工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

家具職人・藤井了という生き方(TV放送)

先にお知らせしてあった、元親方へのTV番組取材がいよいよ放送されることになったのでご案内しよう。
「発見 ! 人間力」
このサイトは「テレビ朝日」であるが、番組企画は「 (財)民間放送教育協会」というところのもので、文科省の肝いりで、社会教育・教養番組を、加盟社の共同企画・制作によって全国放送するものとなっている。
今回は地元「静岡放送」のクルーによる取材だったようだ。
全国放送も系列関係なく、各地域1局が放送することになっている。
放送スケジュールもしたがってまちまちなので、サイトを確認していただこう(こちら
さて、元親方・藤井了さんへの取材は「俺は不屈の家具職人」とタイトルされているように、如何にも家具職人らしい一面を切り取った内容となっているようだ。
ボクが世話になったのは1年足らずであったので必ずしも彼の全貌を知るものではないが、その後も何かと交流もありその飾らないキャラクター、多様な作風、優れた技量などは敬服している。
ボクの今があるのも、藤井さんからの鍛錬があったればこそである。
確かに今のボクの木工の在り方と、師匠藤井さんの生き方はかなり位相において異なるかも知れないが、ボクが備える木工加工技法の体系、あるいは職人的生き方への羨望に近い“思い”というものは、藤井さんの背中を見続けてきたことからのものであることは隠す必要もないだろう。
恐らくはボクは弟子としては出来の悪い者だったろう。
しかし彼が横浜クラシック家具制作の系譜を身をもって伝えてくれたことは、またボクの中で咀嚼され、別の形ではあれ再現していくことになる。
そして、今の彼の年齢まで元気に意志を貫き通すことで、恩義に報いることができるかもしれない。
取材には弟子のボクも呼んでくれるのかと待っていたら、男はいいから、若い女性職人を呼んだよ、だって‥‥。
ボクはこの辺りのことについては、残念ながら学ぶ機会がなかった。
梅雨が開けた昨19日は当地も猛烈な暑さに見舞われた。
それまでもどちらかと言えば空梅雨ぎみで、真夏のような暑さとぼやいていたが、さすがにと言うべきか、梅雨明け後の暑さはひとしお。
取材中は、大物制作でかなりお疲れの様子であったが、食事と睡眠、そして田舎の温泉で体力回復されて、また元気に励んでくれることだろう。
職人 万歳 !

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  • 情報ありがとうございます。
    是非録画して残したいと思いますが
    30分というのは、いかにも短いですね。
    民放ではこれくらいが眼界なのでしょうか。

  • acanthogobiusさん、首都圏では、かなり早朝の時間帯の放送ですね。
    こちらも同じようです。
    視聴率はどうなのかな?
    昨今民放はつまらん番組も多いようですので、良質な番組にも焦点を当てて欲しいものです。
    そのためにも多くの人にご覧頂きたいですね。

  • 今朝録画しておいたものを先ほど視聴しました。
    伝統工芸と呼ばれる物の制作風景は時々テレビでも取り上げられる
    ことがありますが今回のような家具職人の制作風景が取り上げられる
    のは稀ですね。
    私の記憶では昔NHKの「工房探訪」で小島伸吾さんの工房での
    制作風景が紹介されて以来でしょうか。
    今回は時間も短く、また藤井さんの人となりの紹介に重きが置かれて
    いたため仕方がないですが私としてはもう少し制作風景が見たかった
    ですね。
    今でも家具職人を目指す若者は多いのでこの手の番組がもっとあっても
    良いと思いました。
    若い女性が二人も登場していましたのでやはりartisanさんの出番は
    なかったですね。(笑)

  • acanthogobiusさん、制作風景とのお話しですが、取材クルーのカットされた長大なテープを貸与してくれれば良いのですがね。(それはムリか?)
    >若い女性が二人も登場していましたのでやはりartisanさんの出番はなかった
    映像にも出てくる家具メーカーの社長の理解と配慮で女性職人を採用してもらっていますが、男に伍して、いえ男をたじたじとさせるほどの力量を持つに至っているようです。

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