工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

栃の座卓

信州でももっとも早くから開発されてきた別荘地Tにあらたに建造されたログハウス。
Webからアクセスしてきた I さんの別荘に座卓を納品させていただく。

別荘地であるので、敷地内の整備、植栽を含め、まだまだやらねばならないことがあるような状況だったが、シーズンを前にしてとりあえずは入居できるようになったそうで、この夏から楽しむのだそうだ。

座卓だが、都内から2度にわたりお訪ねいただき、当初はその材種を含め、いろいろと迷いに迷った末、栃の1枚板の甲板を選ばれた。
ボクが原木を集め始めた最初の頃の材木なので、競り落とし、製材後およそ20数年は経過する。
甲板は仕上がりで2寸を超える厚さだが、乾燥は十分。

オイル仕上げのためか、壁面の欧州松と色調も統一感があり、施主もとても喜んでくれた。
ブラックウォールナットの魅力に抗しがたいものもあったようだが、結果、栃にして正解だったと言うわけだ。

搬入する際にお手伝いいただいたのだが、そのあまりの重さに根を上げていらっしゃったが、それもまたログキャビンに似合う重厚感として評価していただく。

ボクはテーブルの甲板などはデザイン的にはさほど厚く見せない方を好むが、今回のような場合は例外だ。

標高1,500m。下界では多くのところで猛暑日を更新していたようだが、ここは半袖ではまだ寒いくらい。
薪ストーブの近くで使うことになるので、木の痩せがどのように進行するか気懸かりではあるが、さすがにこの別荘、真冬は使わないだろうとのこと(深い積雪で辿り着くのが困難)。
しかし、4シーズンを超えて、どのように収縮するか、暴れるかをチェックしたいと思っている。

甲板と脚部の緊結は送り寄せ蟻の吸い付きだが、かなり堅めに調整しておいた。

hr

《関連すると思われる記事》

                   
    

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.