Base by Rosewood
今、ローズウッドのキャビネットを製作しているが、都合でベース(置き台)の方が先に完成しちゃった。
シンプルな板差しによる台。
魅せ所は材種・ローズウッドの美しさと、天秤差しによる接合の仕口。
この接合部は角を1分(≒3mm)出している。これは仕口を強調させるだけでなく、経年変化での痩せなどによる接合部の視的劣化を免れる。
実はローズウッドを用いての家具制作は過去数度試みているが、天秤差しの仕口では初めてのこと。
やはり想定通りでもあったがやや靱性が低い(ねばりが無い)ことによるためか、組み立て途上一部にクラックが入ってしまった。
加工精度の問題の方が大きいけれどね。
しかし経験者には理解していただけると思うが、100%の完璧さでジャストフィッティングというものはなかなか。
しかし組み立てと並行してクランピングすることで完成後はこのクラックも全く隠れてしまったので安堵させられた。
写真撮影は材種の色調の特徴から明度、コントラストが低調で難しいね。
しかし暑い、日本列島、いずこも同じ。那覇と静岡と北見がほぼ同じ気温だって !?
acanthogobius
2006-8-20(日) 23:55
こんばんは。
拝見するに一枚板のローズウッドのようで、これだけの
巾の物はもはや貴重品ですね。普通ならツキ板用にスライス
されるところかもしれません。写真ではディテイルが分からないのが少し残念です。
天秤差しにしてもアラレ組にしても通しの加工方法の場合は
材種にもよりますがクラックの入る危険性があるような気が
します。拭き漆を時々やりますが湿度の高い風呂などに
いれると場所による膨張率の違いで、その危険性も増すような気がします。その点では加工は面倒ですが隠し蟻組接ぎ
や包み蟻組接ぎの方が強いと思いますがいかがでしょう。
もちろん、デザイン上の問題は考慮しなければなりませんが。
artisan
2006-8-21(月) 20:47
acanthogobiusさま ローズウッドの幅広は確かに稀少なものですね。
因みにこのBase by Rosewoodの寸法は 1,300w 380d 280h というごくありふれたものです。
>膨張率の違いで、その危険性も増す
対策としてはやはり「共木」、1枚の板で接合部も隣り合わせになるような木取りをするなどの配慮が必要と言うことでしょうか。
>隠し蟻組接ぎや包み蟻組接ぎ
も有効でしょう。
また、やはり材種を選ぶ、ということも重要ですね。
訓練校在学中に栗材で天秤差しによる北欧調のデスクを製作したことがありましたが、指導教官にたしなめられたことが思い出されます。「そんな脆弱な材でやる仕口ではない」と。この時は確かに天秤の先端が欠けたりしちゃいました。
acanthogobius
2006-8-21(月) 22:36
丁寧なコメントありがとうございます。
巾380のローズウッドは今はもう、ありふれたとは
言えないですね。ソノケリンのような色の薄いローズ
は見ることができても、色の濃いローズは中々お目にかかれません。
artisanさんがウォールナットを好まれるのも、その靭性の高さがあるのでしょうね。私はまだあまり使ったことがないので
近いうちに体験してみたいと思います。オイル塗装にも適しているようですし。