工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

大阪 梅田での個展と、男の配膳

東海地方も梅雨明けというニュース。降雨量も少なく経緯しているので渇水が心配だ。
今日は大阪梅田までのトラック搬送。真夏の太陽が降り注ぐ高速道を一路、西へ西へ。
3連休の最後の休日。途中豊田JCT中心にかなりの混雑。この道路は愛知万博へのアクセス道路のためなのであるからだけど、会期終了すればトヨタ製造拠点と積出港を結ぶ道路となるようだ。
木工家具展示会への搬送態勢は、いわばその度に引っ越ししているようなもの。
重量物もあったりするので、梱包、搬送はなかなかやっかいな問題。大きな個展で自車のキャパシティーを越えたりすれば運送手配することになるが、自車に積み込むことのできるキャパシティーだと、いつも自身が運ぶことにしている。
そのほうが安心なので、完全梱包態勢でなくとも凌げる。
傷の心配もなく軽く簡便にコンパクトに持ち運ぶことのできる染織業などであれば良かったのに、などといまさら悔いても仕方ない。
昨夜までの準備態勢も大変だった。ここ数日は半徹夜状態で、制作、書類の準備、関係先との調整等々での大童。
明日からの展示会ではこれまでの疲れを癒す日々に費やしたいと思うが、なかなかそうもいかず慣れない異郷でのホテル暮らしと接客。普段の制作の日々とは全く異なったリズム、環境での非日常が続く。
今回の梅田阪急での展示会は、阪急百貨店の「クリスタルサロン」会員対象のものなので、招待状を提示しないと入場できない。もし読者で観覧希望があれば事前にメールでもいただければ対応させていただきたいと思う。

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Google maps

Googleは昨日14日から、先に紹介したGooge Mapsの活用法として地図情報検索「Googleローカル」と地域情報検索サービス「Googleマップ」を提供し始めた。
これまでは衛星写真での詳細地図の提供のみであったが、ゼンリンの地図データとの提携で米本国なみのサービス内容に近づきつつあるようだ。
今後さらに機能強化が図られていくようだ。
九州南部が梅雨明けとのことだが、「当地も実は梅雨が明けていた模様△○…」などと事後確認の梅雨明け宣言が出そうな週間予報。(台風5号のコース如何か)
車で八百屋前の街道を抜けようとしたら、何やら「おいで、おいで」するものあり。誘われて買い求め今年初体験。スイカです。
夏は枝豆にビール、そしてスイカですな

午睡の快楽

タイトルはいかにも昼行灯のごとき日常を暴露するようだが、全く逆の話し。
展示会を直前に控えて、目の回る忙しさ。
ここ10日ほど睡眠時間を削っての制作活動。残り数日老体にむち打っての奮闘が要求される。
午睡というのは、つまり昼食後の食休みのスタイルのことで、右腹を下にしてわずか10分ほどうたたねすることで、疲れた身体にもわずかに精気が戻り、午後の仕事に入れるということ。
普段昼食後には新聞のチェック、書類整理、ネットサーフィンなどで費やすが、オーバーワークが続くとその気は失せる。ひたすら疲れを癒すことに専念する。
父は現在のボクの年齢で死去しているが、それから考えてみればこれからの人生はもうけもの、というどこか冷めた意識も無くはなく、あまり無理せずに「余禄」を過ごしたいものだとも思うが、残念ながら仕事の現状を考えるとそうもいかない。
性格もあろうがあくせく、じたばた、「達観」などとは縁遠い日常には変わりはない。
この年になっても残念ながら業務に余裕など無いが、しかし長じて若い頃に較べれば仕事の勘所は良くなってきてるし、修練というものを重ねてきた実感も多少はある。
技能の上達と体力は反比例するのが常なのだろうが、何とか抗ってもうしばらくは「身体がね〜…」などと弱気になることのなきよう意欲を持ち続けよう。
先日、ある家具屋にお邪魔したとき、生年が一回り上のボクの親方の話題になり、現在もなお元気に地域では筆頭の稼ぎ頭の職人だとのことで、感心ひとしきりだった。このところさっぱり無沙汰しちゃってるので、展示会など終えたら酒でもぶら下げてあいさつに伺おう。

