工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

わが JBLコンパクトSPがご臨終

Macに繋いでいるスピーカーが壊れた。
JBLのCM52という壁掛け型の小型のもの。
13cmバスレフウーファーとドーム型のトゥイーターの2Way。
なかなか抜けが良くそのボデーサイズに似合わぬ音を響かせてくれていた。
以前、サウンドコンソールというキャビネット(こちら)を制作していた頃に、モニターとして展示会場に持ち歩いていたもの。
その後はMacの音源を鳴らすには手頃なサイズと性能であったので、大いに活用してきたところ。
購入は10年ほど昔のことになるだろうか。
安価なものでもあったので、10年での償却は仕方ないかなとも思うが、一方破損箇所からすれば製造上の問題もあるのではとの疑いもある。
トラブルは突然起こった。
左チャンネルが音割れしてきたのだ。
前部の金属ネットを外せば、想定通りウーファーのコーンと駆体外周を繋いでいるウレタンゴム様の部分に亀裂があった。
要するに経年劣化という症状と思われるが、大音響などを出したこともなければ、置かれている環境が影響したと考えられる要素もない。つまり過酷に使用してきたとは考えられないのだ。然るに10年で破損か。
この破損したウレタンゴム様の部分をよく見れば、もはや音源の振動に耐えられる物理的強度は微塵も感じさせないもので、ボロボロ。
これは素材選択の誤りではないか?
あのJBLにしてこの仕様は理解できない。
いや、理解せねばイケナイか。わずかに数万円の価格帯で性能を要求すること自体間違っていると言われてしまうのか。
さてさて、噂のMacのノートブック更新も昨夜のスペックアップ発表で今年も終えるようだし、このための購入資金は壊れたスピーカー更新に回すしかない。
そしてここは10年間楽しめただけでもありがたいと感謝し、丁重に廃棄してあげよう。
参考までに“Macに繋いでいる”ということについて一言。
USBからデジタル音源を取り出し、これをデジタルアンプで増幅して、スピーカーへ、というシステムだが、アナログと較べればコンピュータ内部のノイズからは自由だし、劣化も無い。音源にかなり忠実に再生が可能。
低音部が脆弱であれば、サブウーハーで増強すれば少しは改善する。(小型のデジタルアンプでも、このサブウーハー用の出力端子があるはず)
iTunesを含め、コンピューターでAVを楽しむ環境が普通になってきた中、ぜひデジタルアンプを介した再生システムを整備したいもの。
したがって、スピーカー選択においてはある程度の性能が望ましい。
やはりJBLで探すか、BOSEでいくのか、暫し、悩ましい日々が続きそう。
時間があればオーディオ専門店などで聴き較べするのが一番だね。
(BOSEであればBlog右メニューのRecommendのバナーをクリックして行ってみよう)
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  • 貴URLで何時も楽しませて戴いています。
    あり・が・と・う・・ございます。
    あの種の素材はある年月が来ると分解するものしか生産が出来ないと聞きました。(軍用は別)
    そうしないと地球がプラスチックのゴミで埋もれるからだそうです。
    スキー靴も5-8年で素材疲労分解します。
    消費者の自衛としてはエッジの素材を確認して購入でしょうか。

  • 鉋屑さん、存じ上げない方からの初コメントですが、なぜかうれしいですね。
    >あの種の素材はある年月が来ると分解するものしか生産が出来ない
    まさに仰るように素材がその主たる性質を失うというプロセスは“分解”という表現が適切でした。
    ただお話しの主旨に潜む背景をもっと知りたいと思います。こんなコメント欄では無理な要望ですが、示唆を頂けるようなURLなどご提供いただけるとありがたく思います。
    >スキー靴も5-8年で素材疲労分解
    卑近な例では英国Clarksの多くはアッパーの皮部分は全く劣化がないのに、ウレタンのヒールが5-6年で割れてきてしまうという現象には 怒 !
    貴サイト少しだけ拝見しましたが、写真は陰影豊かで美しく、Macフリークで、工作少年(いや失礼、もしやボクよりもお兄さんかも)、全てにおいて上級者と拝察しました。
    こんなBlogに来るきっかけはDominoあたりの電動工具だったのでしょうか。
    どうぞこれからも示唆に富むコメントをいただけるとうれしく思います。

  • ポリウレタンの加水分解とかいいましたか?
    ある程度の価格の音響用スピーカーなら修理してくれるところも方法も在りますが、修理費との兼ね合いですね。素材としてコスト的にもそれ以上の材料無いのですかね メーカー経年変化は確信犯ですね。

  • zziさん、今晩は。
    このジャンルであなたから的確な回答を受けるとは考えなかった自分を責めねばならないようです。恐れ入りました。
    確かにクラークスのソール劣化がポリウレタンの加水分解によるとの情報はネット上にあふれていました。
    スピーカーも同様です。
    FeCl3+3H2O → Fe(OH)3+3HCl ???
    ボクは亀の子はさっぱりダメでした。
    あわてて購入後12年になる JBL4312MK||のバッフルを外し、エッジ部分を触って確認しちゃいました。ホッ‥‥、大丈夫でした。
    「確信犯」ですか。
    “鉋屑”さんと同趣旨の結論ですね。

  • 私もクラークスのソールでは同じ経験があります。
    あれはポリウレタンの加水分解だったんですね。
    知りませんでした。
    当時は単に寿命かと思っていました。
    ソールの張替えも、やけに高価で結局廃棄してしまいました。
    以前、知人からもらったJBLは部屋に置く所がなく
    現在は工房で使っていますが今度エッジの確認を
    してみます。

  • acanthogobiusさんもクラークス ファンでしたか。
    ボクの場合は「ネーチャー」ですがアッパーは全く劣化がなくとも、ソールが劣化したのでは履けませんからね。一度日本法人へと送り張り替えしました。
    その後色を替え同じものを購入し6年を経過しましたが、劣化はまだ起こっていません(少しは改善したのかな?)
    6年という年数にあきれるかも知れませんが、職人やってると履く機会が少ないですから(でも加水分解というのは使用状況にかかわらず起きるのですよね)
    JBL.エッジぜひ確認を。

  • エッジは自分で交換できるので気に入ってらっしゃるなら
    交換してみるといいと思います。
    http://www3.coara.or.jp/~tomoyaz/higa0011.html#001101
    あたりを参考にされるといいと思います。

  • 中村さん、どなかは分かりませんがコメントありがとうございます。
    サイト、参照しました。
    なるほど、DIY的に対処しているツワモノもいるのが良く分かりました。
    ちょっと自信はありませんがチャレンジしてもおもしろいかな、と。
    素材入手などの情報が必要ですね。
    でもオーディオに関するエントリへは予想を超えて熱い人が多いことが分かり、何かうれしくなっちゃいました。

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