工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

「イサム・ノグチ展」

モエレ沼公園を観てきた。
と、言いたいところだけど東京都現代美術館「イサム・ノグチ展」での模型の方だ
イサム・ノグチの展示会としてはボクはかつて東京国立近代美術館での「イサム・ノグチ展(回顧展)」(1992)以来だ。…13年も前か。
あの時も「エナジー・ヴォイド」に迎えられ、その力強い造形と有機的なフォルムに圧倒されたのだったが、今回は、東京都現代美術館という新しい拡がりのある空間に設置されて清生としていた。(東京会場巡回の前の札幌芸術の森美術館では池の湖面に置かれたようだ)
やっぱ、この花崗岩の彫刻がサイコー。
他にも92年の時とは異なる作品も多く持ち込まれていて、大変見応えのあるものだった。
ブランクーシの影響を包み隠さず表現した若い頃の作品から、また晩年の独自の洒脱な造形のものまでイサムの足跡をたどる展示内容になっていた。


1つ1つ取り上げたいところだが、それはボクの任ではない。
「エナジー・ヴォイド」を頂点としてどれも良いのだが、晩年の作品の中で玄武岩による「エイジ」という彫刻がロダンの「バルザック像」を抽象化したような人物のフォルムをイメージさせていて気に入っちゃった。
もちろん、今回の展示はランドスケープ・デザイン「地球を彫刻した男」としてその名を留めた「モエレ沼公園」の完成記念として構想されたものなので、その会場を観なければ画竜点睛を欠くものでしか無いかも知れないが、しかし東京会場においては模型を初めとして、彼の若かりし頃1933年に設計デザインされた「プレイ・マウンテン」模型を含め、札幌の地に招聘されるまでの足跡を示してくれる展示内容になってもいるので十分楽しめる。
なおボクは残念ながらサボッてまだ読了していないのだが、イサム・ノグチ―宿命の越境者〈上〉
イサム・ノグチ―宿命の越境者〈上〉(ドウス 昌代)に分け入り、日米両国の狭間で自己の魂の置き所をアイデンティファイできない放浪者としての特質を見いだすことで、より理解が深まるかも知れない。
新幹線に乗車する前に若干時間を取り、「加守田章二展」(東京ステーションギャラリー)を拝観したが、これについてはまた後日。(陶芸ファンのみならず、造形美術に関心のある人はぜひ)

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  • 「イサム・ノグチ展」(レセプション)

    明日から東京都現代美術館でいよいよ始まる
    「イサム・ノグチ展」のレセプションに参加してきました。

    いつもと変わらぬMOTのエントランス。

    でも展覧会入口には・・・
    報道用のカメラとテープカットの準備が整っていました。

    まずは東京都現代美術館館長

  • こんばんは。
    TBありがとうございました。
    エナジー・ヴォイドの別刷りの図録が
    今日送られてきました。
    また行こうと思っています。

  • ボクはエナジー・ヴォイドの別刷りも受付で頂きました。
    17tもの巨体の運送過程の画像も欲しかったけれどね。

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