電動工具における集塵システム(Festoolルーターの場合)
木工機械のそのほとんどは集塵できるようにしているものの、電動工具においてはそれまであまり関心を持ってこなかったが、Festool社のDomino、あるいはハンドルーター「OF 1400」を導入してからというもの、その快適さには少なからぬ恩恵を被っている。
ボクは呼吸器疾患を持っているので、よりシビヤに感じてしまうこともあるが、おが屑が環境に排出されないというのは様々な利点がある。
ダストの人体への侵入を阻むということはもちろんだが、工場の汚れも押さえられる。
それとその電動工具の作業性そのものにも良い効果がある。
電動工具の機種によって様々だが、切削などにおいてダストが障害になることもあるだろうし、ハンドルーターなどでは切削の状況の視認が大いに改善される。
Dominoでは集塵されないとその切削能力は明らかにダストに阻害され、本来の能力が発揮できないことはその切削機構から明らかだ。
それまで関心を持たなかったことで導入へのインセンティヴを持ち得なかったうちが電動工具用の集塵機を購入したのは、このDomino導入がきっかけだった。
あるいはハンドルーターでアリ溝を掘る作業のような場合、集塵されていないとダストに覆われた状態では端末位置のスミが見えないだろう。
恐らくはこれ以外にも様々な場面で集塵システムがもたらす効用が認められるのではないだろうか。
さて画像は2,400mmの甲板の木口をカットしているところ。
通常であれば横切り盤で行うところだが、あまりに大きすぎて大変。
そこでハンドルーターにストレート刃を付けて切削しているの図である。
ここは機械場ではないのであまり汚したくはない。
そこで集塵するのだが、アリ溝などと異なり、オープンな木口への切削であるため集塵は困難と考えられるかも知れないが、これが何とほぼ9割ほどの効率で集塵ができる。
これは標準のアタッチメントである「Chip Catcher」の成せる技である。
最初見たときはこんなものどの程度効果があるのか?と疑問であったが、予想に反し大いに効果が認められた。
なおこの「Chip Catcher」、およびホースアダプターいずれも工具不要のワンタッチでの装填が可能。
以前 OF 1400 についての解説でも詳しく触れてきたところだが、Festool社の電動工具に共通に見られるこのようなツールレスでのアタッチメント装填、解放の自由さというものは大いに評価されて良いだろう。
このあたりのシステムについてはメーカーの米国サイトをご覧いただいた方が判りやすいかもしれない(こちら)。
こうした使用方法を考えれば、このメーカーの得意とするところのガイドレールシステムも導入すべきかも知れないな。