工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

夢と現(うつつ)の距離

日曜日なので、ということでもないが、ちょっと夢のある?話しでも。
いえ、今日の夢は「政権交代」などというような大層な夢などではなく(大言壮語ではなく、実現間近であることは必至ではありますが)、寝床での夢うつつ(うつつ ≒ 現)の効用について。
木工への道に進み、修行時代から、工房を構え、日々精進を重ねつつ、力量ををため込めつつあったころ、床に着けば、まだ身体が木工職人のそれとして鍛えられていない段階の症状、腕のしびれが寝付くのを阻害し、あるいは過度な疲労で暁を覚えないという頃のことだが、床に着くという状況は、実は単に休息を摂り、翌日へ向けての心身の再生を図るということ留まらない、有用な意味があった。
翌日の加工プロセスを夢うつつにシュミレーションするのが意識外での日課だったのだ。
無論、仕事を終え、食事を摂り、デスクを前にし翌日の業務プロセスを構想することは日課であった。
しかしここでの夢うつつでのシュミレーションというのは、これとは異なり、まさに日常から放たれ、床に着くという特殊な状況下での話しだ。
さして意識している積もりではないのだが、しかし脳髄のある部位では翌日の加工プロセスであったり、懸案の事柄の解を求めて実はフル稼働しているというのが実態であるようなのだった。
つまり、デスクを前にして最善の手法を編み出している積もりであったが、実は夢うつつの状況下にある特異な環境での思考の方がより良質で、クールな手法を編み出すということが少なくない数で体験するということがあった。
これは一体何を意味するのか。
覚醒時にあるボクの脳髄の働きは凡庸で、レム睡眠のような状況下の方が、より高度な分析力、洞察力を産み出す力を発揮しうる、というこの現実は、どのように理解すればよいのだろうか。
なぜこんなことを思い出したのかと言えば、最近もそうしたことが比較的頻繁に起きるから。
つまり日常のありふれた事象の1つとなっていることについて、あらためてその本質を考えているということだ。
若い頃、フロイトについて学習したこともあったが、こうした有用な夢と現の間というものを、少しまじめにあらためて考えてみようかと思う。
この腐朽する日本で「政権交代」というものが指呼の間にたぐり寄せられているという、ちょっと昔では夢のような話しさえ現実味を帯びてきたことを考えれば、意外と夢と現実というものは、実は交錯しながら現れてくるものなのだろうか。
いや、この社会事象というものは、やはり「ミネルバのフクロウ」の格言のように、機が熟さねば現実化はしないというのが、真理であろう。
一方業務において、より高度な解を編み出すことを夢うつつの状況下に求めようと考えるならば、それはやはり、どれだけ対象に肉薄しているのか、ということに尽きるというのが、凡庸な頭脳のボクの理解ということになるだろうね。

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  • 巷では各党のマニュフェストを巡って論争というか
    足の引っ張り合いが続いていますが、今回、政権交代が
    もしあるとしても、それはマニュフェストの優劣などと
    いう内容の濃いものではないような気がしています。
    つまり、今の閉塞した状態を、どう転んでも良いから
    一度ガラガラポンしてみたい、という感じだと私などは
    思います。
    何か変化のみを願っているような気がします。
    本当はそれでは、いけないんでしょうけれども。
    会社の営業マンが仕事が忙しい時、こんな事を言っていました。
    夢の中に仕事の段取りをしている自分が出て来るのだ
    そうですが、時々、その段取りが夢だったのか現実
    だったのか分からなくなってしまうことがあるそうです。
    その時は笑い話で済んでしまいましたが、それくらい
    仕事に集中できれば、きっと良い物が出来るに
    違いありませんね。

  • acanthogobiusさん、
    > 一度ガラガラポンしてみたい、という感じ
    という見立ては、ほぼ皆さん共通したものでしょうね。
    一政治党派が未来永劫であるかのように政権に居座るという“異常さ”は正さねばなりません。
    民主党は責任政党として未熟だ、などという墨守の抵抗の仕方は無内容。
    交代することでしか見えてこない不正な権力行使というものは膨大なものがあるでしょう。
    ご同僚の夢のお話し、とても興味深いですね。
    そういう社員が生き生きと働く貴社というものは、さぞ良い会社なのだろうと思えてきます。

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