テーブル製作(その1,木取り)
今日からテーブル2種の製作に入ったのだが、今後何回か工程を紹介したいと思う
。
今回もあまり体系だったものにならないと思うけれど、何らかの有用な情報になるかもしれない。
まず最初は木取り。
画像、上は脚部に用いる3寸板の板の含水率を測定しているところ。
天然乾燥による材木なので、こうした測定は欠かせない。しかもかなりの厚い板でもあるのでなおさらのことだ。
この含水率計は高周波方式のものなので、仕様では内部50mmまでの測定が可能となっている。
板面に3分割バネ状の測定センサーを接触させ、被測定物の気乾比重によりいくつかのレンジの中から該当する数値を選択し、電源ボタンを押す、という極めて簡便な操作方法だが、信頼できるものだろうと思う。
抵抗式と較べても、針を刺さなくても良いし、刺した深さまでしか測れないものと違い、かなり深いところまでの測定が可能。
ご覧のように3寸板でありながら13.4%を指示している。パーフェクトな乾燥状態だ。
柾目の年輪の詰んでいるところがお解りだろうか。ざっと数えると、樹齢約100 年。色も良く、すばらしい木だ、
この樹種はブラックウォールナットなので、ボクは人乾(人工乾燥)はしない。天乾のみだ。人乾に入れるとこの樹種は色が褪せる。3寸という厚さなので5年以上は干した。
なお季節は冬なので、いわゆる”戻り”は少ないのだろうと思う。夏場だと、周囲の環境に晒されることで、数%の戻りが出てくる。
次の画像は上の板材からカットされた木口の落とし。わずか数cmの幅だが、全く割れがきていない。
これは「木口割れ止め」を処理した結果だ。
うちでは「ランバーメイト」という薬剤を使用している。
よく一般に木工ボンド(酢酸ビニルエマルジョン)を使用することも多いようだが、こちらの方がはるかに効果は期待できる(ただしかなり高価)。
割れを防ぐにはこうした割れ止めで処理する、という方法以外にも、桟積みの方法ということも実は大きく影響する。
acanthogobius
2006-2-9(木) 23:01
脚にしてしまうのがもったいないような材ですね。
でも良く見ると芯噛みの所でしょうか?
巾はどこくらいの板なのでしょうか?
木口割がまるでないのは目が詰んでいて良い材であることも
あるのでしょうがやはり驚きですね。
今度桟積みの方法も教えてください。
artisan
2006-2-9(木) 23:48
acanthogobiusさま コメントありがとうございます。
60cmほどの原木の中心部分ですね。当然 Pith center が入りますので、製材ではあらかじめ2つ割りにしておいたものです。
一般にそうした部分は角材を取ることも多いですが、これは2つ割りしたものです。
したがって30cmほどの幅です。
まぁ、中心部分と言うことは写真のように柾目になりますので、割れにくいところではあるのですがね。
もったいないと仰いますが、トロですので確かにそうかもしれません。しかしまた歩留まり、仕上がりの品質を考えますと材料でケチっていてはアキマセン。
若い頃は品質を追求せずに多くの原木を買い集めましたが、結局は歩留まり、仕上がりを考えますと、高い買い物をしていたことになります。
どうぞ懐が許す限り、良材を求めましょう。