四国連絡高速道路で通行料金「上限1,000円」が先行スタートしたことで話題沸騰。
首都高、大阪圏などを通過する場合は実施が遅れるようだが、全国の高速道路が休日1,000円で乗り放題(ETC割引制度)が28日から本格実施とのこと。
ボクは恐らくは暫くは利用することはないだろうと思う。
混雑渋滞するところを走るのはやだからね。
いや混雑よりも何よりも、こうした道路行政、あるいはこの時期の施行ということに様々な思いが交錯する。
「高速道路有効活用・機能強化に関する計画(案)」(独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構と、高速道路6社により08/01/16発表)を受け、2010年度までの2年間に「生活対策」の目玉として行うとした割引制度だが、08年第2次補正予算に盛り込まれ、「1,000円走り放題」が実現するというもの。
その財源は2兆円規模の定額給付金と同じく「埋蔵金」とやらからとも言われているが、要するに道路特定財源(来年度に一般財源化)からのものであろう。


ボクが使う高速道と言えば東名高速道だが、太平洋ベルト地帯を東西に走る最もトラフィックの激しいところで、とっくの大昔にに建設費用の償還など終えているところだ。
本来の道路建設と建設費用のユーザー負担の関係から考えればとっくの昔に0円になっていても不思議ではない。しかし全く活用状況を省みない道路族とやらがクマがのんびり闊歩するような高速道を建設していて、この建設費用の負担に回すためということで、相も変わらず高額な利用料を払い続けている。
欧州でも、北米でも高速道の利用は無料が基本。
「1,000円走り放題」に浮かれるほど、お気楽にはなれるはずもない。
それだけの財源があるなら一部のサンデードライバーに還元するのではなく、高速利用料金そのものを恒久的に見直すなりした方がよほど経済対策になる。
もっと言えば、地球温暖化問題があらゆる領域において喫緊の課題になっているというのに、ガソリンばらまきを招くような高速道解放への大盤振る舞いは時代の要請に真っ向から刃向かうものだろう。
本来であれば国家プロジェクトとしての新エネルギー開発であるとか、道路関連の直接的寄与としての電気自動車の開発投資とか、いくらでも次の時代へ向けての有益な投資先があるだろう。
二酸化炭素ガスとして大気中に消え去り、より環境を悪化させる元凶に5,000億円もの財源を充てることの意味は一体どこにあるのか。
ただひとつ、秋までに間違いなくやってくる衆院総選挙へ向けての与党自民党の人気取りの愚策としてしか理解し得ないもの。
2兆円規模の定額給付金と同じ構図。
このばらまき定額給付金、居住地の自治体では4月にも登録申請して翌月にも給付という手筈だそうだが、ボクももらってやろう。
それはそのまま平和・人権運動の団体、およびアムネスティー日本支部にでも横流ししちゃおうと考えている。

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