工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

葬送行進曲を

この夏の異様な暑さについては気象庁を中心として分析が行われているようで、いずれまたエルニーニョ、ラニーニャなどといった専門用語が飛び交うようになるのだろうが、ボクにとっては(最近ではボクテキニハ‥‥、などと言った気色の悪い言い方があるが、あれはどうなん?苦笑)暑く、げんなりさせられた要因はもっと他にあった。
ここ数週間にわたる民主党の代表選、そしてその報道ぶりのこと。

TVをつければ不自然な笑いを振りまく代表戦候補者、二人が握手するシーンでは目を合わさずに作り笑い。
共同記者会見場では隣に座った相手へのあからさまなネガティブスピーチ。
新聞を開けば、候補者への一方的な断罪、パッシングの嵐。
何だ、俺は三流タブロイド紙でも取っていたのか、と愕然とする。

政治記者も、識者と言われるTV芸者もそれぞれの候補者の政策の解説、評論はそっちのけで、耳にタコができるほどに聞き飽きた「政治とカネ」問題、下ネタスキャンダルへの焦点化での政治ショー。

まあ、結果はご存じの通りで、まだ残暑厳しいお彼岸前なのに、悪寒をもよおすものとなった。

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成形加工における治具づくり、1つの考え方(補記1)

倣い成形に用いる刃物を紹介しよう。
もちろんこれはうちの機械環境(ピンルーター、および高速面取盤)において、という限定的なものであるが、とりあえずは基本的なものを取り揃えていると考えていただいて結構だろう。

画像の順にいこう。

ルーター刃

倣い切削に用いられるルーターの刃

うちのピンルーター(ルーターマシン)はチャックが1/2インチ、12mm、16mmのつ3のサイズに対応する(もちろんスリーブを介せば 8mm、1/4インチ、6mmなどにも対応)。

倣い切削の場合、できるだけ大きな径のビットが安定的、安全に、かつ良好な切削肌を獲得することができるものだが、ルーターマシンの構造上(回転数を含む)当然にも限界がある。

かつてドイツ製の50φほどのものを購入しようとしたことがあったのだが、メーカーサイドから危険だからと拒否されたことがあった。
ここでの“危険”という注意勧告だが、間違ってはいけない。作業者にとって危険ということではなく、マシンそのものの性能を超える負荷への懸念だ。
もちろんこれは作業者に及ぶことも考えられるので、避けるというのが賢明。
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成形加工における治具づくり、1つの考え方(3)

サンプル


今朝はこのところ忘れかけていた快適な目覚めだった。
朝食時、寒暖計を見やれば25℃。
日中は晴れ上がり気温も上昇したものの凌ぎやすく、秋の本格的な到来を思わせた。
来週はもう秋分と聞けばこれも当然ではあり遅きに過ぎたというべきか。
もう秋は来ないのかと思わされるほどの長い夏だったからね。

さて、治具つくり、4回目となるが、一応はこれで終わりとする。
日を置くことなく、うちで作ってきた倣い成形のサンプル、および倣い成形に使われる刃物などを補記として、紹介したいとも考えている。
なお、これは言うまでもなく倣い成形の1つのケースに限定しての解説でしかない。
しかし治具つくりを考えていく時に求められる基本的な要件については活用できるところも少なくないと考えている。

さて、これまで家具制作における倣い成形の基本的な考え方、その型板作りの基本、および、固定するためのクランプの事などを記述してきたところだが、最後になる今回はこの型板を倣い成形の治具としてまとめあげる段階について考えていく。

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〈Wバークランプ、倣い成形治具〉
完成形は画像のようなものになる。

この場合の被加工材は床接地面の底が基準面になる(対する上はまだカットしていなかった。甲板の厚みが未定であったため)。
残り左右の2面をこの型板で倣い成形することになる。
以下、順を追って解説する。

