工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ヒノキチオールについて

昨日の記事「フィトンチッドに包まれて」の中で、「檜にはヒノキチオールという精油が含まれていて、これが香気を発する。」という記述をしました。
この段落部分について、木工をされている読者Tさんという方から、日本のヒノキにはヒノキチオールは含まれていない、とのご指摘がありました。
実は記事の中でも記したようにwikiで関連項目を確認していたのでしたが、この問題については専門分野の研究機関においてもなかなか微妙な状況のようで、あえてそうした煩雑な内容の紹介を避けてしまったがためのエラーになってしまいました。
お詫びして訂正します。
なおTさんからはいくつかのWeb上でのデータをお示しいただきましたので、そのURLも含め参照いただきましょう。
■ 「フィトンチッド基礎講座 (1)
■ 「ヒノキチオール今昔物語
上記サイトにもあるように最近になって日本産ヒノキからもヒノキチオールが検出されたというデータもあるようですが、それまでの「日本の檜にはヒノキチオールは含有されていない」という定説を覆すほどのものとはなっていないというのが現状のようです。
あらためて整理しますと関連する学会(日本木材学会など)においては日本のヒノキにはヒノキチオールが含まれているとする明確なデータはまだ無い。
しかし一方最近の分析では検出されたという報告もある。
またヒノキには国産材の中にあっても精油含有量が多いことは認めねばならず、(こちらのデータなど)名前こそヒノキチオールと同一とは確証されないものの、フィトンチッドを発する有用な樹木であることも確かなこと、と言うことができるでしょう。
誤解を招く記述内容であったことを詫びるとともに、今後の研究に待ちたいと思いますね。
Tさん、ご指摘感謝します。これからもどうぞよろしくおねがいします。
お仕事もがんばってください。応援しています。
なお本件指摘のメールには、このBlogは「影響力も大きなものがあるのではないかと思い、ご連絡させていただいた」と言う記述もあったのですが、本人にはその自覚がちょっと欠如しているかもしれない。
もとよりそうしたことには関係なく、記述には正確さが求められると言うことは当然のことで、自戒せねばなりません。
遠慮してのものであったのか、コメントではなく実名のメールでの指摘でしたが、このようなものはWelcomですので、どしどしお願いします。いや間違い、どしどしなどという頻度があるようではマズイわけですね。

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