工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

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画像中心に紹介しましょう。

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ところで、百貨店の過酷な過乾燥環境下による反り、収縮の問題は覚悟していたものの、いささか頭を抱え込んでいるところです。

matsuzakaya1603c拭漆のキャビネット《櫃》は、当初、会期末までご覧いただくべく展示しておく予定でしたが、ご購入いただいた翌日、トラブルを避ける意味もありさっそく搬出してしまいました。

少し寂しくなりましたが、もう1台、新作の李朝棚がありますので、会場レイアウトは良好に維持されてはいると思います。

ところで会場ですが、以前は松坂屋名古屋店・南館に美術フロアがあったのですが、ヨドバシカメラの店舗展開の煽りを受け、本館の8階に移動。

そのためもあり、客の流れがなかなか戻ってこないようです。
加え、画廊の位置とは少し離れたイベントスペースということで、戸惑いもあるようです。


matsuzakaya1603a百貨店での展覧会の良さというのは、客層との親和性、マッチングにあるわけですが、確かに見る目を持った人も多く、ハンドメイドならではの価格帯への理解もあり、作品性への勝負で展示することができますので、ありがたく思うのも確かです。

一方、照明設備をはじめ、展示環境のコントロールとなると、なかなか自由が利かず、作品性の訴求にも限界があります。
俗に言えば、安っぽく見えてしまう。

このあたりをどうクリアするかがポイントになりますが、生け花などでイメージアップさせたりと、試行錯誤ですね。


matsuzakaya1603bなお、会場へのアクセスですが、冒頭記したように、やや分かりにくい位置にあります。
もっとも分かりやすいアクセスは以下の通りです。(フロアレイアウト上でのアクセスを示します。PDF:540KB adobe readerアイコン

1階からはエレベーターの5号、6号で上がっていただくのが良いでしょう。
エレベーター8階で降りると、正面右が会場です。

このエレベーター、5、6号機の位置ですが、Cartierの店舗、南側にあります。

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画像 (上から)

  1. 〈ラウンドテーブル〉と黄梅(オウバイ)
  2. 〈会場点景〉、手前左のセンターテーブルはClaro Walnut
  3. 〈櫃〉と木五倍子(キブシ)
  4. 〈座布団椅子〉と、〈フロアスタンド〉
    座布団椅子は今回、掛け心地追求のため、背部の傾斜角、座高、アーム高などを中心に、かなり改造を施しました。
  5. 〈ブラックウォールナット李朝棚〉扉と引き出し前板はClaro Walnutです。接ぎ木の痕跡を留めています
  6. 〈共同開催の椅子展〉

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  • 百貨店の過乾燥、怖いですね。開催期間も長期に及びますから、終了後どこまで回復してくれるでしょうか。
    以前、栄の某カルチャーセンター(7階)に文机を1年以上展示していたのですが、蟻桟はスカスカになってしまいました。持ち帰って3ヶ月後に回復はしましたが。
    会場の担当者に湿度を尋ねたところ、暖房をしている冬季では5%とのこと。カリフォルニアの湿度と同程度ですね。材を持ち込んで乾燥させたいなぁ、などと思ったものです。
    お尋ねしたいと思ってはいるのですが、まだ未定です。
    『櫃』売れちゃいましたか‥‥今一度、拝見したかった作品でした。残念!いえいえ良かったですね!

    • 制作するにあたっては、良く乾燥した材料で作ってはいるのですが、工房に置いておくだけで、少し戻ってしまうようですね。

      ウィンザーチェアなど、脚部の丸ホゾなど、ガタがくるほどに緩むこともありますが、
      これは枘部位を赤外線で締め、加工に掛かることは必須ですね。

      他では、加工直前、再度 除湿するなどして臨むことも、場合によっては考えねばならないかもしれません。
      廃車軽トラのアルミバンを外し、除湿器装着するなんて、どうでしょうかね。

      』、また作りたいとは思うものの、使用した、古木の風格のあるミズナラは使い切ってしまい無くなりましたので、難しいですね。
      木工は、やはり材料ありきです。つくづく思い知らされます。

  • 前回の松坂屋の展示会は2010年でしたか?
    午後から会社を抜け出して、東京からお邪魔したのを覚えています。
    その時も過乾燥には苦労されているようでした。
    今は中々自由な時間が取れず、拝見することができません。
    杉山さんの作品ですので、成功は間違いない所ですが、ご検討を
    お祈りいたします。

    • そうでしたね。黒い鞄を抱え、ネクタイ姿でした。
      確か、事前にお話しされていらっしゃったものの、まさか本当に新幹線で名古屋くんだりまで来られるとは、びっくりしましたよ。

      今はお忙しいようですが、
      お仕事充実されていらっしゃるようであれば、良いじゃありませんか。

      ・・・あの時は大怪我をした直後の個展企画ということもあり、
      リハビリ水準を超えたハードワークで臨んだことでもあり、忘れがたいものがありますよ。

      またいずれお目に掛かることもあるでしょうから、その際には楽しい木工話をお聴かせください。

  • ロクタル先生 
    ちゃんと
    食べて
    元気

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