工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

本の求め方

書店の棚
ネット全盛の時代にあって望む本をどのようなルートで求めるのかということは意識下にあって良いとは思えない。
地域の書店に出向くことが無いわけではないが、残念ながら欲しい本は探し出せないことの方が多い。
雑誌はともかくも単行本でそこで買うことができるのは、メディアで話題になった本、あるいは大手出版社が扱うベストセラーになったものくらい。
地域のその書店も例に漏れずチェーン店であるので、棚にどのような本を置くのかは取次店のデータからはじき出されるもので占められるのだろう。
いったん棚に置かれても1週間経って売れていなければ当然にも他の新刊本に差し替えられる宿命を持つ。
こうしたシステムでは当然にもボクが欲しい本を探し出すのは困難。
様々なことが困難になっている時代というものを反映しているだけと言えばそれまでだが、こうした買い物というものは恐らくはかなりの程度にネットショッピングに置き換えられることで、読書家のフラストレーションが社会的問題になることは少ないのかもしれない。
しかしボクは極力amazonに代表される巨大ネットショッピングサイトで購入することを避けようと心がけている。(このBlogではRECOMMENDメニューを設置しているにも関わらず? )
多くの方々がそうであるように、「あなたが探している本はこれではないですか?」とご丁寧に購入者の読書傾向を分析し、先回りして紹介されることへの薄気味悪さが趣味に合わないからである。
確かに「あなたは知らないかもしれないが、あなたが読みたがる本が発刊されましたよ」、というのはありがたいことではある。
amazonなどで購入した事のある人には理解いただけるだろうが、「これこれ、こんな本を探していたんだよ」と感動してしまうほどに、そのデータ分析からの紹介はユーザーその人にとって適合していることは否定しない。
しかしそれはねぇ、余計なお世話なんだよ、というひねくれものにとってはやはり気味が悪い。
そんなわけで、今日は名古屋丸善に立ち寄りいつものようにアート、建築、インテリアコーナーを狩猟したが、思いの外読みたい本がいくつも出てきたのだが、懐具合もあったので2冊だけに止める。良い買い物になった。
やはりネットとは異なり、装丁も含め手触りの本が訴えかけてくるものはリアルだし、一覧性からの選択の自由さというものはうれしい。
下の画像はこのBlogにリンクしているストックホルムのIkuruさんの本が平積みになっているところ。
平積みですので、かなり売れているのだろうと思われた。やったね、Ikuruさん。
平積み

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  • 店頭での様子を見られて嬉しいです!
    でも、売れているかは、まだまだ分かりません(笑)。
    平積みなどの陳列方法は販売元の営業力によるそうです。
    地道に売れてくれたら良いなと思います。

  • 以前、六本木に働いていた時は駅周辺にABC(青山ブックセンター)があったり比較的大きな書店がありました。
    仕事で新橋、虎ノ門周辺に出ればまた個性的な書店も
    いくつかあり、そこでちょっとサボったりすることも
    できたのでamazonを使う機会は今ほど多くありませんでしたし予期せぬ本に出会う楽しみもありました。
    しかし、今の職場は都心からはずれていることもあり
    地域の住民の方は本を読まないのだろうか、と思う位です。
    帰宅途中わざわざ逆方向の電車に乗るわけにもいかず
    書棚に並んでいる本を一覧する楽しみはなくなりました。

  • Ikuruさん、「販売元の営業力」ですか、なるほどね。
    なかなか冷静な分析です。
    amazonでも関連本をプチッすると、すぐお奨めでヒットしますね。
    acanthogobiusさん、
    >予期せぬ本に出会う楽しみ
    まったくその通りです。
    その楽しみは忘れたくないですね。
    地域の書店を応援したいものです。

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