工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

フリッチ、語彙としての誤りについて(お詫びと訂正)

前々回のエントリ「フリッチからはじめよ」について、このタイトルの「フリッチ」(Flitch)ですが、語彙として誤りです。
本来はコメントを寄せていただいたたいすけさんが用いた「plank」(厚板)、あるいは「塊」が適切な語彙であり、用法です。
ここで間違いについてお詫びをし、訂正させていただきます。

誤りを指摘していただいたのは、何かと教えを頂戴しているデザイナーのAさんですが、以下に指摘していただいたところを一部引用させていただきます。

Flitch: 平角材 - – – ピン角・なで角でSliced 単板・Sawed Veneer を挽く木取り材
化粧材・役もの(杢板)がとれる上等なGood quality Material ,年輪幅で製材するものでたんなる「塊」Block ではない。

実は私もたいすけさんからのコメントの「plank」にビビッときて、あちゃ、間違いだったかと思いつつ、しかし決定的な誤りとの認識に及ばず放置。

分かりやすい事例を挙げますと‥‥、例えば(これも間違いだと指摘されてしまうかもしれませんが)、
「ピーラー」と呼称される米松がありますが、あのような目の詰んだ、柾目が通ったものなどを「Flitch」と呼ぶ。ということで良いと思います。

指摘していただいた師匠からは、他にも関連する興味深い話しもありましたが、いずれあらためて別項設けて記事にしましょう。

語彙について、ややアバウト(というより誤り)なところがあり、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。以後、注意したいと思います。

《関連すると思われる記事》

                   
    
  •  たしかに語彙をとればそうかもしれません、「plank」はクレノフ氏の表現をそのまま流用しただけで、僕はにちじょうてきには使っていません。
     いわゆる「挽き角」(半製品というニュアンスを含む)をフリッチと呼ぶのは日本では当たり前になってきていますね、北米の製材屋さん、スペインのブローカーにも「フリッチ」は通用しますから日本だけではないのかもしれません。
     耳付きの板はフリッチとは呼ばず、柾挽きだけををフリッチと呼ぶかといえばそうばかりでもなく、、、皮や、辺材の本当に悪い部分を落としてしまったもの、という観念が強いように感じます。銘木という捉え方も本当に場所によってそれぞれですしね。

    • “フリッチ”ですが、これはいわゆる一定の規格に基づいた、あるいは学術的な用語というのではないですし、業界における共通認識での符牒のようなもの、と捉えれば良いのかも知れません。

      つまり、必ずしもタイトに捉えるものではなく、「平角、両耳落とし」(≒ 挽き角)であれば、そのように呼称してもよく、場合によっては、ここに品質の意味合いも含まれる、ということでしょうか。

      そういう意味では、たいすけさんの認識が正しいのだろうと思えてきましたね。
      いろいろとお騒がせしてスミマセン。

      実は私、ホンジョラスマホガニーのフリッチ材を少々在庫していまして、さてどうしたものかと
      それと先年、木曽檜の15尺フリッチ材を挽き割りました(このやり取りの中で思い出してしまいました 笑)。

  •  ホンジョラスマホガニー! 凄いですねぇ! 分止まりはいいんでしょうねぇ。
     木曽桧の15尺もそうですが、名実共に「フリッチ」ですね(笑)。
     マホガニ製材の折には是非アップして下さい。

    • ホンマモンマホガニーですが、最初に作ったのがこのテーブルセットです。
      今の国内市場では、この材種の価値を理解してもらうのは、とても難しいです。
      良い顧客が現れるまで倉庫の隅で眠ってます。

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