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iOS4.0とAR.DroneとDominoと暴走特捜

ところで皆さんのiPhoneの調子はどうですか。
今日は iPhoneネタでいきます。

数日前 iOSがバージョンアップ(iOS 4.1)。
カメラ撮影では白飛び、黒つぶれも解消されるというHigh dynamic range (HDR)という機能が搭載され、ますます使い勝手が向上している。
アンダー、オーバーを含む3つの異なる露出で連続撮影され、それらを合成させることでダイナミックレンジを向上させているのだが、実写では明らかに効果が認められる。
これまではレベル補正などのレタッチ作業が必須だったが、もう元画像だけで十分。
これって他のケータイ、デジカメなどにも搭載されつつあるのだろうか?

iOS 4.1では他にもいろいろあるがめんどうなので省略。

例のアンテナ問題への対応策としての無償で配布されるケースも想定を超えて早めに届いたしね。(昨日、この「iPhone 4ケースプログラム」は今月末で終了させることをあらためて発表した。ま、要するに騒がれるほどには大層な問題では無かったとの判断)

そんな中、iPhone操作で遊べるラジコンヘリがいよいよ発売の運びとなったようだ。(AR.Drone

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成形加工における治具づくり、1つの考え方(その2)

くらんぷ1

型板のベースができれば、次は被加工材の固定のための機構を作る。
まずはじめに固定の方法(クランピング)について概観しておきたい。
うちでは概ね以下の3つのタイプのもので使い分けている。
・庄田ルータークランプ
・トグルクランプ
・Wバークランプ

〈ルータークランプ〉
このルータークランプは、木工機械(+木工刃物)メーカーの庄田鉄工のオリジナルなものである。
画像のようにオリジナルとは言っても複雑な機構を持つものではなく、とてもシンプルなものだ。
またシンプルなだけにその信頼性は高い。
庄田鉄工がこのようなものを製造したのは、他でもなくピンルーターおよび高速面取盤の製造においてはTopシェアを持つという背景があったのではと考えられるが、いかにも鉄工メーカーならではのごっつい鋳鉄製であるところにその信頼性の証しがある。

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成形加工における治具づくり、1つの考え方(その1)

【 jig → 治具 】
治具の話しであるが、この「治具」という単語は〈jig〉からの当て字であることは良く知られているが、いかにも日本の言語文化の特徴、日本語への置換が巧みな事例だと思う。
書き得て妙、といった感じだ。
一般には外来語はカタカナ表記されるところを漢字の仮借によって当てるということはよく見られる(「珈琲」「浪漫」「型録」「硝子」など)が、この「治具」はそれを超えて表意文字としてのニュアンスが強い仮借の事例だ。

余談からはじまってしまったが、モノ作りに限らず人の生業における様々なところで治具、ジグであったり、あるいはテンプレートといった道具はとても重要。

元々、このjigという言語には「切削工具を導く装置」という意味を持たせているようなのだが、本来木工加工における道具のことを指す言葉だったのだと言ってしまいたいぐらいだ。

さて、このジグ作りにおける優劣が加工精度、および生産性を大きく規定し、仕上げの品質にも関わってくることは経験的に知っている。
jigには「in jig time」という用例があるようだが、テキパキと、敏速に、という意味であるらしい。
これを使わなければのっそりとしかできないものも、良いジグを作り準備することでテキパキと進むという具合だ。
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クローズアップ現代「日本の森林が買われていく」本日放送 !

本日9月7日、NHK総合、19:30〜、
国谷裕子キャスターによる調査報道番組「クローズアップ現代」で、
「日本の森林が買われていく」というタイトルの番組があります。

〈番組内容〉
北海道で明らかになった外資による“森林買収”。
背景を追うと、林業不振で森林を手放す地主が増える一方、海外では森林がいまや国際金融商品となっている現実があった。
       (NHK Webサイトより)

■ ゲスト:遠藤日雄(鹿児島大学農学部 生物環境学科 森林管理学講座 教授)
      日本林学会、林業経済学会、東北森林科学会
* 再放送: NHK BS2:26:25〜(= 9月8日 02:25)
・・・
こういう情報は、Twitterからつぶやくのが良いのだろうな ナウ。
でもその気がナイので、こちらからでごめんなさいなう。

「30年に1回の異常気象」

異常な暑さが続いているが、気象庁による3日の記者会見での「30年に1回の異常気象」との見解はさもありなんなどと呑気に受け流すわけにはいかないものであるらしい。〈気象庁:「2010年 夏の異常気象分析検討会での検討結果の概要」

