工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

《展示会の夏》でした

ふうせんかずら1ふうせんかずら2

この夏は展示会が相次ぎ、忙しい日々を送ってきてしまった。
日曜日に横浜での椅子展も終了し、撤収も済ませ、昨日整理も終わった。ホッ。
さて、この秋は受注品の制作、その合間を縫っての新作の準備に取りかかって行かねばならない。
仲間では東奔西走で頻繁に展示会(グループ展、百貨店の催事など)をしている人もいるが、感心してしまう。
ボクの工房環境では、せいぜい個展は1年に1回、あるいは2年に1回、その間に百貨店催事などのグループ展が年2回ほど、といったところが良いところだろうか。


それぞれ、制作活動にメリハリを与える意味においては欠かせない活動だ。
個展では新作を出品することが必須の要件なので、これを照準に新作開発へと意欲も増すということになるし、また広いスペースを使っての展示と言うことで、かなりトータルにレイアウトできるところに大きな意義がある。
もちろん、工房、木工家としての資質を向上させるためのアプローチとして、個展というスタイルが適切なあり方の1つであるということも大きいだろう。
しかも大変でも(武士は喰わねど高楊枝、痩せ我慢?)貸し画廊ではなく、企画もので……。
グループ展、あるいは二人展、三人展というものも個展とは異なる位置づけで重要。
複数での展示会は、やはり異なるジャンルの作家と共にやった方が有益だ。
互いの出品作品が相乗効果をもたらし、木工家具だけの展示とは異なる魅力が引き出せたりする。
今回の横浜に於ける椅子展なども、椅子という単種類のものを並べ、様々な作風のものを展示するというのもなかなか良いものだと思えた。
昨今、百貨店などでの催事も数年前と較べ相対的にその売り上げは低迷しているのが実態だ。大きなものが売りにくくなってきている(皆さん、どぅを?ボクだけ)
一方、個展などでの売り上げは決して悪くない。
これは顧客層の違い、また企画者による力の違いが大きいのではないだろうか。
結論、良い客層を持ち、顧客管理がしっかりしているギャラリー、画廊でやること、がキーポイント。(アッ、ばらしちゃった)
さて、しばらくは酷使した体調を回復させ、日常の制作活動の環境を整え、淡々とした、孤独な、しかし健康的でもある工房生活へと戻っていきたい。
写真はふうせんかずら。
左:小さな小さな可憐な白い花と、できたばかりの風船。
右:秋になり、ふうせんは早くも変色、結実したタネ。
タネは5mmほどで、白黒のパンダ模様?というおもしろい配色。
具体的に説明すれば…、黒地に白のハート型が付いてる感じ(白いところに目鼻を付ければお猿さんの顔みたい)

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  • お猿さん、こんにちは。
    風船蔓の実を、じっさいに見てみました。
    大きさを測ったら、直径がちょうど5cm。
    ひとつの風船に、かならず「3個」ずつ、実が入っている。
    そのわけは、風船が3つの部屋にわかれているから。
    そして、なぜ、ハート型に白い部分ができるかというと、
    右側の写真の右下にあるように、各実がくっついている
    部分だけ、黒い色素が配合されないから――。
    わかってしまえば、じつにかんたんなんだけど、こんな
    ちっぽけな風船蔓の実にさえも、自然の摂理が働いていて、
    とってもおもしろいなあ。
    ちなみに、これらの実は、透明なフィルムケースに入れて
    おくと重宝する。だけど、デジカメでは、ケースがないね。

  • 追伸
    あっ、いけねえ、単位を間違えた。
    お猿さんの直径は、5cmではなくて「5mm」でした。

  • >実がくっついている部分だけ、黒い色素が配合されないから…
    というところは割ってみて確認できてました。それにしてもクリアに塗り分けられてる。花の部分も非対称だよね。ルーペ使わないと判別付かないけど…。

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