工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

早春の香しさ vs 明日は大寒、そしてold Mac

水仙工房脇の庭にふと目をやると水仙が開花している。まだ花盛りとまでは行かないが、この時季の花はありがたくさっそく玄関先の花器に生ける。
わずか数本の茎を手折っただけなのだけれど、その早春の芳香は部屋中に拡がり鼻腔をくすぐる。
明日は大寒で最も寒い時季だが、春の兆しを探しながら今暫く耐えていこう。
昨夕はJRの駅にして6つほど先で工房を構える独立前に世話になった親方のところにMacのサポートに出掛けた。
ボクとは一回りも年上の70過ぎの現役職人だが、5年ほど前からのMacユーザー。
ボクが導入に関わった訳ではない。彼の顧客であった大学講師のお古のiMacを譲り受けたものを使っていた。
これがほとほと具合が悪くなったので「どうすれば良いかねぇ〜」と話を向けられていた。
初期のiMacでMac OSXを動作させ、ゲーム、グラフィック、3D CADなどを楽しんでいたらしい。
水仙2ただしかしMacの基本的操作などほとんど無視しての無手勝流なので、屡々フリーズ、ダウンを繰り返していたとのこと。
メモリー増強、周辺機器の増設など、かなり資金投下していたようだが、初期のiMacで OSX を搭載し、しかもかなり重いソフトを動作させようというのがそもそも無理がある。
これ以上に金を掛けるならまず本体の更新を考えた方が〜、と水を向けて、手頃なものをネットで探し出してやった。


【eMac G4 1.23GHz】17インチフラットCRT、40G Ultra ATAHDD/256MB(1GBまで拡張)、コンボドライブ。
中古市場のものであるがAA評価のかなり程度の良いもの。60,000円を切った価格で入手。
本人もあまりにもすばらしいスペックで驚いていた。
あれほどまでにブレークした iMacとはいえ、 eMacと較べればその能力差は較べるまでもない。IT製品の進化は驚くべきものある。
ボクもeMacという機種がこれほどまでに“まとも”なものであったのには再認識させられた。
この製品eシリーズは元々教育現場向けの機種(educationのe)でApple社はたいした利益を考えてはいなかったのだろう(現在は製造中止)。新品価格も確か10万円前後であったはず。
さてところが、親方、セットアップと同時にこれまで使っていた訳のわからないソフトをみんな入れてしまったようだ。先に述べたようにMacの基本操作、管理が正しく理解されていないので、アプリケーションが「書類」の中に入っていたり、そのほとんどが OS 9 時代のものである、などといったことが災いし、どうも再び動きが悪くなり導入5日間でまたしても動きがオカシクなってしまったという連絡。
何とか時間を割き、昨夕に訪れ、原状確認後、初期化することにしたのだが、これに時間が掛かってしまい、初期化後、基本操作を教え、終了するまで要した時間が4時間。
Macの初期化も、機種ごとにDiskの構成が異なっていたりするので少し戸惑いもあったが、何とか無事終了。
まずは再び使える状態になったので、以後むやみやたらにサードパーティーのソフトはインストールせずに、まずはMacにバンドルされているiLifeスイートで楽しんで貰い、その過程でMac運用の基本的考え方を習得してもらうべく説得したのだが、さて問題はネット接続の是非だね。
現在のコンピューター導入設置、運用というものはあらゆるところでオンラインが前提になっている。これまで彼のiMacは オフラインでの運用であったが、これを機にネット接続をぜひとも推奨したいものの、そのことでのリスクにどこまで対応できるのかは未知数で判断が難しい。彼をよく知る若い出入りの業者は、○○さんがネットに接続するのはやっぱりよした方が…、と懸念を露わにする。
ネットリテラシーが不十分な高齢者(ボクも同類なのでこの懸念から免れない?のだろうが 汗)のネット接続の問題は、確かに少し深刻であるかも知れない。
まずはネット接続していないためにダウンロードできないプリンタードライバーをCD/Rに焼いて届けることはしてさしあげねばなるまい。
この世代で業務に直接関係のないところでコンピューターを楽しむ、という人は決して多くはないだろうと思う。
この親方、まだまだ仕事の能力も衰えるどころか、ますます旺盛に取り組んでいるが、その衰えを知らない若さがMac使いへと駆り立てるのだろうか。

其のにほひ 桃より白し 水仙花  松尾芭蕉

明日は大寒。まだまだ寒い日が続く。春の兆しを愛でながら、お彼岸までもう少し。
画像の花器は作者不明、備前焼き
画像はそれぞれクリックで拡大

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  • >この親方、(略)その衰えを知らない若さがMac使いへと駆り立てるのだろうか。
        Mac使いとは俺のことかと親方言ひ
    水仙の花が咲きましたね。
        其のにほひ桃より白し水仙花
    はせをって、「より白し」という言い方が好きだね。
        石山の石より白し秋の風
                    はせを
    ところで、水仙の花の写真、玄関先への光の当たり具合から、おそらく午前中の撮影ですね。
    惜しむらくは、肝心の花が陰に入ってしまっていて、冴えない。できれば、午後、もっと日がまわって花に十分光がさしてからのほうが、よかったのかなあ。
        いつのまに蝋梅咲きて出勤す
                     まさとし

  • 写真は「光」、ですよね。
    人間の眼は瞬時に的確に修正、補正しますが、カメラはそうはいきません。
    もっとまじめに取り組みましょうね。

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