工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

虫害は薪へと姿を変え

今日は薪づくりで汗を流す。
早くも冬越しへ向けての準備、と言うわけではないのだが、ちょっと訳あって‥‥、
今日は長く材木屋に預けておいた鬼クルミ他、数種の材木を届けてもらった。
座布団椅子のラダー部、9分板がまとまった量で必要となったのでね。
引き上げたのは延べ2立方ほどの材積だったので、フォークリフトのある倉庫でうちのトラックに載せ替え、工房へと運び込んだ。
さぁ、大変。
鬼クルミの大半が鉄砲虫にやられていた。
カミキリムシの幼虫だね。
時季的には幼虫から蛹にかえり、成虫となって這い出す頃なのかな。
もちろん、白太は当然にも虫害を受けていることは覚悟していたし、また材木屋からも申し訳なさそうに同様のことが伝えられていた。
しかしその実態は予測をはるかに超えていた。
白太どころか、赤身までやられていた。
この薪づくりというのは、虫害部位をバンドソーで取り除いたところを薪ストーブの長さに切りそろえた、ということ。泣く泣くだね。
本来であれば広葉樹への虫害というものは、白太部分に入るというのが通例。
しかし胡桃は赤身の部分も美味しいし(?)、柔らかい。
虫もほっとかない、というワケだ。
今日はお天気も良好。屋外で作業をしていると初夏の日射しが降り注ぎ、Tシャツから除く腕も日焼けするほどだ。
と言うわけで、虫害にあった板を虫干しした。しかしこれはほとんど効果は無いという。
決定打は?
材木屋の主人曰く「木酢液」だそうだ。
さっそく入手して、噴霧、噴霧しましょ。
ところで、改めて思い知らされたね。
この胡桃板。ほとんどが30cm越える幅を持ち、赤身がバシッとした板。
こんな板、製品ではもう入手不可能。
昔は当たり前のように流通していたものなのにね。
したがって本日のartisanの顔は、喜々とにやけつ、時折虫害で半べそ、というビミョウなものであった。
明日も晴れるだろう。
虫害

《関連すると思われる記事》

                   
    
  • 不思議なもんですね。
    木酢液って炭を焼く時に出る煙を冷やすと
    出てくる液体ですよね。
    木を好んで食べる虫が木から出てくる成分に弱いなんて。
    お天気が良いというのに私は事務所で仕事です。
    こちらの方面は週末は雨のようです。とほほ。

  • 木酢液は近年、様々な用途として活用されているようですね。
    無農薬農業、園芸、あるいは土壌改良剤として、さらには健康に良いとして入浴剤としても利用されていると言われますが、化学薬品とは異なる植物由来とはいえ、必ずしも必要にして十分な研究資料が得られているものでもないようで、使用に当たっては注意も必要なようです。
    しかしシロアリ駆除、防腐効果などは確かめられているところで、これは産業としても成立しているようですね。
    これももちろん使用に当たっては濃度等、処方に従わねばなりませんね。
    acanthogobiusさんご指摘のパラドクスは、有機素材への加熱による酸化、還元が引き起こす化学変化? こんな素人の回答しかできません、悪しからず(苦笑)。

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.