工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

梅雨時の手慰み

脚
ということでもないのだが、今日はお昼頃にはスカッと晴れ間が見え、昼食後、青空を背景に花の撮影などに興じたものの、その後はまた断続的に強い雨。

まだ梅雨明けは沖縄だけ?
例年だと九州南部は、この時期には開けているところ。
もう暫くの辛抱というところか。

この時季、仕事はお休みして、梅雨のない北海道あたりに旅するのが最善か。
このBlogにLinkしているサワノちゃん、この最善のコースをひた走っている。(こちら
最善の人生には届かない木工職人は、今日もひたすら工房に詰める。
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FIFA W杯 南ア大会に感謝を(決勝戦前夜)

FIFA W杯も明日未明のオランダ vs スペイン の決勝戦を残すのみとなってしまった。
両チーム、決勝戦にふさわしいすばらしいプレイをしてくれると思う。
どちらが勝者になっても初のW杯制覇となるが、いずれも栄冠にふさわしいチームだろう。

あえて予測をすれば、やはりオランダに一分の利があるかなとは思っている。
予選リーグから負けなしの6勝でここまで勝ち進んできているし、今大会会場となった南アフリカという国の公用語の1つ、アフリカーンスはオランダ語のようなもので、オランダチームにとっては馴染みの深いところということも、4週間にもわたる長期戦を戦い抜く中で、恐らくは陰の力となって作用しているのではないのだろうか。

開会前はW杯始まって以来初のアフリカ大陸での開催ということで、南アフリカというお国柄も手伝い、治安問題などが障害になるだろうとのメディア予測もあり、確かに関係者の宿泊施設での盗難騒ぎなども伝えられたものの、概ね順調に運営されていたようでFIFA 南アフリカ組織委員会の準備と運営には敬意を表さねばならないと思っている。

決勝戦を前にして閉会式が執り行われるが、ぜひこのセレモニーの会場にネルソン・マンデラ氏の姿を見たいものだと思う。
91歳を数え、車いすの人となっているが、彼にとって恐らくは最後の晴れ舞台になるはずだった開会式には直前のひ孫の交通事故死により出席が叶わなかったという経緯だった。
言うまでもなく、この南アフリカがFIFA 2010W杯の会場に選定されたのは、誰あろう、マンデラ氏の反アパルトヘイトの闘いと、彼の旺盛なる招致活動の成果によるものであり、それを知る南アフリカ国民の誰もが出席を願っていることだろう。

FIFAにとっても反レイシズムを正面から掲げ(準々決勝、各会場でキックオフ前に「反レイシズム」宣言があった)、積極的にアピールしている姿勢からもぜひ実現してもらいたいと思う。

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♪〈死んだ男の残したものは〉

明日11日は参議院選挙、投票日。
ボクは事情があり、告示日の数日後に期日前投票を済ませている。
迷った。選挙区には投票したい候補者がいない(確か、先の衆院選でも同じようなことを言っていたっけ)。

比例区では、政党名ではなく、その政党の候補者に入れた。
与党民主党、鳩山首相がこけて、継いだ菅直人氏、一時はV字回復などと言われたのも束の間、何を勘違いしたか、突然上がったのが消費税増税のアドバルーン。
じりじりと支持率を下げるのも当然。

膨大な財政赤字を抱えた日本という現状を知らぬ人などいないが、単に負担増を忌避する選挙民というだけではない、党内議論を経てのものとも思えないその持ち出し方であるとか、ギリシャの破綻を事例に挙げ、選挙民を脅するというような、その手法に不信感が募っているのではないのか。

