工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

iPhoneのマイナンバーカードの朗報と、マイナ免許証の憂鬱(2)

前回後段の〈iPhoneのマイナカード〉対面本人確認が多くの自治体で拒否されている問題ですが、これを報じた東京新聞の関連記事に以下の記事があり、子育て世代の困惑が取材され、目に留まりました。

マイナ保険証の使い勝手は悪い? 子ども用の管理が面倒、落とすと不安…子育て世代や若者に本音を聞いたら(8月3日・東京新聞)

東京新聞デジタル 8月3日

子どもたちのパスワード(暗証番号)を覚えるのも面倒くさい
マイナ保険証になってから、(窓口で医療費を)10割支払ったことがある

子どもは成長で顔つきが変わる。マイナ保険証のカードリーダーの顔認証は使いづらく、暗証番号で受診するケースは多いが、女性は管理に苦労していた。

マイナは落とした場合を考えると不安

(医療費が無償になる)子ども医療証は(紙で)持っていないといけないから

救急搬送では7割弱が「マイナカード不所持」

こうしたマイナカードの使い勝手の悪さは、マイナカードを携行する事への忌避感を持つ私の懸念と重なりますし、このマイナカードをスマホに格納することで、これらの課題の多くが解決するのになぁ、などと独りごちたものでした。

特に問題だと感じたのは、15歳以下の子供には iPhoneのマイナカードは適用されないという課題です。
これは、iPhoneに紐付けされるマイナカードはあくまでもその所有者本人だけという、セキュリティ上の制約からのもので致し方が無いのかなぁとの感想を持ちますが、デジタル庁には、この辺りの解決策を編みだしてもらいたいものです。

ただもちろんですが、15歳以下の年齢でもマイナカードを取得することは可能です。
おぎゃぁ、と生を受けた時点で、出生登録と同時にマイナンバーは付与されるものですので、その親によるマイナカードの取得手続きにはまったく問題はありません。

明日、9月19日からiPhoneのマイナカードと連携した健康保険証の利用が可能となりますが、しかしこれはあくまでも15歳以上の利用者に限られ、それ以下の年齢の子供は、マイナカードの保険証を利用し、求めに応じてパスコードを打たねばならず、これを忘れていれば弾かれてしまうようです。

こうしたiPhoneでのマイナカード、加えこれに連携した健康保険証の利活用における年齢制限の問題は悩ましいですね。

子育て世代はデジタル対応能力において優れたものがあるでしょうから、彼らのマイナカード利用における制約の課題はぜひ克服されるよう、法的課題、デジタル創出の克服へと努力願いたいものです。

マイナ保険証のスマホ対応

さて、あらためて〈マイナ保険証のスマホ対応〉について視ていきたいと思います。

厚労省提供のPDFから

私は心身ともに健康体ですが、ただ1点、職業柄、長年、軽い喘息に悩まされている患者の一人でもあり、現在は経過観察と喘息薬処方のため、3月に一度のペースでの病院通いが続いています。

こうして、年4回通院していますが、健康保険証の提示は毎回求められますので(患者は月に1度は健康保険証の確認を求められる制度になっている)、こうした手続きもできるだけ簡便に行われる方が良いですし、
また重要な個人情報が記載された健康保険証ですので、持ち歩く事による紛失トラブルは避けたいのは言うまでも無く、この度の「マイナ保険証のスマホ対応」は行政のデジタル化の一環という一般的な了解を越え、運用上の大きな朗報だと考えています。

厚労省の〈スマートフォンのマイナ保険証利用について〉のアナウンスにある通り、「2025年9月19日から 機器の準備が整った医療機関・薬局で順次、利用可能となる予定です」が、医療機関、薬局がどこまで対応してもらえるのか、現時点ではまったくわかりません。

今朝(2025.09.18)の朝日新聞には「対応医療機関、まだわずか」との記事が上がっています。


因みに、私個人は10月初旬に次の喘息の定期健診がありますので、まずそこで確認したいと考えています。
病院は市の総合病院ですので、対応機器の整備は整っているものと期待されますが、さてどうでしょうか。
その実態に基づき、必要があればこの記事への追記か、別途、投稿できればと考えています。

なお医療機関・薬局でのスマホ対応には、現在 患者のマイナカードの読み込みのために普及している〈顔認証付きカードリーダー〉に汎用カードリーダーを外付け接続することで、利用者の本人確認が可能となるようです。

Panasonicのケース

医療機関の〈顔認証付きカードリーダー〉というものは、「暗証番号の入力でつまづく人がいる」との懸念からの方式ですが、iPhoneのマイナカードでの“オンライン資格確認”の場合はFace IDTouch IDによりアクセスができることになります。

そのためのNFCリーダーを別途外付けする形で運用されるようです。(右図)

iPhoneのNFCセンサーは上部のカメラ位置にありますので、右図のようにNFCリーダーにiPhone上部を近接させればOK!

この間、医療機関・薬局では政府が推進する電子処方箋の導入や医療DXの推進への対応で翻弄されている現状があるようです。
こうした政府の医療行政における戦略と具体的構想というものは、中長期的な構想からステップ バイ ステップで強化されてきたというよりも、やや継ぎ接ぎだだらけの様相もあり、医療機関・薬局など現場での対応も万全とは言えないのが現状なのかも知れず、〈iPhoneのマイナ保険証〉運用開始時は混乱必至かも知れません。

今回の〈スマートフォンのマイナ保険証〉については、既に普及している〈顔認証付きカードリーダー〉の規格、仕様において、当初からなぜスマートフォン対応にしなかったのか、アホみたいな話しです。
〈顔認証付きカードリーダー〉のスタートが2021年10月、堅牢なセキュア性能を持たせたWalletですが、このWalletがiPhoneに導入されたのは2012年、iOS 6 からです)

医療現場にDX医療の方針の下、設備投資、決済手続きを提供するには、中長期的な構想と展望に基づいたものでありたいところですが、果たしてどのような中間総括が為されることでしょう。

以下は厚労省より提供されてる、スマホによるマイナ保険証の利用イメージです

今回はここまで、
次回は「マイナ免許証」について考えていく予定です。でわ〜、

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