拙宅では週末にほぼ1週間分の食料品を買い求めるのが日課。
野菜、果物、魚、肉、乾物、そしてもちろん欠かさないのは豆腐と納豆。(^^)
それが先週末に異変 !
行き付けのスーパーの納豆コーナーが空っぽ ??
悪い冗談だろ。
不二家のお菓子コーナーが空なのは判るとしても納豆がどうして ??
メーカー関係なく売り切れ、いや入荷無し、なんだって。
なんじゃい、こりゃ。
家人は即座に答えてくれた。TV番組の影響なのだとか。
「あるある大事典」とかいう番組で「ダイエット効果あり」という企画で納豆が取り上げられたのだそうだ。
それがこの結果。
20年ほど前からボクは植物蛋白を主体に栄養摂取するように心掛けている。
とりわけ、豆類は好物。良質なタンパク質だね。五目豆などは得意な調理（あんなもの、技など不要か　汗）。時には鶏の手羽先などを混ぜ入れて変化を出す。（八角があればなお良いね、何？そんな話はどうでも良い）
さて問題の納豆。発酵食品でもある納豆は毎昼食の食卓に上がる食品として欠かせないものだった。あまりにもありふれた食品で食膳から無くなるなどと言うことは想定外なことだょ。ありえな〜い。シンジラレナ〜イ。
TVはほとんど観ないので、どのような番組かは知らないし、納豆がどのような取り上げ方をされたのかも知らない。
結果、納豆の消費が伸びて、納豆業界が潤うのも悪くはないだろうし、肉食主体になってきている日本の食卓も本来の日本人の体質にあった食へと少し揺り戻しが来るのも良いことだろう。
喜ばしいことだ。
毎日のように食しているボクらの下へ届けられないという流通の在り方にはいささか不満が募るが、どうせ一過性のものだからさして怒りがあるわけではない。
しかし一方、今回のようにTV報道に右往左往させられる消費者の思考スタイルには大いなる疑念を呈じて差しあげねばなるまい。

TV番組企画がどのようなものであったのかは知らないが、店頭から姿を消すという今回の事態は示唆的だ。

• 企画そのものが納豆メーカーのスポンサーに依るものであったかも知れない（それはなかったようだ）
• 何かに付け健康志向がブーム（裏返せば、如何に不健康な人が多いかということでもある）のようだが、これを突く形で番組が企画され、学術的検証など無関係に一側面だけがクローズアップされ、過度にもてはやされる。
• したがって無批判に番組を信じ込まされた消費者は単一食物志向に走り、結果かえって不健康に陥る。
  何度も何度も趣向を変えて繰り返される光景だ。
• このような TVメディアの番組企画の裏には必ずと言って良いほど、食品メーカー、薬業メーカー、健康産業メーカーなどの資本が深く関わっていることはよく知られたこと。

さて、少しネットで検索したらおもしろい分析があった。
やはりと言おうか、納豆メーカー、大手販売業者が深く関わっていたことがバクロされている。
■ フジ系列　『発掘！あるある大辞典II』、放映前に内容が大手に漏洩(上）
■ フジ系列　『発掘！あるある大辞典II』、放映前に内容が大手に漏洩(下）
これも世の常であろうけれど、大手の業者だけががっぽり儲かり、零細業者が泣かされ、ボクのような普段からの愛好者がもらい泣きするという、いつものありふれた光景が、今回はあからさまに見せられた、ということになるのだろう。
納豆がスーパーの売り場から消える、というちょっと不思議な光景も、今の日本の消費の在り方、食生活のアンバランス、TV局の番組企画の在り方と、業者の関わり、消費者のTV報道への無批判な追従、といった様々な問題を炙り出してくれる格好の話題ではあった。
これもまた安寧で平和な日本の姿（表面的な、あるいはまた、腐朽した、という冠詞を付けてやらねばなるまいが…）であればありがたく受容すべきか。
せめてこうしたTV報道に惑わされ踊らされない自律した消費者でありたいと思う。
さて阪神からポスティングシステムで米大リーグ、ヤンキースと契約した井川慶投手はキャンプ入りへ向けてトレーニングを開始していると思われるが、彼の地での納豆入手だけは是非とも確保してやって貰いたい w 。
＊参照
■ 最大手「おかめ納豆」タカノフーズ(株)　サイト
■ 『発酵食品礼讃』
■ 『食の堕落と日本人』
　　　いずれも東京農大、小泉 武夫 氏の著書

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