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トンボと「ベンチクッキー」なるもの

しおからとんぼ

九州・鹿児島ではこのところの豪雨続きで土石流の被害も出ているようだ。
この地域の方々には心からお見舞い申し上げたい。
どうも昨今、梅雨時の降雨も地域のばらつきがあるようで、九州一帯、強い雨が集中的に降り注いでいるようだ。
当地はどちらかと言えば降雨量も例年より少なく感じる。
それ自体はありがたいものの、地域によってはこれから夏にかけて渇水の懸念もあるだろう。
今日、トンボを見た。まさかとは思ったが、少年の頃、夏の終わりの時季によく見掛けたシオカラトンボのような体型と色調だったよ。
胸から尾っぽに掛けて灰白色で、複眼が深緑色。やはりどう見てもシオカラトンボ。
たまたま、今年はこれが最後かも知れないとガクアジサイを撮影しようとして、夕刻5時過ぎにカメラを持ち出し庭に出たところ、飛翔しているのを見る。
目的の被写体は花だったので望遠レンズは付けておらず、標準ズーム域での撮影となり、残念ながらちょっとピンも甘くなってしまった。
Benchcookieところで、家具金具をHÄFELEサイトで探していたところ、あるものが気になった。
Bench cookie」(和名:ベンチクッキー)というもの。
そういえば今年の年明け頃、OZONEから定期刊行されている「o-cube」という小冊子にHÄFELEのチラシが挟まれていて、そこにも新商品として紹介されていたことを思い出す。
その時は気にも停めなかったものが、別のメディアで見れば気になるといういうのも変な話しだが、さて、これはどの程度に実用性があるものなのだろうか。
つまりゴム状の滑り止めにただ自重で置くだけで、どれだけの摩擦力、グリップ力が確保されるのだろうか。
ちょっと調べるとほぼ同等と思われる商品が米国通販サイトにもあり、YouTubeに動画も置かれていた。
ボデーの色などは異なるが「名称」も同じなので、OEMなのだろう。
さほど高価なものでもなく、購入して確かめれば良いだけの話しだが、もし読者で使っていらっしゃる方がいれば、どの程度のものであるか、教えていただけるとありがたい。
メリットはいくつかあるようだが、作業台から少し浮かせられるところなどはちょっとおもしろいと思う。
*参照
HÄFELE
 「Bench cookie」画像はHÄFELE提供のPDFから頂戴しました。感謝 !
がくあじさい

大相撲という名の前近代(続)

(承前)
昨日、NHKは大相撲中継放送の取りやめを発表。(読売新聞
福地茂雄会長は改革への道筋が未だ明確でない、との弁。ただし決して制裁的な意味合いではない、としている。
一場所の放映権料が5億円、年間で30億円という金額を考えれば相撲協会にとっては経営上も影響少なからぬものがあるだろう。
一方内部留保は30億円とも言われているので、さほどの影響はないか?
NHKの決断は重いものがある。NHKも内部生え抜きの会長であれば、こうした決断には至らなかったかも知れない。
様々な不祥事への組織再生へ向けたものではあったが、外部(アサヒビール会長職)から招聘された会長だからこその英断であったとも言えるだろう。
さて、ちょっと話は変わるが、皆さんは演歌はお好きでしょうか。
ボクはほとんど聴かない。TVでうっかり流れてくると、慌ててチャンネルを変えてしまうほどのアレルギー体質。
しかし何故か、美空ひばりは好きだった。いわばボクにとっては美空ひばりは日本のDiva(歌姫)のような歌手だった。
なぜこんな話題に振ったかと言えば、彼女の歌手人生にはたびたび闇社会の陰が顔を覗かしていたことは良く知られた話しだったから。
ボクはそうした噂を知りつつも、彼女の歌声に託し戦後日本社会の苦難と、喜びを感じ取っていたものだ。
芸能界とは元々そうしたもの(暴力団との繋がり)と見なしていたからね。そこにさしたる違和感はなかったということだ。
ボクはリベラリストを自認して憚らないのだから、したがって暴力団のような存在は否定すべきとというのが合理的判断であろう。
しかし現世の日本社会に生き、よりよい未来を志向するにしても、いくつかの意味において暴力団を簡単に壊滅できるものではないとの認識に立ち、また、いわばそうした日本社会の底辺と繋がっている芸能社会であればこそ、人々の魂を揺り動かし、歓喜の世界へと誘う歌姫の存在があるというように考えている。