「異常気象」という定義は気象庁では「過去30年の気候に対して著しい偏りを示した天候」とし、また世界気象機関では、「平均気温や降水量が平年より著しく偏り、その偏差が25年以上に1回しか起こらない程度の大きさの現象」としていることに示されるとおり、「著しい偏り」が顕著だという認識に基づくわけだね。
今や毎年のようにゲリラ豪雨、猛暑、冷夏などの気象現象に見舞われているために、やや「異常気象」という言葉も軽んじられつつあるが、しかし今年の「異常気象」はほんまもの、ということのようだ。

地学を修めたこともないボクにはエルニーニョ、ラニーニャと言われても良く分からないが、その原因がいわゆる地球温暖化、都市化によるヒートアイランド化、森林破壊、など様々な要因が複合的に異常気象の因子を構成しているのだろうということは理解できる。
つまりそのほとんどの要因が人為的なものであるらしいということ。

またそうであれば、今後巨万の人民を擁する中国、インドなどの急速な近代化は、一層深刻な「異常気象」をもたらすだろうことも想像に難くないということになるのか。
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成形加工における治具づくり、1つの考え方(序)

長月、9月だ。
周囲の田んぼの稲穂はたわわに実り、重たそうに垂れ下がってきている。
別のところでは既に刈り取りを終え、落ち穂拾いで忙しい野鳥たちの姿もちらほら。

夜ともなれば秋の虫の鳴き声が涼を誘う。
記録的な暑さだったというこの夏の猛暑。これがいまだなお衰えを知らず続いているというところに異常さがあるが、一方での秋の兆しは、夏、秋の大気の一歩も譲らぬ綱引き合戦といったところか。

このところ運送屋に託すものではあるが、納品搬送に伴う雑務が続き慌ただしく、制作作業にはなかなか集中できない。

集中できないということでは、Blog記事の素材収集のための写真撮影なども、そうした要因のうち無視できない1つであるかもしれない。
これは己の問題なのでこうしたところで語るべき対象とは少し違うだろうから言い訳がましく語るべきものではないことは承知している。
要するに自身の立脚点と、バランスの問題だろう。
楽しく更新でき、またそれが読者に伝われば、多少の集中力を阻害するものであっても構わない、ということだ。

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さて今日は、成形加工での治具作りについて考えて見る。
これまでも何度か関連する記事を上げてきているので、既知のことだったり、繰り返しになってしまうかもしれないが、それはお目こぼしいただくこととして、たまたま加工を始めた序ででもあるので紹介してみたい。
面取り盤1

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家具用照明:ハロゲンからLED、 そしてやがては 有機ELへ?

LED照明器具
家具ではその対象により照明設備が必要となることがある。
ボクのWebサイトに納められている家具に限っても、「カップボード」「ワインバーキャビネット」、「ディスプレィフロアスタンド」などがそれにあたるが、ここ数年、いわゆる家具調仏壇を受注することも増えてきていて、これへの照明をどのように施すかは設計上蔑ろにはできない課題となっていた。

上述のカップボードなどには家具用に製造されている「ハロゲンライト」を主に使ってきていたが、家具調仏壇にはその大きさにも制約され、コンパクトな光源が望ましいと考え、これまで急速に普及しつつあるLED照明の中から適切なものを探し、その光源を扉開閉センサースイッチ、乾電池フォルダなどとアッセンブリし、取り付けてきた。

ただ必ずしも十分満足のいくものでもなく、さらなる向上を、ということで、今回家具用照明器具の専門メーカー、県内の企業でもある「株式会社ノア」からサンプルを取り寄せてみた。(家具金物で世話になっている業者の斡旋によるもの)

今回は以下の3点が提供された。
■ ガラスカバー付きLEDライト N-LED2012 画像右
■ LEDバーライト N-LED570 画像上
■ 薄型LEDライト NH-700  画像左

結論的にはその形状、サイズから NH-700を使ってみることに。
ただ白色LEDというのは、どちらかというと青白い光となるので、カバーのガラスへの着色、あるいはフィルターを被せるなどの方法で、白色灯のような暖色系の色調に改良したいと考えている。

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