工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

コンパクトデジカメ XZ-1

はじめに

コンパクトデジカメ市場は、今や飽和状態とのことで、メーカーではAndroid組み込みのカメラや、ミラーレス一眼商品開発で大童。
これまで出し渋っていたcanonだったが、満を持してのミラーレス一眼発売でシェアを確保しようと躍起だ。

今日は残念ながらいずれでもなく、ちょっと旧くなってしまった〈OLYMPUS XZ-1〉の紹介だ。
既に発売から18ヶ月が経つ。
発売間もなくの購入だったので、1年半も使っていることになる。

いまだにお気に入りのカメラだ。
家具の撮影などはもっぱら一眼レフを使っているものの、外に持ち出す時はもちろん、工房内での撮影はもっぱらこちら。
決して軽快コンパクトだから、という安易な選択での日常使いではなく、実に高画質に、またこちらのねらいをきっちりとメモリーに定着させてくれるからだ。

また室内撮影における画質に関しては、ボクらのようなもっぱら室内作業を被写体とするユーザーに取っては、カメラ選びにおける重要なファクターとなるが、これについては追々述べていくことにする。

カメラ撮影とは、いかに被写体から適切な光を受け、保存、定着させるか、ということにつきる。
銀塩フィルムに定着させるのも、メモリーにデジタル保存するのでも、この点においては何も変わるところはない。

この適切な受光、ということを叶えるためには、いくつかの要素があるわけだが、中でももっとも大切なのはレンズの性能であることは論を待たないだろう。

したがって、今回のカメラ選びにおいても、重要な選択肢にこのレンズの性能を置いたのは、実際使用していて間違いでなかったことをシャッターを押すたびに感じている。

このコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)はボクのコンデジ歴、4代(台)目となる。
これまで、
▼canon PowerShotG1 (2000)
▼minorta DiMAGE X (2003)
▼canon IXY DIGITAL 810 IS(2007)

どれもよく働いてくれたが、寿命だったり、外部的ショックなどで破損し、使用不能に。(3つめの IXYは昨年3月、石巻緊急支援の現場で落下破損させてしまったのだった)

レンズ性能

ただ(今から考えれば、ということだが)、性能については納得のいくものではなかった。
つまり上述のレンズ性能への不満があったからだ。
いずれも開放で F3.5 ほどのものだったからね。
もっと正直に言えば‥‥(最初から正直に話せって ?)、コンデジなどにさほどの性能を求めていなかった、ということはある。

これはボクの個人的な評価、というより以前に、メーカーの開発思考において、そもそもその程度でしか無かった、と言うことは否めないのでは?
あるいはデジカメ性能の技術的向上、汎用IT部品の高度化と価格低下などから、年々、性能の向上が図られつつある、ということだろう。

そして今回、この〈OLYMPUS XZ-1〉はズイコーレンズ、F1.8を搭載してきたことで、破損での泣きの涙を拭うために、奮発した。(因みに、このズイコーレンズという呼称は、OLYMPUSの商品群の中では最上位にランクすることを指す)
そう‥“奮発”と気負った表現にふさわしい価格だったからね。
(この記事のために、本機を 価格.com で確認すれば、現在の価格は購入時のほぼ半額だ…>_<… ) 今回は過去3度の悔悟にふまえ、キチッとリサーチしての購入だった。 レンズ性能、画像処理エンジンの性能、デザイン、周辺機器(拡張性)などだね。 以前のカメラ性能の評価はもっぱら「解像度」に1つの基準がおかれていたように思うが、CCDのサイズも問わずに、解像度と言っても意味のあることではない。 もっともこのXZ-1も CCDは 1/1.63 でしかなく心許ないわけだが、所詮コンデジだからね。ここは受容しよう。 問題のレンズだが、 開放F値、1.8 である。明るい。 (今では F1.4 というコンデジもあるようだが、目をつぶっておこう) コンデジの多くはF3.5〜F2.8 といったところが主流。 この世界に F1.8 という明るさは小躍りしちゃうほどだった。 昼間の室内でも、ストロボ無しでシャッタースピードを稼げる。つまり手ぶれが防止できる。 他にもアートフィルターなど、いくつかの特徴があるが、はしょる。