ひまわり畑

ひまわり
工房近くの高速道路ICに続く街道筋に咲くひまわり。
排気ガスに負けずにけなげに咲き誇っている。
ひまわり畑とは言ってもとても小規模。これでも油脂を絞るのだろうか。
むしろ街道筋の美観に寄与している感じだ。
梅雨時とはいえ今日は真夏の太陽が顔を出し、見る見る寒暖計の数値があがる。
真夏の太陽にもっともふさわしい花ですな。
ひまわりの花の向きは太陽の動きに合わせ向きを変える、といわれるが「向日葵」という名称からしてその意そのもの。しかしどうだろうか、やはり東南方向に固定しているようだ。
(撮影は今日、午後1時。やや太陽が西に傾きつつあり、逆光になっている)
映画「ひまわり」(1970 伊映画 ヴィットリオ・デ・シーカ)のタイトルバックには哀愁に満ちたサウンドトラックをバックに果てることのないひまわり畑が延々と続いていたっけ。いつになく抑制的な演技で哀しみを誘ったソフィア・ローレンも美しかったが、やはり印象的だったのがタイトルバックの映像だった。

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モエレ沼公園とイサム・ノグチ

モエレ公園
札幌市で建設が進められていたモエレ沼公園の全施設が完成したようだ。
1988年に同所を訪れたイサム・ノグチにより基本設計がなされたものだが(同年に死去。享年84才)、このほど最後の施設中央噴水「海の噴水」の通水式が7月1日に執り行われグランドオープンを迎えた。
かの彫刻家イサム・ノグチの基本設計によるもので、ずっと気になってはいたのだが「とうとう完成したのか…」という感慨を覚える。
いわば公園全体を一つの彫刻に見立てた彼の最大の作品といえるだろう。
写真のガラスのピラミッド「HIDAMARI」は園の中央施設
ぜひ早く訪ねてこの眼で見たい。モエレの山への長〜い階段を上がり頂上から全景を見てみたい。
8月末まで同市「札幌芸術の森美術館」にて「イサム・ノグチ展」も開催されているようだ。
この夏はサッポロで、ジンギスカンだ〜、いや、イサム・ノグチで決まりだ。
仕事ほったらかして行きたい。
■ イサム・ノグチ (Wiki
■ モエレ沼公園園長の山本氏が語る構想当時のイサム・ノグチ(参照
■ イサム・ノグチ庭園美術館(牟礼町)(参照

ルーターマシーンについて(その3)

本稿初回時に掲載した写真の刃物について触れてなかった。
いずれもストレート刃だが、それぞれ径が異なるものだが、共通することは替え刃であるということ。
数十年前まではこうしたルータービットもSKH(高速度鋼)が主流だったが、今ではそのほとんどは超鋼合金(UHなどと表示されることもある)、カーバイドチップだ。もっと昔は炭素工具鋼が使われていただろう。
職人によっては「ハイス(高速度鋼の通称)の方が良い、自分で研磨できるし、良く切れる」などと言う。そのような性格の差異があることは確か。
ちょっと余談だが、かなり以前から機械刃物のほとんど全てを超鋼に替えてる。
手押し鉋盤、自動一面鉋盤などは、まだまだ一般には高速度鋼が多く使われていると思われるが、使い勝手としては圧倒的に超鋼の方が刃持ちが良い。刃こぼれしにくい。
価格は倍以上するし、研磨コストも同様に高い。しかしそれ以上の価値を認めることが出来る。

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ラーメン1食の関係性

今日、当地ははうだるような暑さだった。
街に所用で出掛けたついでに床屋に寄ってさっぱりしてきた。
「真夏バージョンでお願いしま〜す」とバーバーチェアに腰掛けた。
チョウ短くカット。
今日のところもそうだが、昨年から低料金の店舗に通うようになった。1,900円。
それまでは居住地域の個人の床屋だった。10年以上の付き合い。料金3,900円。
あることをきっかけとして替えちゃった。
ここで記述するようなたいした理由でもないのだが、サービスが悪くなってきていたということ。
そもそも予約制で事前に電話を入れて時間を決めるので、いつもその時間に行けばすぐ始めてくれた。しかしある時、その時間にいってもずいぶんと待たされ、それについては何らの説明もない。これが2度続いた。
この店舗オープン仕立ての頃はとてもサービスも良く、内容も充実していた。これが徐々に慣れてきたのか、1つ、また1つと簡略化されるようになってきていた。
ここが潮時かと10数年の付き合いをばっさりとやめた。