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大相撲という名の前近代

大相撲が名古屋場所を前に大きく揺らいでいる。
発端は大関琴光喜(今や‘元’大関という呼称となってしまったが)のプロ野球を対象とした野球賭博への関与を報ずる「週刊新潮」(5月27日号)の記事だったが、いやはや出てくるわ、出てくるわ、関与の度合いが強かったと判定された力士14名が、この名古屋場所への休場処分となってしまった。
現段階では徹底調査が行われているとはとても思えず、多くの識者からも氷山の一角だろうと言われている。
まさに大相撲の近代史にあって、最大のスキャンダルの様相を呈しているわけだが、この14名の処分というのは、ともかくも名古屋場所は開催ありきへ向けた環境整備としてのみそぎでしかないだろう。
ところでボクは朝青龍があのように石もて追われる形で角界を去った後、急速に大相撲への興味が薄れ、この度の問題も勝手にしやがれ ! という感じではあったのだが、しかしこの問題も日本の“今”を読み解く格好の材料とも思えてきて、少しく駄文を労することにした。
ここでは今回の野球賭博問題を[大相撲というものの特異性]、[野球賭博の違法性と暴力団組織]という、主にこの2つに絞って考えて見たい。
恐らくはタイトルにした「大相撲という名の前近代」というのが結語になるのだが、如何に簡明に、あるいは論理整合性を持ってこの結語へと運ぶことができるかが鍵となるが、しかし小難しい社会学の文献を紐解くことなくとも、TVモニタから伝わってくる力士の顔つき、暴力団組員と称する関係者のインタビューの内容、あるいは様々なメディア報道の視座から、十分にその異常性、特異性が顕現しており、大相撲と日本社会を読み解く格好のケーススタディーとして立ち現れていると感じられておもしろいと思っている。

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彫刻刀にも活躍の場を

彫刻刀
年賀状作成と言えばPC、Macで画像を取り込み、レイアウトし、文字を飾り、
プリンターにデータを送るという風が今様というところ。
一昔前であれば版木に下絵を貼り付け、彫刻刀でシコシコと彫り込むという工芸的所産によるものが比較的一般的だった。
中学の美術の時間などでも彫刻刀での版画作成は必須のカリキュラムであったように記憶しているが、今の教育現場はどうなのだろうか。
コンピューターを操作しての画像レタッチ、イラストレーターの操作などにシフトしているのかも知れない。
しかしやはり工芸的カリキュラムの充実というのは初等、中等教育課程においてとても重要なものだと思う。
手先を器用に動かすというのは、単にゲーム機の操作を上達させるために必要なものというのではなく、頭脳をバランスよく生育させるといった効用だったり、人が生きるにあたり、その術(すべ)を獲得、充実させることに寄与させるものだったりすると思うのだが、どうだろう。
ボクのガキの頃は、肥後の守(「ひごのかみ」と呼称される小型の折りたたみナイフ)をポケットに忍ばせ、林に入っては木を切り、竹を切り、水鉄砲を作ったり、竹とんぼで飛行時間を競ったり、川での釣り竿をこしらえたり、野鳥を捕る仕掛けを作ったり、等々、里山を駆け巡り、自然界から遊ばせてもらったというのが、ごく当たり前の子供の世界だった。
当然にも教室での鉛筆はその肥後の守で削り、その筆先の形状は、それぞれの個性を表して見事だった。
そうしたガキの頃からの刃物への親しみが、やがては木工へと収斂していくことになったとまでは言わないまでも、全く関係のないことではないだろう。
ペザントチェアの背板に紐模様を掘り進めていて、そんな懐旧に浸ってしまった。
隣の席のお下げ髪の不器用な女の子に、毎日のように愛用の肥後の守を取り出し鉛筆を削ってやっていたが、今思い返せば余計なお節介だったかもしれない。果たして今ではちゃんと包丁を使えているのだろうか。

