工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

「小川幸彦 陶芸の世界展」観覧

小川幸彦 作陶展
「小川幸彦 陶芸の世界展」(〜須恵器から志戸呂まで〜)、昨日観覧してきたので簡単に紹介する。(参照
会場は拙工房から大井川を渡り、数Km土手沿いに北上したところ、木橋では世界最長といわれ観光名所にもなっている「蓬莱橋」の近くに立地する。
島田という小さな自治体が設置運営するものとは思えないなかなか立派な施設「島田博物館」での企画展として開催された。
必ずしも有名な展示施設でもないので、どれだけの動員力があるのか不安なところもあるが、9/25までという比較的長い会期なので、ぜひ多くの方々に観覧いただきたい。
残念ながら会場内は撮影禁止なので、会場内の様子をお見せすることは叶わないが、展示スペースをはみ出すほどの作品群を見せてくれていた。
灰釉、自然釉、窯変などの大作が中心だが、若い頃から研究していた地元古陶の「志戸呂釉」の渋さも魅力的だ。
他にも伊羅保、信楽、唐津、粉引、など多彩なものが大小100点を超える規模で、回顧展にふさわしい作品群となった。
先に画像で紹介したパンフレットの紹介文を以下に転載させていただく。

 小川氏は1942年東京に生まれ、少年期からの夢である造形美術の世界に進むため大学を中退し、20歳で京都在住の陶芸作家である岩淵重哉氏の門をたたきます。その後沖縄県の南蛮焼、栃木県の益子焼や、愛知県の常滑焼の平安・鎌倉時代の古陶に関心を持ち、古陶の研究に各地を廻り作陶を続けました。1968年頃には、静岡県島田市阿知ヶ谷に登り窯「天恵窯」を築き、その窯で信楽、常滑や地元の陶土を使い、須恵器から平安・鎌倉時代の中世陶器の習作を始めとして、地元の古陶である「志戸呂焼」の素材・材料研究を行い、独自の灰釉の表現を駆使し次々に精力的な作品を制作しました。1969年には、日本工芸会正会員に推挙されています。
 今回の企画展では、これらの作品の中より、灰釉・自然釉大壺、灰釉大まな板皿、灰釉扁壺、灰釉長頸瓶、灰釉花器、志戸呂徳利、志戸呂扁壺、南蛮徳利、信楽徳利などの須恵器、中世陶写しや、南蛮、各釉掛けの秀作とともに、氏の表現した書画などの関連資料も展示し、初期から熟年期までの作陶の世界を紹介します。

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  • 初めまして。いきなりのメール失礼します。小川幸彦さんの作品を集めている者です。
    上記写真に記載されてる、自然釉大壺は今どこにありますか?また販売価格はどのくらいでしたか?

    • 確たるところは不明ですが、この展覧会会場の【島田市博物館】の所有かもしれません。
      代表的な作品をコレクションしているようです。
      あるいは、大勢おられた、地元の個人のコレクターでしょうか。

      あいにく、私はこれほどの大物は所有していません。

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