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椅子展 / 山の上ギャラリー【Gallery Talk】

今日は来週16日からスタートする横浜、鎌倉は「山の上ギャラリー」での「椅子展」に出品する作品の展示設営のために出向ドライブ。
このギャラリーでお世話になるのは初めてのこと。この椅子展は昨年から催されているもので今年は2回目になるが、今年から縁があって参加させていただくことになった。
このギャラリーは地元の料理屋「九つ井」(ここのついど)が経営されているものだが、施設は地元鎌倉の古民家を移築したものだそうで、豪壮な建築に趣がある。
ギャラリーとしての本格的な運営をスタートさせたのは比較的最近ということだ。
美味しい和食に舌鼓を打ちながら、ギャラリーで美術品、工芸品を鑑賞する。ちょっと贅沢な気分を味わうことのできるスポットのようで、地元の方々はもちろん、広く知られるようになってきているらしい。
ボクがここを知ったのは昨年のこの椅子展に知人の木工家が出品しているということを別の展示会でご一緒させていただいた鎌倉のある染織家に聞いたことからだった。
「へ〜ぇ、鎌倉にはおもしろそうなギャラリーがあるんだね・・」と興味を持っていたのだったが、翌年まさか自分が参加者の末席を汚そうとは思いもしなかった。

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椅子の試し方文化

撫子
椅子の善し悪し、品質の基準というものはいくつもあろうが、やはり他の家具と違って座り心地という要素が重要で人体が触れてみなければ解らない。
展示会などに出品する椅子はその座り心地の品質を理解してもらうために積極的に座ってもらうように誘導する。
さて、過日ある椅子の公募展に入選した椅子が展示終了で戻ってきた。全国巡回してほぼ18ヶ月になるだろうか。
多くの方々のお尻に座られてさぞ嬉しかっただろうと思う。椅子の方が照れるような美女もいただろうし、野獣に座られ喘いだかもしれない。
したがって多くの傷が付いて帰ってくることは覚悟していた。もしかしたらホゾが緩んでいるかもしれない(エアコンが効いた会場という過酷な環境で長く晒されたということからして)という不安もあった。
結果、ホゾのゆるみは全くなかったし、座板部分などにはむしろツヤが出て(多くのお尻で磨いてくれたため?)良い感じになっていた。
大きな破損が無く戻ってきたことはありがたい。展示会場の関係者の配慮には感謝したいと思う。
ただやはり小さなものだが多くのキズが付いていた。
キズは座板部分を除けば、背の帯(オビ)部分(背もたれの下部の貫のこと)がかなりのダメージを受けていた。

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ルーターマシーンについて(その2)


昨日に引き続いてルーターマシーンについて
2,汎用性が高い
・木工機械はそれ自体単機能のものもあれば複機能のものあるが、単機能のものでも使い方によっては様々な使用方法を得られるものだ。
ルーターの場合、昨日も冒頭に書いたように成形加工、せん孔、切り抜き、大入れ、座繰り、彫刻と様々な切削加工に用いることが出来る。
これはルーターマシーン、ハンドルーター双方に言える。
しかし、一般的にいずれの加工にあってもルーターマシーンのほうが切削性能は高いと言えるだろう(被加工物がルーターマシーン上で操作できないような大きさのもので無い限り)。
・例えば「成形加工」を考えてみた場合、ハンドルーターでのその作業は生産性は全く悪いだろう。また切削量が多いとどうしても危険性は高くなるものだ。ルーターマシーンではジグさえ適切に作成、使用すれば安全に進めることが出来る。
これは「切り抜き」作業においても同様だ。
・また基本的な作業スタイルのことからもこの汎用性が高いことが言える。
そもそも切削機械を動かすのか、あるいは逆に被加工物を動かすのか、の違いというものは大きいのではないだろうか。
切削肌の滑らかさ、安定的切削というものはやはり作業スタイルの安定性ということの要素に起因することが大きいだろう。

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