外部ワイヤレスストロボ対応

このレンズの次に注目したのが、外部ストロボ対応で、かつワイヤレスでの光量コントロールが可能であると言うことだった。

外部ストロボが装着できるコンデジは増えてきているものの、この外部ストロボのスレーブ撮影に対応したものは、まだまだ少ないはず。

何が良いかと言えば、2灯〜のライティングでTTL撮影が可能。
目的とする距離と照射角度に外部ストロボを設置し、カメラの内蔵ストロボからの照射を受け、調整された光量で自動発光する。
つまり、被写体に正面から強いストロボの光を与えるのでは無く、任意の角度からメインの光を与え、光と影を演出することが可能である。

これを可能にしてくれる外部ストロボが画像右の「FL-300R」というもの。
これはXZ-1発売から遅れること半年後にリリースされたものだが、さっそく入手し、2灯ライティングの快適さに酔いしれている。
これまでは一眼カメラでしかできなかったことが、今やコンデジでも可能となってる。

もちろん、そうしたハイアマチュアの要望に応えるだけの全般的な画質性能もあると考えている。

周辺アクセサリー

周辺のアクセサリーということで付記すれば、予備の充電池は必携だ。正規のものはめちゃ高いが、いくつもの3rd パーティーのものがあるだろう。
本機のレンズ左側の黒のグリップは後付け。

ボクはこの世界は詳しくなかったので驚いたのだが、フラットなボデー形状なので、持ち手から滑りやすく、グリップが欲しいな、と思っていたら、何と、これをカスタムで作っている人がいるんだね。アメリカの小さな会社だったが、さっそく入手。すこぶる手持ち感が向上。
右のケースもお気に入り。クッション、フィッティング、デザイン etc 言うこと無し。

こういうガジェットは、性能もさることながら、持って快適さを与えてくれるようでないとダメだね。

デザインも、いかにもカメラ〜、という感じでしょ。それが良い。
ただ白と黒のボデー色の選択では白に。こういう小型のものは明度のある方が軽快だ。

今から楽しみな9月12日に発表されると言われる iPhone 5だが、こいつも白にしようかと考えている。(現機、iPhone 4、 24ヶ月シバリも終わったことだしね)

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  • 私のカメラとの出会いはオリンパスOM-1でした。
    学生時代、バイトで貯めたお金で買ったのを当時のテレビCM
    とともに思い出します。
    しかし、オリンパスは、私がしばらくカメラから離れている間に
    AFで決定的に他社から遅れてしまいましたね。
    今では、コンデジやミラーレスに活路を見出しているのでしょうか?

    ところで7Dのファームウェアをアップデートしてみました。
    機能は色々増えたようですが、今の所私の使用範囲では、あまり
    ありがたさがありません(笑)

    • どうも、この新しく設けたカテゴリー〈my Favorite thing〉、お気に入りのモノを紹介するものですが、いそいそと記述する気にはなれなくて困ります。
      何か持ち物をひけらかすかのようでもあり、落ち着きません。

      さてacanthogobiusさんも良いカメラで楽しんでいらっしゃるわけですが、私は正直申しましてオリンパスへの知識はほとんどありませんした。
      会社勤めの頃、先輩がOLYMPUS PEN(35mm 1/2サイズのものでしたね)を大事に使っていたのを思い出す程度。
      最近では経営環境の悪化(損益隠し・企業コンプライアンスの問題などで)で世界中に恥をさらしてしまっていますが、この事件が発覚した後であれば、選択の眼も曇ったかも知れません。
      でも、技術的には、世界的な光学メーカーとして揺るぎない位置を占めていると信じたいですね。

      >EOS 7D ファームウェアがリリース
      そうですか。うっかり見落としていました。
      ではさっそく。

      これ以上機能が増えても私には使い切れないでしょうね。

      最後にもう1点。コンデジ、なぜcanonにしなかったかと言えば、
      canonのシバリから抜け出したかったから。

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