FIFA W杯 日本代表Best16が意味するもの

FIFA W杯南アフリカ大会、日本代表チーム、予選リーグを2位で通過し、決勝Tへ進出したもののその第1戦で敗退。
延長戦を含め0:0という大接戦を演じるも、PK戦で敗れる。(FIFA公式サイト
南アフリカ本大会へ向かうまでは予選リーグで1つの勝利をもぎ取ることすら困難と思われていただけに、この結果は「善戦むなしく‥‥」、という枕詞を付け「よくぞここまで勝ち抜いた !」と高く評価されるだろう。
FIFA W杯、南アフリカの大地に間違いなく一陣の風を吹き込んだことは誇りにすべき。
決勝T・第1戦、何よりもPK戦で敗れるというのはサッカーそのものの勝敗を決定づけるものでは、恐らくは無い。
駒野はこれまでの国際試合でのPK成功率は高く、監督もそれを評価しての3番目での起用だったはず。
これをゴールポスト枠に当てて外してしまったのは、ほとんど時の運としか言いようがない。
むしろ考えねばならないのは0:0という結果の方。
PK戦に持ち込む前に、がむしゃらなまでに得点をもぎとらねばならなかった。

サッカーボール1

日本代表チームにはゴールチャンスが無かったわけではない。

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ルーターマシンの汎用性(Case Study)

ルーター作業
画像はペザントチェアの背板、ホゾの胴付きを決める工程の図。
ペザントチェアという椅子がいつ頃から作られ始めたのかなどの詳細は分からないが、欧州各国にそのルーツを探すことができるようだ。
ドイツ南部、ピネレーに抱かれた山間地などとね。
ペザントチェアという名称はもちろん後付けで、椅子のデザイン、構成における1つの様式を指しているに過ぎない。
座板の後側にはアーカンサス模様などが彫り込まれ、あるいは透かし彫りされた背板が貫通し、底からは丸ホゾを持つロクロ整形の4本の脚が突き刺さるという、とてもシンプルで簡明なデザイン・構成の椅子ということができる。
ペザントと呼称されるように、この椅子はさほど本格的な木工機械に依らずしても制作することができる。
手鋸、鉋、糸鋸、ロクロ、手動のドリル、といったように単純な道具だけでも決して不可能ではない。つまり農閑期の農夫の仕事というわけだ。
ペザントという語彙の意味合いは、もっと深いところにあるはずだが‥‥。
都会的な洗練されたものでは無いが、プリミティブでかつ質実な精神を持ったもの、とでも意訳してみようか。
背板に装飾性の強い模様を刻むことで、その制作者の美的センスを反映させるということになろうか、様々なデザインのものを観ることができ、楽しいものである。
個人的なことになるが、ボクが家具制作に興味を持ち始めた頃に出会ったのが「林二郎」さんのペザントチェアだった。

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FIFA W杯、日本代表、決勝T進出おめでとう

決勝トーナメント進出をかけた対デンマーク戦。完勝だったね。すばらしい戦いだった。
ボクはいつもより早めの11:30頃に床につき、3時に早起きして、MacのTV映像にかぶりついて視ていたのだが、家人の睡眠を妨げないよう、叫声を上げることもできず、いつになく苦しい観戦ではあった。
終了のホイッスルが鳴り、3:0の完勝で決勝トーナメント進出の確認をし、ふたたび床に着こうとしたものの、その時間、既に外は明るく、新聞配達もやってきて、軽い興奮を諫めてもなお寝苦しく、夏至が過ぎたばかりの夏の朝は熟睡できようもなかった。
この勝利は日本代表にとって、快挙といって間違いない“事件”だ。
テストマッチ4連敗をひきずったまま、南アフリカへ乗り込んだチームがここまで戦えるチームに変身していようとは誰が予想しただろう。

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