工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

今夜、技能五輪2007・沼津の関連TV番組

一昨日エントリした「WorldSkills Shizuoka 2007」の4日間の競技のドキュメントを中心として、日本の製造現場における技能者育成の現状を追う番組があります。
NHKサイトでは、「精密機械組立」(具体的にはセイコーエプソン)部門を中心としたドキュメントになっているようですので、木工関連の2つの部門が対象になっている可能性は少ないですが、製造業における近年の技能者育成における困難は各産業共通の悩みであるでしょう。
参考までにご案内します。
■「若き技能エリートたちの戦い 〜巧みを競うオリンピック〜」
 ・07/12/03(本日)22:00〜22:49
 ・NHK総合TV「NHKスペシャル」

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  • 楽しく視聴しながらも、考えさせられる技能者育成の現場ルポでしたね。
    技能の伝承も、製造現場の海外移転から困難になっていて、それまで技能伝承には特段の配慮もなく世代交代ができていたものが、独自の技能伝承部門を起ちあげ、先輩技術者からマンツーマンで伝えられなければできなくなってきている。
    また、伝承される人材の側も、ただ先輩の技能を受け継ぐだけではなく、自身の柔軟で創造的な技能の獲得がなければ真の技能にはなり得ないことなど、なかなか示唆的でもありましたね。
    翻って、木工の製造分野では今や抜け殻に近い状況があるのではないだろうか。
    細々と地域の小さな木工所、あるいは木工家と言われる人々によってかろうじて支えられているというのが現状。
    このネット上での木工技能の情報も、実はとてもお寒い状況。(自身の荷担も含め)
    本来の先輩技能者の手から直接伝えられるような場というものを確保していかねばとんでもない状況へと陥ってしまうのではとの懸念は強い。
    Joinery部門12位(上位はすべて欧州勢)。
    Cabinetmaking部門18位(上位は欧州勢、およびアジアからイラン、インドネシアが日本の上をいく)
    無論課題の設定における不利があったかも知れないし、技能五輪対策への取り組み方の違いもあったかもしれない。
    そうしたことも含めてもなお、劣化は押しとどめようもない。
    “世界に冠たる日本の木工文化”などという物言いはもうやめるしかないか。

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