iPhoneのマイナンバーカードの朗報と、マイナ免許証の憂鬱(3)

スマホのマイナ保険証 スタートと、厚労省の新たな指針
件名の課題については、今日でオシマイにしたいと考えていましたが、
〈マイナ免許証〉の前に、やはり昨日から本格スタートした〈スマホのマイナ保険証〉の現場の状況に関し、メディア報道から視ていきたいと思います。
ただ、今朝の朝日新聞には記事は無く、各紙、デジタル版でも「マイナ保険証、始まってるよ〜」とのコタツ記事がほとんどで、現場取材記事は少なく、大いに脱力させられているという現状。
マイナンバーカード、およびマイナ保険証にとっては、このスマホだけで完結するという、次元を画するスタートだと思われるものの、どうもメディアの編集指針からは漏れこぼれてしまっているようです。
…ってか、メディアの意識の低さの表れと視るべきなのかも知れません。
そんな中にあって、注目したい記事が2つ。
✅ 東京新聞:「厚労省は機器がない医療機関に、スマホ画面を職員が目視して資格確認する「アナログ」な運用を認めた」
✅ 日経:スマホ保険証、全国4.7万医療機関・薬局で運用開始
以下、2つの記事を合わせて視ていきます。
18日、スマホ保険証だけを持って受診した場合、窓口で混乱が起きる恐れがあるため、厚労省は機器がない医療機関に、スマホの画面を職員が目視して資格確認する「アナログ」な運用を認め、日本医師会(日医)などの医療団体に通知。(東京新聞)
これはつまり、医療DXにあって、保険証のデジタル移行の重要な転換点である「スマホによるマイナ保険証」のスタートから、半ばコケちゃってることへの、アナログ対応、ということですね。
「読み取り機器の設置は、厚労省から購入費補助があるものの、医療機関側の任意とされている。同省によると、9月18日時点で、全国22万の医療機関などのうち、スマホ対応の読み取り機器のある施設は21%にあたる4万7000しかないとみられる」(東京新聞)
ふ〜む、まだまだってところですな。
調べてみたところ、この〈NFC/FeliCaリーダー〉ですが、SONY・RC-S300/S1 にしたって、実勢価格は5〜6,000円です。
補助金がMax 7,000円 にも関わらず導入しない?
何だかなぁ、って感じさ。
これはつまり、〈スマホ保険証〉対応のためのNFCリーダー設置が高額過ぎて、予算措置もできていない…、とかの理由では無く、ただ「やる気が無い」だけとしか考えられない[不作為]と視るべきなのかも知れないですね。
「普及率が21%なんだから、うちは今やんなくてもいいっしょ…。70% 越えたあたりで考えりゃ…」などといった認識か。
スマホ保険証がリリースされ、これ一本でいきたい患者の思いを他所に、いかにも「業界の空気を読む」ことの方が肝心で、患者おいてきぼりの自律性希薄な日本的風土って奴ですかね。


また、日経の記事で紹介されている〈キヤノンマーケティングジャパン製のリーダー〉というのは
なぜか日経記事にある写真では無く、東京新聞の方で参照している画像の機器がそれのようですね(記事と画像がアベコベなのは嗤えた)。
これは〈Hi-CARA〉という機種で、既存の顔認証付きカードリーダーですが、スマホのマイナ保険証に対応するNFCもあらかじめ装備されていたようです。(キヤノンマーケティングジャパン、Hi-CRA)
因みにこの〈Hi-CARA〉の方はキャノンオンラインショップでは162,800円(税込)とのこと。
導入には国からの相当額の補助金があり、実質負担額は不明。
この機器の普及が約3万2000個所の施設だそうで、一方、外付けの汎用カードリーダーを使っていると思われるのが約1万5000施設(補助金請求の施設数から)。
既存の〈顔認証付きカードリーダー〉のそのほとんどはスマホ保険証を読み取るNFCリーダーの機能は無いようです。
下図の通り、主要メーカーの機種は、〈Hi-CARA〉を除き、全て、別途NFCリーダーの導入が必須ということになります。

スマホ保険証の確認に対応するのは、前述、キヤノンマーケティングジャパン製のリーダーだけ。
NFCリーダライターのチップなんて、原価 わずかに数百円ですけどね。

なお、そもそもの話しですが、「保険者」から送られてきている「資格確認書」さえあれば問題無くフツーに受診できますので、ハナから「マイナ物理カード」を携行しようとは考えもしませんが、
東京新聞によれば、この新たな厚労省の指針が医療事業者に伝わっているのであれば、「資格確認書」すら無用で、iPhoneからマイナポータルサイトにアクセスし、〈健康保険証〉を呼び出し、目視で確認を受ければ保険診療が受けられるということになります。
私自身の iPhoneマイナ保険証の〈資格情報〉が右です。
これを下にスクロールしていくことで、資格情報(住所氏名、生年月日、加入保険者、資格取得年月日、負担金の割合等々)が表れます。
これを医療機関、薬局の窓口に示し、目視して頂ければ、取りあえずは保険診療が受けられます。
ただ、「資格情報をPDFで保存」と書かれてるものの、これを実行しても、{iPhone > ファイル > ダウンロード} には書類が見当たらないのです。
何らかのエラーでしょうかね。
今日は週末で厚労省の窓口は閉まっているので、来週明けにでも確認することにしましょう。
安易にアナログに後退させるようなメッセージを発するのは如何なものでしょう
この厚労省の、アナログで確認してもいいよ!、という通達は現場の混乱を避けるためとのことですが、こうした対応というのはいかにもお役所的な思考スタイルではあれ、医療DX、デジタル移行への施策としては感心しませんね。
これじゃまるでデジタルへの移行は「エラーは起きるもの」「エラーは起きて当たり前」みたいなネガティヴなイメージを掻き立てるだけで、この大事なスタート時点にあって、決して良くありません。
マイナカードによる「資格確認」の場合は〈顔認証付きカードリーダー〉で行われているわけですが、これは暗証番号の失念を見越し、顔認証でカヴァーするという考えからのものです。
この顔認証そのものも、メーカーの機種にもよるでしょうが、小さな子どもの場合などで認識エラーになることも少なく無いようです。
一方、〈スマホのマイナ保険証〉であれば、Suica など圧倒的な普及度で知られる NFCリーダーでの読み取りではエラーは極めて少なく、〈顔認証付きカードリーダー〉などよりはるかに短時間で高精度の確認が取れます。
考えられるエラーとしては、停電で機器そのものが稼働できない、通信ネットワークの不具合、スマホのバッテリーが無くなった、 iPhoneを逆さまにNFCリーダーにかざした・・・、せいぜい、その程度なのでは。
また、マイナンバーカードを持ち歩く事への忌避感は私だけでは無く、それこそ大事な個人情報が詰まったものだというので、自宅の金庫に仕舞ってある、と言う人もいるほどで、手軽に持ち出せるものでは無いとの認識が広範にあることも事実のようです。
対し、スマホは常に身近にあるのがフツーで、この自身の分身みたいなもので手軽に、安全に、確実に手続きできるというのは大いなる朗報と考えたいものです。
所轄官庁はもっと理知的に、多少はデジタル脳を働かせたメッセージを出してくれないと困ります。
今回はここまで、
次回は「マイナ免許証」について考えていく予定です。でわ〜、

木工家具のデザイナー & 職人のartisanです。
