工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

CLARO センターテーブル(追記:脚部)

センターテーブル脚部1
〈承前〉
先にこの「CLARO センターテーブル」の構成を記述してきたところだが(こちら)、画像とともに少し詳しく紹介してみる。
画像は加工途上のものだが、脚部の構成、デザイン・仕口が良く見て取れるものと思う。
(天板と接合される「送り寄せ蟻 吸付桟」部分は加工途上であるが)
畳ズリは先述したように台形+かまぼこ面、という形状であるために、貫との仕口は相欠きとし、ノックダウンでもあるので、底からボルト締め。
吸付桟と上の貫は、下の相欠きとの関係もあり蟻ほぞとする。
(同一方向移動での納まり、蟻ほぞは、左右吸付桟の幅を固定するには最適)
センターテーブル脚部2下の貫は全体的には円弧状に近いものであり、また木口も柔らかなラインで処理されている。
ボクは過剰な加飾を含め、デザイン過剰なものは好まない。
しかし全体のフォルムから演繹的に必要と求められるディテール部分への意識的なデザインは積極的にすべきと考えるので、面形状であったり、木口へのこうした処理は頭を悩ます(この場合、悩ます、というのは、楽しむ、ということと同義)。
そうした辺りがモノづくりにおける楽しさでもあり、また同時に丁寧で真摯な関わりの証しでもあると信じている。
(これらは“やっつけ仕事”においては不要な働きかけであり、いわばアマチュア的な志向だと言えるかも知れない)
なお、ロクロ脚は四方転びでもあり、それぞれの接合の位置関係は少し微妙になるので、正確に計算し、高精度の墨付けが求められる。

《関連すると思われる記事》

                   
    
  • これほどノックダウンの物が多いとは
    知りませんでした。
    ノックダウンであることが外からは分からない
    ですね。
    このノックダウンは運送の問題から客先で
    組み立てることを考慮してのものですか?
    それとも、保管時のスペースを考慮しての
    ものですか?
    artisanさんも木口の処理で頭を悩ますことが
    あるんですね。安心しました。(笑)

  • 「ノックダウン」の目的は様々でしょう。
    ご指摘の用途ももちろん重要ですし、さらには補修、再生のため、といったことも大きな目的ですね。
    うちでは一枚板の甲板を持つような高品位なものは、ほとんど何らかの手法で解体できるようにしています。
    >木口の処理
    木口を露わにするというようなことは、日本では古来より忌むものとされてきましたので、慎重にならざるを得ません。
    また木口から湿気を入れないことも重要ですので、切断面はシャープにしたいですね。

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.