工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

『室内』最終号から

室内3gatugou『室内』3月号が週明けに届いていた。<休刊>前の最終号になる。
通常のものと異なりずいぶんと分厚い。
内容は工作社Webサイトに目次があるのでご覧いただくとして、連載ものは通常のように掲載され、最終号として【『室内』まるごと50年】という特集が来ている。
それまで深い関わりのあった投稿者、関係者らからのコメント、他「今さら聞けない家具の基礎知識」をもう一度、などといった回想的記事がある。
「50年分をこの一冊に」と謳っているだけあって、アーカイブ記事のエッセンスを集めたものもあり、比較的新しい読者にはおもしろいかも知れない。やや総花的ではあるけれど。
ただ少し期待していた編集兼発行人からの「休刊へのいきさつ、その理由」などに関わるような記事はなかった。(期待そのものが間違っていた、ということか)
あえてそうしたことを推察させる記事を探すとすれば、「安部譲二 本誌編集兼発行人を叱る !?」という対談、あるいは「石山修武とアブナイ仲間たち」のコラムからということになるだろうが、しかし凡夫だから読みとれないのか、本誌への投稿であれば当然にもその本質に迫ることは出来るわけがないか、との解読をするしかなかった。
「籔の中」 ?!。
さて、いくつかの記事を拾い読みして感じるのは、連載執筆者であるとか、広告クライアントらによる「休刊」への少なからぬ衝撃がここかしこににじみ出ているものが多いと言うことだ。
彼らにとってはボクたち読者などとは異なる次元での深い喪失感があるのだろう。
それだけ唐突であり、関係者にとってのこの雑誌の存在感は大きかったという証左でもあろう。
工作社の編集、営業、少数精鋭のスタッフには休刊が決まってこの1月間、めまぐるしい日々であったことだろう。さらなる残務処理もあれば自身の新たな職場の開拓もあるだろう。
皆さんにはこれまでの発刊のご苦労に感謝したいと思う。
またインテリア、家具のメディア世界で登場されることを期待して、「お疲れさまでした」
PS:草葉の陰から山本夏彦氏がどのような感慨を発せられているかは聞かずにおこう。

《関連すると思われる記事》

                   
    

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.