円環状の桟積み

これ、何だか分かります?
今日はお盆ということで、父、兄らが眠る墓前と、仏壇があるる実家へと出向いた。
時折台風の余波を受けた横殴りの強い雨が降る中を車で走らせたが、実家近くの市道沿いのこの光景に目が留まり、慌てて車を停めiPhone4でパチリ。
ボクより上の世代なら見慣れた光景かもしれない。
下駄にする桐材を乾燥させているところだね。
井桁に組む、という言葉があるが、これは輪積みと言う。
荒木取りした桐材1枚1枚を井桁に組み円環状に積み上げていく。
梅雨時を含め、十分に雨風に当ててアクを抜きながら乾燥させていく。

しかしこうして半世紀近く経てなお同じようにそこにあるというのは驚きだった。
あらゆるものが変転し、全てが大きく変容してきた社会だったことを考えれば、古色蒼然とした佇まいがそこにあるということに、少し感傷を伴って見つめてしまったということもお分かりいただけるだろうか。
この土場に隣接して作業場があったが、お盆休みのためか留守だった。
どうみても半世紀は建て替えてないような作業場の佇まいであったが、このように荒木取りしたばかりのものが積み上げられていることを見れば、代替わりして今も桐下駄を作っているのだろう。
ちょっと胸が熱くなるとともに、自然と笑みもこぼれてくるのだった。
また近くに来た時に立ち寄らせていただき、親方に挨拶させていただこうと思った。
