工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

午睡の快楽

タイトルはいかにも昼行灯のごとき日常を暴露するようだが、全く逆の話し。
展示会を直前に控えて、目の回る忙しさ。
ここ10日ほど睡眠時間を削っての制作活動。残り数日老体にむち打っての奮闘が要求される。
午睡というのは、つまり昼食後の食休みのスタイルのことで、右腹を下にしてわずか10分ほどうたたねすることで、疲れた身体にもわずかに精気が戻り、午後の仕事に入れるということ。
普段昼食後には新聞のチェック、書類整理、ネットサーフィンなどで費やすが、オーバーワークが続くとその気は失せる。ひたすら疲れを癒すことに専念する。
父は現在のボクの年齢で死去しているが、それから考えてみればこれからの人生はもうけもの、というどこか冷めた意識も無くはなく、あまり無理せずに「余禄」を過ごしたいものだとも思うが、残念ながら仕事の現状を考えるとそうもいかない。
性格もあろうがあくせく、じたばた、「達観」などとは縁遠い日常には変わりはない。
この年になっても残念ながら業務に余裕など無いが、しかし長じて若い頃に較べれば仕事の勘所は良くなってきてるし、修練というものを重ねてきた実感も多少はある。
技能の上達と体力は反比例するのが常なのだろうが、何とか抗ってもうしばらくは「身体がね〜…」などと弱気になることのなきよう意欲を持ち続けよう。
先日、ある家具屋にお邪魔したとき、生年が一回り上のボクの親方の話題になり、現在もなお元気に地域では筆頭の稼ぎ頭の職人だとのことで、感心ひとしきりだった。このところさっぱり無沙汰しちゃってるので、展示会など終えたら酒でもぶら下げてあいさつに伺おう。

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