工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

新茶の異変(3月末の寒気でやられる)

新茶、凍霜害
今日はTシャツ1枚でなけりゃやってらんない、という陽気だった。
ソメイヨシノも人々を魅了しつくし盛りを終え、これに替わり八重桜の季節に移ろっていく頃になれば、いよいよ春本番である。
すぐそこにはサツキが自分の出番だとばかりに蕾を膨らませている。
来週になればこの辺りでは新茶のハウスものの極早生(ごくわせ)品種の摘み取りが始まり、やがてゴールデンウィークの頃にはここら一帯でせわしく茶農家が走り回り、一番茶摘み取りの最盛期となる(はず)。
だがそうした光景も今年は一変しそう。
茶農家は顔色を失い、地域経済に暗雲が漂い始めている。
先週末に地域総動員での“川ざらい”(田植え前の用水路の清掃活動)があったが、恥ずかしながらそこで初めてお茶畑の異変に気づいた。
本来であればエメラルドグリーン様の薄緑色をした、光輝くばかりの新芽が付いているはずのお茶の木の表面だが、何と、一面、黒変している。
正しくは赤褐色というべきだろうが、黒変と形容したくなる。
ほとんど全ての茶畑がやられていた。
既に全国放送のニュースでも触れられていたので知られていると思うが、先月末の記録的な寒気の到来で凍霜害(とうそうがい)を受けたことによるものだ。
あの時は県東部では大雪で、うちの薪ストーブにも久々に火が入るという3月末としては記録的な寒気が襲ったのだが、県内の茶畑のうち、約65%が被害を受けたという。
今年は暖冬で推移し、葉が開き始めるのがやや早く、その一番寒さに弱い時期に冷え込みが重なったというわけだ。
全国でも一大生産地であるこの地域ではお茶で経済が回っているような側面もあり、行く先々でこのことが話題となり、皆が顔を曇らせる。
自然災害とはいえ、このような異変を前に人は為す術もなく堪え忍ぶだけ。
一番茶は諦めるとして、次に芽生える新芽の成長に期待するしかないだろう。
茶農家の嘆きの深さは如何ばかりのものか想像に難くないが、多くの人々が美味しい新茶を待ち望んでいるのでくさらずがんばってもらいたい。

Top 画像は牧ノ原台地に広大に広がる茶畑でのスナップ

今日のYouTubeは上原ひろみ(静岡県浜松出身)で
Green Tea Farm」(アルバム〔Brain〕所収)

《関連すると思われる記事》

                   
    
  • 日曜日は東京も暑いぐらいでした。井の頭公園で最後の桜を花見しましたが、一転今日は10度ほど下がりまして雨です。
    お茶、不作なのでしょうか。岡部から新茶の案内が来ているのですが。。。

  • kokoniさん、井の頭公園ですか。
    ボートの上からも良いでしょうね。帰路は“いせや”の焼き鳥で一杯、なんて最高です。
    こちらも暑さ、寒さが、日替わりのお天気です。
    遅ればせながら静岡県は今日、JA静岡経済連などと合同で県内一斉の茶畑の実態調査に乗り出しました。
    記事にも書きましたように牧ノ原など県中部において、早生品種の被害が大きいようです。
    調査結果の公表には少し時間が掛かるでしょう。
    岡部の農家と契約されているのですか。岡部も玉露を含め、高級な茶産地の1つですね。
    当該地の被害の詳細は不明ですが、影響が小さいことを願いたいですね。

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.